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第三章 神子
レレイ
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「パーピュア!」
部屋に迎えてくれたパーピュアに手を伸ばすとディアがそっと床に下ろしてくれて、そのままパーピュアに抱き着いた。
「おかえり、スナオ」
「ただいま。心配かけてごめん」
「全くだ」
いつもと同じ不遜な言い方が暖かくて思わず涙ぐむ。涙腺緩くなったよな~、なんて他人事みたいに思いながらしばらく抱き着いてたんだけど、レイアゼシカが来たら怒られそうだからそろそろ離れとこ。
結婚してからは前ほど前面的に嫉妬アピールはしなくなったみたいだけど、内心嫉妬で燃えてる、って前にディアが言ってたしな。
「パーピュア、赤ちゃん生まれたって聞いた。おめでとう」
お祝いの品は改めて渡す事になってる。生まれたら渡そうって準備してたプレゼント沢山あるから運べなかったんだ。この雪だと馬車は使えないから俺達もここまで馬で来たし。
「ありがとう。今連れてくるから待っていろ」
座れ、と促されてフカフカソファーに座る。この部屋には暖炉はなくて、代わりに空調が利いてるようで暖かい。離宮には小さな子供がいるんだもんな。暖炉なんて危険な物は設置しなかったんだろう。火が怖かった時なら俺も暖炉なんてあったらその部屋に落ち着いていられなかっただろうけど、今はあの炎でゆったり出来るから気に入ってる。焚火見ると落ち着くっていうし、暖炉もそうなのかも。
なんて取り留めない事を考えてたら従僕さんが紅茶を出してくれる。温めたミルクを入れて一口飲むと冷えた体がじんわりと温もってホッと一息をついた所へパーピュアが戻ってきた。腕にはフカフカのおくるみにくるまれた小さな命が抱かれてて。逸って立ち上がろうとするけどやっぱりまだ足に力が入らないから立てなくてもどかしい。
「ほら」
そんな俺の腕にパーピュアが赤ちゃんを乗せる。
「え、やだ。落としそうだから!」
「大丈夫だ。支えてやる」
そう言って俺の腕を押さえてくれるから、俺も恐る恐る小さな顔を覗き込む。
まだ薄い髪の毛はパーピュアと同じ青で、俺を見上げる瞳はレイアゼシカの金と同じ。王家の血を引いてると金目になるんだって。一般にいる金目の人は実は王族の庶子だったりするらしい。
「小さい…可愛い…!」
横からディアが覗き込んできて、ディアもどこか恐々とおくるみから出ている手をつつく。小さな指に握られてびく、っとするその姿はいつものディアとは程遠くて思わず笑ってしまった。
「ディアも怖い物があるんだね」
「こんなに小さかったら潰してしまいそうだ」
「…殿下もこのくらい慎重だったらいいんだが」
まだ俺の前では殿下呼びなんだよな~。きっと二人の時にはレイ様呼びなんだろうけど。それはそれでラブラブっぽいからいいか。二人だけの特別って感じがする。
「レイアゼシカはどんな感じ?」
「子供を抱えたまま回ったりするから怖い」
「浮かれすぎだと注意しておきましょう」
ディアがパーピュアに敬語って何か違和感すごい…。パーピュアも同じみたいで物凄く居心地悪げにしてる。でも王族の仲間入りしたんだもんな。俺がもし希望通り農民になってたら絶対出会わなかった。そう考えたら今ここにいられるってすごい事なんだな、って改めて思う。
「ねぇ、この子名前は?」
「レレイ。光という意味だ」
「いい名前もらったねー、レレイ君」
じっと見上げるレレイ君。まだどっちに似るかわからないけど、パーピュアもレイアゼシカもイケメンだからレレイ君もイケメンに育つね~きっと。そうなったら伴侶になりたい人様達が殺到するんだろうなぁ。
またディアが恐る恐る突っついて、ふにゃ…と声を出されてビクっとなるのが面白すぎる。そういえばアルベール君の時も抱っこしたのはローゼンだけで他の二人は遠巻きだったもんなぁ。
「ティエも来た?」
「翌日にローゼンと来たな。ローゼンは普通に抱いてくれたが、ティエは団長と同じくビクビクして抱きはしなかった」
ふにゃふにゃぐずり出しちゃったからパーピュアが俺の腕からそっと抱き上げてあやす。その姿はもう立派にお母さんだ。この世界でも母は母っていうらしい。男しかいないのに不思議だな~。
「団長、そんな弱腰でもし自分の子が生まれたらどうするんです?」
「…努力する」
いつもかっこいいディアが困ったような顔になるのが可愛くてうっかりキスしそうになったわ。
そうこうしてる内にレレイ君はおねむの時間になったようで部屋で寝かしつけて。戻って来たパーピュアに診察してもらってから夢の話とか神様っぽい人に言われた事を伝える。
「コトネ…確かにそれは救いの神子の名前です。しかし彼は災厄の時代が終わった後アークオランを番達と建国し、そしてアークオランで亡くなったと」
「確かに亡くなってるんだよね?」
「大神殿にある主神の棺とは通称で、あれは神子コトネの棺だという説が一部の学者からは出ている。周りにある3つの棺は彼の番達の物だったのではないか、と考えているそうだ」
「中身は?」
「…神官達が恐れ多いと開けさせてくれず、確かめられないそうです」
「…一度中を確かめて頂きたい。スナオの…今代の神子に関わる事だと」
「時間がかかるかも知れませんが…出来るだけ早急に出来るように殿下に頼んでみます」
部屋に迎えてくれたパーピュアに手を伸ばすとディアがそっと床に下ろしてくれて、そのままパーピュアに抱き着いた。
「おかえり、スナオ」
「ただいま。心配かけてごめん」
「全くだ」
いつもと同じ不遜な言い方が暖かくて思わず涙ぐむ。涙腺緩くなったよな~、なんて他人事みたいに思いながらしばらく抱き着いてたんだけど、レイアゼシカが来たら怒られそうだからそろそろ離れとこ。
結婚してからは前ほど前面的に嫉妬アピールはしなくなったみたいだけど、内心嫉妬で燃えてる、って前にディアが言ってたしな。
「パーピュア、赤ちゃん生まれたって聞いた。おめでとう」
お祝いの品は改めて渡す事になってる。生まれたら渡そうって準備してたプレゼント沢山あるから運べなかったんだ。この雪だと馬車は使えないから俺達もここまで馬で来たし。
「ありがとう。今連れてくるから待っていろ」
座れ、と促されてフカフカソファーに座る。この部屋には暖炉はなくて、代わりに空調が利いてるようで暖かい。離宮には小さな子供がいるんだもんな。暖炉なんて危険な物は設置しなかったんだろう。火が怖かった時なら俺も暖炉なんてあったらその部屋に落ち着いていられなかっただろうけど、今はあの炎でゆったり出来るから気に入ってる。焚火見ると落ち着くっていうし、暖炉もそうなのかも。
なんて取り留めない事を考えてたら従僕さんが紅茶を出してくれる。温めたミルクを入れて一口飲むと冷えた体がじんわりと温もってホッと一息をついた所へパーピュアが戻ってきた。腕にはフカフカのおくるみにくるまれた小さな命が抱かれてて。逸って立ち上がろうとするけどやっぱりまだ足に力が入らないから立てなくてもどかしい。
「ほら」
そんな俺の腕にパーピュアが赤ちゃんを乗せる。
「え、やだ。落としそうだから!」
「大丈夫だ。支えてやる」
そう言って俺の腕を押さえてくれるから、俺も恐る恐る小さな顔を覗き込む。
まだ薄い髪の毛はパーピュアと同じ青で、俺を見上げる瞳はレイアゼシカの金と同じ。王家の血を引いてると金目になるんだって。一般にいる金目の人は実は王族の庶子だったりするらしい。
「小さい…可愛い…!」
横からディアが覗き込んできて、ディアもどこか恐々とおくるみから出ている手をつつく。小さな指に握られてびく、っとするその姿はいつものディアとは程遠くて思わず笑ってしまった。
「ディアも怖い物があるんだね」
「こんなに小さかったら潰してしまいそうだ」
「…殿下もこのくらい慎重だったらいいんだが」
まだ俺の前では殿下呼びなんだよな~。きっと二人の時にはレイ様呼びなんだろうけど。それはそれでラブラブっぽいからいいか。二人だけの特別って感じがする。
「レイアゼシカはどんな感じ?」
「子供を抱えたまま回ったりするから怖い」
「浮かれすぎだと注意しておきましょう」
ディアがパーピュアに敬語って何か違和感すごい…。パーピュアも同じみたいで物凄く居心地悪げにしてる。でも王族の仲間入りしたんだもんな。俺がもし希望通り農民になってたら絶対出会わなかった。そう考えたら今ここにいられるってすごい事なんだな、って改めて思う。
「ねぇ、この子名前は?」
「レレイ。光という意味だ」
「いい名前もらったねー、レレイ君」
じっと見上げるレレイ君。まだどっちに似るかわからないけど、パーピュアもレイアゼシカもイケメンだからレレイ君もイケメンに育つね~きっと。そうなったら伴侶になりたい人様達が殺到するんだろうなぁ。
またディアが恐る恐る突っついて、ふにゃ…と声を出されてビクっとなるのが面白すぎる。そういえばアルベール君の時も抱っこしたのはローゼンだけで他の二人は遠巻きだったもんなぁ。
「ティエも来た?」
「翌日にローゼンと来たな。ローゼンは普通に抱いてくれたが、ティエは団長と同じくビクビクして抱きはしなかった」
ふにゃふにゃぐずり出しちゃったからパーピュアが俺の腕からそっと抱き上げてあやす。その姿はもう立派にお母さんだ。この世界でも母は母っていうらしい。男しかいないのに不思議だな~。
「団長、そんな弱腰でもし自分の子が生まれたらどうするんです?」
「…努力する」
いつもかっこいいディアが困ったような顔になるのが可愛くてうっかりキスしそうになったわ。
そうこうしてる内にレレイ君はおねむの時間になったようで部屋で寝かしつけて。戻って来たパーピュアに診察してもらってから夢の話とか神様っぽい人に言われた事を伝える。
「コトネ…確かにそれは救いの神子の名前です。しかし彼は災厄の時代が終わった後アークオランを番達と建国し、そしてアークオランで亡くなったと」
「確かに亡くなってるんだよね?」
「大神殿にある主神の棺とは通称で、あれは神子コトネの棺だという説が一部の学者からは出ている。周りにある3つの棺は彼の番達の物だったのではないか、と考えているそうだ」
「中身は?」
「…神官達が恐れ多いと開けさせてくれず、確かめられないそうです」
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