30 / 166
30.暫しの平穏※ちょこっとR18です
しおりを挟む
モーリス侯爵令嬢の事件以降は、暫く平穏な日が続いた。
魔力の回復は思いの外早く、翌日には怪我も治癒魔法で完治させることが出来た。
ちなみに、ドミニクを連れて行かなかったことに対しては、怪我が回復してから叱られてしまった。……夫婦とは言っても、アデルバート様と私は歳が十二歳も離れているせいか、まるでお父様に叱られている気分になってしまう。
ドミニクの方も、アデルバート様からお叱りを受けたらしいと、エブリンが教えてくれた。
私が勝手に動いたせいで、結局皆に迷惑をかけてしまったのね。
それでも、こんな役立たずの私を、アデルバート様は毎夜必ず求めてくださった。
……この結婚自体が、アデルバート様の血を残すためのものなのだから、それを義務だと感じてらっしゃるのかもしれない。
そう考えてしまうと、やはり悲しさが拭えないけれど、アデルバート様に抱かれると何も考えられなくなってしまう。
「ん、ああっ!もう……もうっ……!」
「何も我慢する必要などない。思う存分、私を感じろ」
夜毎の激しい行為のせいで、私の弱いところは全てアデルバート様に知られてしまっているようで、徹底的に弱点ばかりが責められる。
執拗に嬲られ、私は与えられる快楽に陶酔した。
「そこ、だめぇっ……やめっ……」
「駄目、ではなく、もっとだろう?」
「やあああっ!」
毎日深夜まで、アデルバート様が予定の無い日は朝日が朝日が昇るまで、行為は続けられた。………時には私が気を失うまで。
お陰で私は、睡眠不足が続き、昼寝をする日もしばしばになってしまった。
……対してアデルバート様は、私と同じで夜は殆ど寝ていないのに、公爵としての仕事をこなし、勿論日々の鍛錬も絶対に欠かさない。多分、睡眠時間はニ~三時間くらいしかないはずだけれど、それでも疲れを見せることは一切ないのだからやはり軍人なのだな、と改めて感じた。
でも、そんな日々を送っていても、結局アデルバート様との心の距離は初めて出会った時から変わっていない。
アデルバート様と過ごす時が濃密になればなるほど、私は彼を失う不安を感じるようになってきた。
二日目の夜に感じた虚しさが、どんどん大きくなるような感じだった。
この胸の痛みは、何なのだろう。
魔力の回復は思いの外早く、翌日には怪我も治癒魔法で完治させることが出来た。
ちなみに、ドミニクを連れて行かなかったことに対しては、怪我が回復してから叱られてしまった。……夫婦とは言っても、アデルバート様と私は歳が十二歳も離れているせいか、まるでお父様に叱られている気分になってしまう。
ドミニクの方も、アデルバート様からお叱りを受けたらしいと、エブリンが教えてくれた。
私が勝手に動いたせいで、結局皆に迷惑をかけてしまったのね。
それでも、こんな役立たずの私を、アデルバート様は毎夜必ず求めてくださった。
……この結婚自体が、アデルバート様の血を残すためのものなのだから、それを義務だと感じてらっしゃるのかもしれない。
そう考えてしまうと、やはり悲しさが拭えないけれど、アデルバート様に抱かれると何も考えられなくなってしまう。
「ん、ああっ!もう……もうっ……!」
「何も我慢する必要などない。思う存分、私を感じろ」
夜毎の激しい行為のせいで、私の弱いところは全てアデルバート様に知られてしまっているようで、徹底的に弱点ばかりが責められる。
執拗に嬲られ、私は与えられる快楽に陶酔した。
「そこ、だめぇっ……やめっ……」
「駄目、ではなく、もっとだろう?」
「やあああっ!」
毎日深夜まで、アデルバート様が予定の無い日は朝日が朝日が昇るまで、行為は続けられた。………時には私が気を失うまで。
お陰で私は、睡眠不足が続き、昼寝をする日もしばしばになってしまった。
……対してアデルバート様は、私と同じで夜は殆ど寝ていないのに、公爵としての仕事をこなし、勿論日々の鍛錬も絶対に欠かさない。多分、睡眠時間はニ~三時間くらいしかないはずだけれど、それでも疲れを見せることは一切ないのだからやはり軍人なのだな、と改めて感じた。
でも、そんな日々を送っていても、結局アデルバート様との心の距離は初めて出会った時から変わっていない。
アデルバート様と過ごす時が濃密になればなるほど、私は彼を失う不安を感じるようになってきた。
二日目の夜に感じた虚しさが、どんどん大きくなるような感じだった。
この胸の痛みは、何なのだろう。
5
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる