国一番の淑女結婚事情〜政略結婚は波乱の始まり〜

玉響

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本編(アルフォンシーナ視点)

90.ベルナルドの真の顔

ソフィアに伴われ、アルフォンシーナは自室へと戻った。
しかし、なかなか気持ちが落ち着く事はなかった。
それどころか、ソフィアが退出して一人になると、つい余計な事までかんがえてしまう。

ビアンカが心配だということが一番の理由だったが、それ以外のことーーー主にベルナルドについての事が次々と頭に浮かんでくるからだった。
ベルナルドという男については、本当に理由のわからないことばかりだ。

そもそも彼の真実の姿とは、一体どのようなものなのだろうか。
社交界で知らぬ人はいない程に、遊び人として、その名を轟かせる快楽と悦びを最優先事項とする、とうしよう『遊び人侯爵』。
それとも、妻であるアルフォンシーナを邪険に扱う、冷たい夫。
はたまた、物事を冷静に見極め、的確に行動に移す『国王の側近』。

考えるほどに、ベルナルドの遊び人としての姿や、アルフォンシーナに冷たく当たる姿というのは、彼自身の真実の姿である、フェルディナンドといる時に見せていた姿や、先程侯爵家のエントランスホールで見せた、実に堂々とした姿を隠すために、わざと他人からそのように見えるようにとベルナルドが演じているかのように思えてしまう。

「………まさか、そんな………馬鹿げているわ………」

アルフォンシーナは誰に話し掛けるわけでもなく、たった一人で呟いた。
勿論これは、何か根拠のある仮説ではなく、単純に、アルフォンシーナ自身が見聞きしたことそのまま素直に感じた事を仮定したに過ぎなかった。
だがそう考えれば彼の不可解な行動や、感じ取った違和感については全て説明が出来た。

だが一方で、何故ベルナルドがそのような行動をするのかという明確な理由についてはは、皆目毛等もつかない。
それに、彼がそうやって偽りの姿を隠そうとする理由も見当たらない。
彼はあくまでも、
それなのに、不思議なことにそんなくだらない仮説が、正しいものであるかのように感じてしまう、。

「………そんな筈はないのに………、そんな事を考えるだなんて、わたくし、どうかしているわよね………」

アルフォンシーナは誰に話し掛けるわけでもなく、一人そう呟く。
部屋の中でその呟きは、ゆっくりと空気に溶けていくように、静かに、ゆっくりと消失したのだった。
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