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本編(アルフォンシーナ視点)
21.向けられる悪意
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どこかほろ苦さを孕んだ、穏やかな時間はあっという間に終わりを告げた。
メロディーの最後の一音が途切れた瞬間、ベルナルドはまるではっと我に返ったかのように、ぱっと手を離した。
「………お上手なのですね。楽しい時間を、ありがとうございました」
ベルナルドが自分をどう思っていようと、自分はベルナルドに対して敬意を持って接すべきだ。
そう考え、アルフォンシーナはふわりと微笑むと、優雅な仕草で彼に向かってお辞儀をした。
「…………」
しかし、ベルナルドからは返事が返ってくることはなかった。
別にそれを期待していた訳ではなかったが、こうして否定され続けるということはアルフォンシーナの心を少しずつ蝕んでいく。
そんなアルフォンシーナの心をベルナルドが知るはずもなく、悲しげに瞳を揺らすアルフォンシーナに背を向けて、広間の一角で会話に花を咲かせている女性達の方へと立ち去って行ってしまった。
ベルナルドの後ろ姿を見送ると、アルフォンシーナはゆっく。と壁際に移動する。
すると不意に背後から声を掛けられた。
「まあ、随分と惨めねぇ?」
聞き覚えのない令嬢の声に、アルフォンシーナはゆっくりと振り返る。
そこに立っていたのは、アルフォンシーナと同じくらいの年頃の、金髪の巻き毛が印象的な、華やかな雰囲気の令嬢だった。
「ご機嫌よう、レベッカ様」
アルフォンシーナは彼女が向けてきた棘のある言葉をさらりと流し、微笑みを浮かべながら挨拶をする。
声を掛けてきた令嬢ーーーレベッカ・ベッリーニは近年になって急速に力をつけたベッリーニ侯爵家の娘だ。
顔立ちは整っているが、ややつり目で、きつそうな印象を与えるが、性格も見た目どおりーーーとの噂だったが、特段アルフォンシーナは気にしていなかった。
というよりも、今までは顔見知り程度で、これという接点はなかった。
そんな彼女が、わざわざ自分に声を掛けてくるとは、一体何事だろう。
アルフォンシーナは柔らかな笑顔を浮かべたまま、彼女の出方を待った。
「ふん。新婚の夫から見向きもされないのに、気取っているんじゃないわよ。『国一番の淑女』だなんて呼ばれて、調子に乗っているんでしょう?」
レベッカはかつん、と踵を踏み鳴らしてアルフォンシーナに一歩近づくと、真正面からアルフォンシーナを睨め付け、物凄い勢いでそう捲し立ててきた。
メロディーの最後の一音が途切れた瞬間、ベルナルドはまるではっと我に返ったかのように、ぱっと手を離した。
「………お上手なのですね。楽しい時間を、ありがとうございました」
ベルナルドが自分をどう思っていようと、自分はベルナルドに対して敬意を持って接すべきだ。
そう考え、アルフォンシーナはふわりと微笑むと、優雅な仕草で彼に向かってお辞儀をした。
「…………」
しかし、ベルナルドからは返事が返ってくることはなかった。
別にそれを期待していた訳ではなかったが、こうして否定され続けるということはアルフォンシーナの心を少しずつ蝕んでいく。
そんなアルフォンシーナの心をベルナルドが知るはずもなく、悲しげに瞳を揺らすアルフォンシーナに背を向けて、広間の一角で会話に花を咲かせている女性達の方へと立ち去って行ってしまった。
ベルナルドの後ろ姿を見送ると、アルフォンシーナはゆっく。と壁際に移動する。
すると不意に背後から声を掛けられた。
「まあ、随分と惨めねぇ?」
聞き覚えのない令嬢の声に、アルフォンシーナはゆっくりと振り返る。
そこに立っていたのは、アルフォンシーナと同じくらいの年頃の、金髪の巻き毛が印象的な、華やかな雰囲気の令嬢だった。
「ご機嫌よう、レベッカ様」
アルフォンシーナは彼女が向けてきた棘のある言葉をさらりと流し、微笑みを浮かべながら挨拶をする。
声を掛けてきた令嬢ーーーレベッカ・ベッリーニは近年になって急速に力をつけたベッリーニ侯爵家の娘だ。
顔立ちは整っているが、ややつり目で、きつそうな印象を与えるが、性格も見た目どおりーーーとの噂だったが、特段アルフォンシーナは気にしていなかった。
というよりも、今までは顔見知り程度で、これという接点はなかった。
そんな彼女が、わざわざ自分に声を掛けてくるとは、一体何事だろう。
アルフォンシーナは柔らかな笑顔を浮かべたまま、彼女の出方を待った。
「ふん。新婚の夫から見向きもされないのに、気取っているんじゃないわよ。『国一番の淑女』だなんて呼ばれて、調子に乗っているんでしょう?」
レベッカはかつん、と踵を踏み鳴らしてアルフォンシーナに一歩近づくと、真正面からアルフォンシーナを睨め付け、物凄い勢いでそう捲し立ててきた。
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