16 / 20
16.断罪(3)
しおりを挟む
「確かに私は、君達の誘いに乗り、城下町で二人きりで会ったりした。でも、君達に好意を持っているだとか、好きだなんて一言も言っていない筈だよ?」
ご令嬢達の顔が、青ざめていきます。私も、あの日取ったメモを、こっそりとポケットから取り出して読み返してみると………確かに、バイロン様からはそういった類の言葉は一度も話されていません。
「私が愛しているのは、婚約者であるミリアリア・ビバーナム伯爵令嬢ただ一人だ!」
私は、大きく目を見開きました。
バイロン様が、はっきりと私を愛していると、仰いましたよね?
今耳にした言葉が信じられずに、私は呆然としています。
「ついでに言うのならば、君たちみたいに、心が汚くて、見た目や名誉ばかりを気にしている陰湿で醜い輩は大嫌いだね。顔を見るだけで虫唾が走るよ」
「そんな!私がいると会場が華やぐと、褒めてくださったではないですか!」
「あぁ………そんな事言ったかな。よく覚えていないけれど、それは確実に君達をこの場に呼び出し、私の愛しいミリアリアに対しての所業を、断罪する為についた嘘だよ」
じゃあ、バイロン様は本当に私の事を愛して下さっていて、私の為に今迄裏で動いてくださっていたということなのでしょうか。
「そんな!私達を騙していたのですか?」
「バイロン様がそんな人だったなんて………!」
「騙していた?君達がそれを言うのかい?自分達がしていた嫌がらせを、ミリアリアから受けたと嘘をついたのは君達だろう?………まあ、そんな嘘を信じるほど私は愚かじゃないけどね」
バイロン様はご令嬢達に冷たくそう言い放ちました。
「………大体、バイロン様はそんな、なんの取り柄もない、冴えない令嬢の何処が良いと言うんですの?!」
マティルダ嬢が、ヒステリックに叫んでらっしゃいます。………そうですよね。私なんて、なんの取り柄もない、地味で目立たない、つまらない人間ですもの。そう言われても仕方ないです。
「ミリアリアの素晴らしさは、君達には理解出来ないだろうね。ミリアリアほど奥ゆかしくて、献身的で、驕らず、心根が美しい人を、私は知らない。その心の美しさが、見た目にも滲み出ているんだよ。君達の、ハリボテみたいな見た目とは大違いだね」
「なっ………!」
「私達がミリアリア様に劣ると仰るの?」
「酷いですわ、バイロン様!」
バイロン様の言葉にマティルダ嬢たちが怒り出しましたけれど、バイロン様は涼しい顔をなさっています。
「劣るも何も、ミリアリアと君達とでは、次元が違うんだよ。………そんな事を気にするよりも、そろそろ自分達の心配をしたほうがいいんじゃないかな?」
バイロン様は溜息をつくと、あざ笑うようにそうおっしゃいました。
ご令嬢達の顔が、青ざめていきます。私も、あの日取ったメモを、こっそりとポケットから取り出して読み返してみると………確かに、バイロン様からはそういった類の言葉は一度も話されていません。
「私が愛しているのは、婚約者であるミリアリア・ビバーナム伯爵令嬢ただ一人だ!」
私は、大きく目を見開きました。
バイロン様が、はっきりと私を愛していると、仰いましたよね?
今耳にした言葉が信じられずに、私は呆然としています。
「ついでに言うのならば、君たちみたいに、心が汚くて、見た目や名誉ばかりを気にしている陰湿で醜い輩は大嫌いだね。顔を見るだけで虫唾が走るよ」
「そんな!私がいると会場が華やぐと、褒めてくださったではないですか!」
「あぁ………そんな事言ったかな。よく覚えていないけれど、それは確実に君達をこの場に呼び出し、私の愛しいミリアリアに対しての所業を、断罪する為についた嘘だよ」
じゃあ、バイロン様は本当に私の事を愛して下さっていて、私の為に今迄裏で動いてくださっていたということなのでしょうか。
「そんな!私達を騙していたのですか?」
「バイロン様がそんな人だったなんて………!」
「騙していた?君達がそれを言うのかい?自分達がしていた嫌がらせを、ミリアリアから受けたと嘘をついたのは君達だろう?………まあ、そんな嘘を信じるほど私は愚かじゃないけどね」
バイロン様はご令嬢達に冷たくそう言い放ちました。
「………大体、バイロン様はそんな、なんの取り柄もない、冴えない令嬢の何処が良いと言うんですの?!」
マティルダ嬢が、ヒステリックに叫んでらっしゃいます。………そうですよね。私なんて、なんの取り柄もない、地味で目立たない、つまらない人間ですもの。そう言われても仕方ないです。
「ミリアリアの素晴らしさは、君達には理解出来ないだろうね。ミリアリアほど奥ゆかしくて、献身的で、驕らず、心根が美しい人を、私は知らない。その心の美しさが、見た目にも滲み出ているんだよ。君達の、ハリボテみたいな見た目とは大違いだね」
「なっ………!」
「私達がミリアリア様に劣ると仰るの?」
「酷いですわ、バイロン様!」
バイロン様の言葉にマティルダ嬢たちが怒り出しましたけれど、バイロン様は涼しい顔をなさっています。
「劣るも何も、ミリアリアと君達とでは、次元が違うんだよ。………そんな事を気にするよりも、そろそろ自分達の心配をしたほうがいいんじゃないかな?」
バイロン様は溜息をつくと、あざ笑うようにそうおっしゃいました。
39
あなたにおすすめの小説
年下騎士は今日も私に夢中です
紅花うさぎ
恋愛
「ソフィア様、ずっとお慕いしてました。私と結婚していただけませんか?」
どうしたらいいの?
年下イケメン騎士から突然のプロポーズ。
熱い瞳で見つめられるとドキドキがとまらない……
いつの間にか彼に惹かれているけれど、本当に受け入れていいのかしら?
いつかやっぱり若い子がいい……って去って行かない?
侯爵令嬢と、彼女に夢中な6つ年下騎士の恋物語です。
☆「小説家になろう」にも投稿しています。
悪役令嬢として、愛し合う二人の邪魔をしてきた報いは受けましょう──ですが、少々しつこすぎやしませんか。
ふまさ
恋愛
「──いい加減、ぼくにつきまとうのはやめろ!」
ぱんっ。
愛する人にはじめて頬を打たれたマイナの心臓が、どくん、と大きく跳ねた。
甘やかされて育ってきたマイナにとって、それはとてつもない衝撃だったのだろう。そのショックからか。前世のものであろう記憶が、マイナの頭の中を一気にぐるぐると駆け巡った。
──え?
打たれた衝撃で横を向いていた顔を、真正面に向ける。王立学園の廊下には大勢の生徒が集まり、その中心には、三つの人影があった。一人は、マイナ。目の前には、この国の第一王子──ローランドがいて、その隣では、ローランドの愛する婚約者、伯爵令嬢のリリアンが怒りで目を吊り上げていた。
二人ともに愛している? ふざけているのですか?
ふまさ
恋愛
「きみに、是非とも紹介したい人がいるんだ」
婚約者のデレクにそう言われ、エセルが連れてこられたのは、王都にある街外れ。
馬車の中。エセルの向かい側に座るデレクと、身なりからして平民であろう女性が、そのデレクの横に座る。
「はじめまして。あたしは、ルイザと申します」
「彼女は、小さいころに父親を亡くしていてね。母親も、つい最近亡くなられたそうなんだ。むろん、暮らしに余裕なんかなくて、カフェだけでなく、夜は酒屋でも働いていて」
「それは……大変ですね」
気の毒だとは思う。だが、エセルはまるで話に入り込めずにいた。デレクはこの女性を自分に紹介して、どうしたいのだろう。そこが解決しなければ、いつまで経っても気持ちが追い付けない。
エセルは意を決し、話を断ち切るように口火を切った。
「あの、デレク。わたしに紹介したい人とは、この方なのですよね?」
「そうだよ」
「どうしてわたしに会わせようと思ったのですか?」
うん。
デレクは、姿勢をぴんと正した。
「ぼくときみは、半年後には王立学園を卒業する。それと同時に、結婚することになっているよね?」
「はい」
「結婚すれば、ぼくときみは一緒に暮らすことになる。そこに、彼女を迎えいれたいと思っているんだ」
エセルは「……え?」と、目をまん丸にした。
「迎えいれる、とは……使用人として雇うということですか?」
違うよ。
デレクは笑った。
「いわゆる、愛人として迎えいれたいと思っているんだ」
【完結】無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない
ベル
恋愛
旦那様とは政略結婚。
公爵家の次期当主であった旦那様と、領地の経営が悪化し、没落寸前の伯爵令嬢だった私。
旦那様と結婚したおかげで私の家は安定し、今では昔よりも裕福な暮らしができるようになりました。
そんな私は旦那様に感謝しています。
無口で何を考えているか分かりにくい方ですが、とてもお優しい方なのです。
そんな二人の日常を書いてみました。
お読みいただき本当にありがとうございますm(_ _)m
無事完結しました!
悪役令嬢なので最初から愛されないことはわかっていましたが、これはさすがに想定外でした。
ふまさ
恋愛
──こうなることがわかっていれば、はじめから好きになんてならなかったのに。
彩香だったときの思いが、ふと蘇り、フェリシアはくすりと笑ってしまった。
ありがとう、前世の記憶。おかげでわたしは、クライブ殿下を好きにならずにすんだわ。
だからあるのは、呆れと、怒りだけだった。
※『乙女ゲームのヒロインの顔が、わたしから好きな人を奪い続けた幼なじみとそっくりでした』の、ifストーリーです。重なる文章があるため、前作は非公開とさせていただきました。読んでくれたみなさま、ありがとうございました。
ついで姫の本気
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
国の間で二組の婚約が結ばれた。
一方は王太子と王女の婚約。
もう一方は王太子の親友の高位貴族と王女と仲の良い下位貴族の娘のもので……。
綺麗な話を書いていた反動でできたお話なので救いなし。
ハッピーな終わり方ではありません(多分)。
※4/7 完結しました。
ざまぁのみの暗い話の予定でしたが、読者様に励まされ闇精神が復活。
救いのあるラストになっております。
短いです。全三話くらいの予定です。
↑3/31 見通しが甘くてすみません。ちょっとだけのびます。
4/6 9話目 わかりにくいと思われる部分に少し文を加えました。
完結 裏切りは復讐劇の始まり
音爽(ネソウ)
恋愛
良くある政略結婚、不本意なのはお互い様。
しかし、夫はそうではなく妻に対して憎悪の気持ちを抱いていた。
「お前さえいなければ!俺はもっと幸せになれるのだ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる