23 / 389
本編(アルフォンシーナ視点)
22.レベッカ
しおりを挟む
「わたくしは、そんなつもりはありません」
思いも寄らない言いがかりに、アルフォンシーナは驚いて、慌てて首を横に振った。
『国一番の淑女』という二つ名も、アルフォンシーナ自身は畏れ多いと感じているし、仮に周囲がそう認めてくれているとすれば、それはアルフォンシーナをそう育ててくれた両親のお陰だと思っていたからだ。
それなのに、まるでアルフォンシーナ自身がそう呼ばれる事を望んでいるかのように思われるのは心外だった。
「そんなつもりはない?何を言っているの?そんな訳ないでしょう?」
また一歩、レベッカがアルフォンシーナに躙り寄る。
物凄い圧力を感じて、アルフォンシーナは反射的に一歩後ろに下がった。
「『国一番の淑女』なんて呼ばれて、お高く止まっているくせに、肝心の夫からは見向きもされないだなんていい笑い者ねぇ?」
わざとらしく笑い声を上げるレベッカだったが、彼女の目は全く笑っていなかった。
「………一体、何故わたくしにそのような事を仰るのです?」
『夫に見向きもされない』という事実を指摘されて、アルフォンシーナは惨めな気持ちになったが、それでも怯むことなく、毅然とした態度でレベッカに立ち向かう。
何故突然、良く知りもしない令嬢から、このような場所で詰られなければいけないのか。
自分がそのように責められる理由が、思い当たらなかったからだ。
するとレベッカは、より一層目を吊り上げ、険しい顔つきになった。
「……………どうして、ですって?」
レベッカの声が、一段階低くなった。
何故自分を責め続けているレベッカの方が怒っているのだろう。
アルフォンシーナは慎重に、レベッカの出方を窺う。
「ベルナルド様の妻になるのは、この私のはずだったのに!それなのに、どうしてあなたなんかが!!一体、どうやって国王陛下に取り入ったのよ?!」
アルフォンシーナを詰るうちに興奮してきたレベッカは、今が舞踏会の最中だという事を忘れ、大声で叫び始めた。
周囲もざわつき始め、その場にいる者たちがアルフォンシーナ達に注目し始める。
「レベッカ様………」
「馴れ馴れしく呼ばないで頂戴!あなたなんか、早く離縁されればいいのよ!!」
何とかレベッカを宥めようとするが、彼女はアルフォンシーナの言葉に全く耳を貸そうとしなかった。
思いも寄らない言いがかりに、アルフォンシーナは驚いて、慌てて首を横に振った。
『国一番の淑女』という二つ名も、アルフォンシーナ自身は畏れ多いと感じているし、仮に周囲がそう認めてくれているとすれば、それはアルフォンシーナをそう育ててくれた両親のお陰だと思っていたからだ。
それなのに、まるでアルフォンシーナ自身がそう呼ばれる事を望んでいるかのように思われるのは心外だった。
「そんなつもりはない?何を言っているの?そんな訳ないでしょう?」
また一歩、レベッカがアルフォンシーナに躙り寄る。
物凄い圧力を感じて、アルフォンシーナは反射的に一歩後ろに下がった。
「『国一番の淑女』なんて呼ばれて、お高く止まっているくせに、肝心の夫からは見向きもされないだなんていい笑い者ねぇ?」
わざとらしく笑い声を上げるレベッカだったが、彼女の目は全く笑っていなかった。
「………一体、何故わたくしにそのような事を仰るのです?」
『夫に見向きもされない』という事実を指摘されて、アルフォンシーナは惨めな気持ちになったが、それでも怯むことなく、毅然とした態度でレベッカに立ち向かう。
何故突然、良く知りもしない令嬢から、このような場所で詰られなければいけないのか。
自分がそのように責められる理由が、思い当たらなかったからだ。
するとレベッカは、より一層目を吊り上げ、険しい顔つきになった。
「……………どうして、ですって?」
レベッカの声が、一段階低くなった。
何故自分を責め続けているレベッカの方が怒っているのだろう。
アルフォンシーナは慎重に、レベッカの出方を窺う。
「ベルナルド様の妻になるのは、この私のはずだったのに!それなのに、どうしてあなたなんかが!!一体、どうやって国王陛下に取り入ったのよ?!」
アルフォンシーナを詰るうちに興奮してきたレベッカは、今が舞踏会の最中だという事を忘れ、大声で叫び始めた。
周囲もざわつき始め、その場にいる者たちがアルフォンシーナ達に注目し始める。
「レベッカ様………」
「馴れ馴れしく呼ばないで頂戴!あなたなんか、早く離縁されればいいのよ!!」
何とかレベッカを宥めようとするが、彼女はアルフォンシーナの言葉に全く耳を貸そうとしなかった。
340
あなたにおすすめの小説
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
お飾りな妻は何を思う
湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。
彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。
次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。
そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。
【完結】あなたを忘れたい
やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。
そんな時、不幸が訪れる。
■□■
【毎日更新】毎日8時と18時更新です。
【完結保証】最終話まで書き終えています。
最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)
もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません~死に戻った嫌われ令嬢は幸せになりたい~
桜百合
恋愛
旧題:もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません〜死に戻りの人生は別の誰かと〜
★第18回恋愛小説大賞で大賞を受賞しました。応援・投票してくださり、本当にありがとうございました!
10/24にレジーナブックス様より書籍が発売されました。
現在コミカライズも進行中です。
「もしも人生をやり直せるのなら……もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません」
コルドー公爵夫妻であるフローラとエドガーは、大恋愛の末に結ばれた相思相愛の二人であった。
しかしナターシャという子爵令嬢が現れた途端にエドガーは彼女を愛人として迎え、フローラの方には見向きもしなくなってしまう。
愛を失った人生を悲観したフローラは、ナターシャに毒を飲ませようとするが、逆に自分が毒を盛られて命を落とすことに。
だが死んだはずのフローラが目を覚ますとそこは実家の侯爵家。
どうやらエドガーと知り合う前に死に戻ったらしい。
もう二度とあのような辛い思いはしたくないフローラは、一度目の人生の失敗を生かしてエドガーとの結婚を避けようとする。
※完結したので感想欄を開けてます(お返事はゆっくりになるかもです…!)
独自の世界観ですので、設定など大目に見ていただけると助かります。
※誤字脱字報告もありがとうございます!
こちらでまとめてのお礼とさせていただきます。
あなたの愛はもう要りません。
たろ
恋愛
15歳の時にニ歳年上のダイガットと結婚したビアンカ。
この結婚には愛などなかった。
16歳になったビアンカはできるだけ目立たないように学校でも侯爵家でも大人しくしていた。
侯爵家で肩身の狭い思いをしながらも行くところがないビアンカはできるだけ問題を起こさないように過ごすしかなかった。
でも夫であるダイガットには恋人がいた。
その恋人にちょっかいをかけられ、ビアンカは我慢の限界を超える。
そして学園を卒業さえすればさっさと離縁して外国で暮らす。
その目標だけを頼りになんとか今の暮らしに耐えていた。
そして、卒業を控え「離縁して欲しい」その言葉を何度となく夫に告げた。
✴︎今回は短めの話を投稿していく予定です。
(作者の時間の都合により)
果たされなかった約束
家紋武範
恋愛
子爵家の次男と伯爵の妾の娘の恋。貴族の血筋と言えども不遇な二人は将来を誓い合う。
しかし、ヒロインの妹は伯爵の正妻の子であり、伯爵のご令嗣さま。その妹は優しき主人公に密かに心奪われており、結婚したいと思っていた。
このままでは結婚させられてしまうと主人公はヒロインに他領に逃げようと言うのだが、ヒロインは妹を裏切れないから妹と結婚して欲しいと身を引く。
怒った主人公は、この姉妹に復讐を誓うのであった。
※サディスティックな内容が含まれます。苦手なかたはご注意ください。
半日だけの…。貴方が私を忘れても
アズやっこ
恋愛
貴方が私を忘れても私が貴方の分まで覚えてる。
今の貴方が私を愛していなくても、
騎士ではなくても、
足が動かなくて車椅子生活になっても、
騎士だった貴方の姿を、
優しい貴方を、
私を愛してくれた事を、
例え貴方が記憶を失っても私だけは覚えてる。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるゆる設定です。
❈ 男性は記憶がなくなり忘れます。
❈ 車椅子生活です。
〖完結〗もうあなたを愛する事はありません。
藍川みいな
恋愛
愛していた旦那様が、妹と口付けをしていました…。
「……旦那様、何をしているのですか?」
その光景を見ている事が出来ず、部屋の中へと入り問いかけていた。
そして妹は、
「あら、お姉様は何か勘違いをなさってますよ? 私とは口づけしかしていません。お義兄様は他の方とはもっと凄いことをなさっています。」と…
旦那様には愛人がいて、その愛人には子供が出来たようです。しかも、旦那様は愛人の子を私達2人の子として育てようとおっしゃいました。
信じていた旦那様に裏切られ、もう旦那様を信じる事が出来なくなった私は、離縁を決意し、実家に帰ります。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全8話で完結になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる