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新婚編
16.朝の戯れ
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翌朝。
リリアーナはカーテン越しに溢れる朝日の眩しさで目が醒めた。
「ん…………っ」
大きく伸びをし、身体を起こそうとすると腰回りに鈍い痛みを感じて、顔を顰める。
手足に力が入らないのも、声が涸れてしまっているのもいつもの事だが、今朝は一段と症状が強い気がする。
何とか身体を起こして隣を見ると、ラファエロが身動ぎ一つせずに眠っていた。
「いつもは私よりも先に起きていらっしゃるのに…………」
リリアーナは微笑むと、まじまじとラファエロの寝顔を観察する。
癖の強い金髪は朝日を浴びて、まるで金細工のようにキラキラと輝きを放ち、同じ色の長い睫毛が目元に影を落としている。
すっと通った高い鼻梁も、肉厚で形の良い淡い薄紅色の唇も、全てが完璧な形で、完璧な配置で並んでいる。
改めて観察すればするほど、溜息が出るほどに美しかった。
「………そんなに見つめられると、いくら私でも流石に恥ずかしいのですが………」
食い入るように見つめていると突然、寝ているはずのラファエロの声が聞こえて、リリアーナは文字通り飛び上がった。
それと同時にラファエロが薄っすらと目を開け、微笑んだ。
「ら、ラファエロ様…………っ!起きていらっしゃったのですか?」
「今起きたところですよ。あなたの視線があまりにも熱いので………」
言葉が途切れるのと入れ替えにラファエロの腕が伸びてきて、リリアーナの腰を捕える。
「ラファエロ様………っ?!」
夜着越しに、ラファエロの指が妖しげに蠢くのを感じてリリアーナは慌てふためく。
しかしラファエロはいたずらっぽい笑みを浮かべながら、指を夜着の中へと潜り込ませる。
その両眼にははっきりとした欲望が浮かんでいる。
このままラファエロのペースに呑まれたら今日一日、再起不能になることを悟ったリリアーナは、ラファエロの悪戯から逃れようと身を捩るが、見た目以上に力強いラファエロの腕はびくともしない。
寧ろ抵抗しようとするリリアーナの様子を楽しんでいるようにすら見えた。
「きょ、今日は出掛ける予定なのでしょうっ?早く支度をしないと…………っ」
不自然な位に上擦った声を上げると、ラファエロはもう堪えきれない、というように笑い出した。
「確かに、あなたの言う通りですね。遅刻したら叱られそうなので、非常に残念ですが早々に準備をしましょうか」
「きゃっ………!」
ラファエロは言い終わるや否や、寝台から降りるとリリアーナを抱え上げ、顔を覗き込む。
「私の女神はいつも十分過ぎるほど美しいですが、今日は少々活動的な服装のほうが相応しいですからね。朝食を食べたら早速支度をしましょうか」
にっこりと微笑みながら甘い言葉を囁かれたリリアーナは、恥ずかしさに顔を赤らめ、俯いたまま頷いたのだった。
リリアーナはカーテン越しに溢れる朝日の眩しさで目が醒めた。
「ん…………っ」
大きく伸びをし、身体を起こそうとすると腰回りに鈍い痛みを感じて、顔を顰める。
手足に力が入らないのも、声が涸れてしまっているのもいつもの事だが、今朝は一段と症状が強い気がする。
何とか身体を起こして隣を見ると、ラファエロが身動ぎ一つせずに眠っていた。
「いつもは私よりも先に起きていらっしゃるのに…………」
リリアーナは微笑むと、まじまじとラファエロの寝顔を観察する。
癖の強い金髪は朝日を浴びて、まるで金細工のようにキラキラと輝きを放ち、同じ色の長い睫毛が目元に影を落としている。
すっと通った高い鼻梁も、肉厚で形の良い淡い薄紅色の唇も、全てが完璧な形で、完璧な配置で並んでいる。
改めて観察すればするほど、溜息が出るほどに美しかった。
「………そんなに見つめられると、いくら私でも流石に恥ずかしいのですが………」
食い入るように見つめていると突然、寝ているはずのラファエロの声が聞こえて、リリアーナは文字通り飛び上がった。
それと同時にラファエロが薄っすらと目を開け、微笑んだ。
「ら、ラファエロ様…………っ!起きていらっしゃったのですか?」
「今起きたところですよ。あなたの視線があまりにも熱いので………」
言葉が途切れるのと入れ替えにラファエロの腕が伸びてきて、リリアーナの腰を捕える。
「ラファエロ様………っ?!」
夜着越しに、ラファエロの指が妖しげに蠢くのを感じてリリアーナは慌てふためく。
しかしラファエロはいたずらっぽい笑みを浮かべながら、指を夜着の中へと潜り込ませる。
その両眼にははっきりとした欲望が浮かんでいる。
このままラファエロのペースに呑まれたら今日一日、再起不能になることを悟ったリリアーナは、ラファエロの悪戯から逃れようと身を捩るが、見た目以上に力強いラファエロの腕はびくともしない。
寧ろ抵抗しようとするリリアーナの様子を楽しんでいるようにすら見えた。
「きょ、今日は出掛ける予定なのでしょうっ?早く支度をしないと…………っ」
不自然な位に上擦った声を上げると、ラファエロはもう堪えきれない、というように笑い出した。
「確かに、あなたの言う通りですね。遅刻したら叱られそうなので、非常に残念ですが早々に準備をしましょうか」
「きゃっ………!」
ラファエロは言い終わるや否や、寝台から降りるとリリアーナを抱え上げ、顔を覗き込む。
「私の女神はいつも十分過ぎるほど美しいですが、今日は少々活動的な服装のほうが相応しいですからね。朝食を食べたら早速支度をしましょうか」
にっこりと微笑みながら甘い言葉を囁かれたリリアーナは、恥ずかしさに顔を赤らめ、俯いたまま頷いたのだった。
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