職業:テイマーの私はテイムモンスターの妖精とVRゲームを満喫する

らる

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2度目のフィールドボス

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 結局モンスターたちは来なかった。
 来てもらうんじゃなくて、私が行くのは最終兵器にしよう。 

 次ばフィールドボスがいたところに行こうか。
 私達が倒したからもういるとはわからないけれど… あの時はミルが見つけてくれたから行けたけど、どこか覚えているわけではない。 

 記憶を探る。
 あそこの茂み?いや、違う。もうちょっと周りと溶け込んでいたはず…

 そうだ。こっちだ。完全に思い出した。

 私はずかずか進み出す。
 間違っている可能性だってあるが、それはないと確信出来たのだ。不思議なことに。 
 案の定、ここであった。 今度も勝てるかな? 

 **********************
 ここから先はフィールドボスの空間です。
 入った瞬間に戦闘が開始します。
 戦闘の準備は万全ですか? 
 ********************** 

 あぁ、この前もこんな表記が出たな。
 うん、戦闘の準備は万全だよ。
 私は1歩踏み出す。  
   
 ◇◆◇  

 あれ?この前の狼と一緒…でもあれは、リアじゃなかったの?  

「…来たか。小娘よ」 

 !?!?!? 
 喋った!? 狼が…フィールドボスが…?

「はい。来ました…?」

「ふむ…以前とは随分変わったのぅ」 

 変わった?私自身はなにも変わっていな… 
 いや。1つだけ変わったものがある。
 それは…あの子たちを守るという決意?

 前まで私はプレイヤーみたいに復活すると思っていた。
 だけれど…実際は、復活するとはわからない。
 だったら。どっちでもいいように私は彼女らを守ると決めたのだ。
 この決意だけは変わらない。

「…それは、私の思い?」

 そういうとすこし驚いたような表情をして、

「よう気付いたのぅ。孫を預けて正解じゃった」 

「どういうこと?」

「少し語るとするかのぅ。不思議なお嬢さんや」 

  ************ 
 お主がフィールドボス…我らが一族を倒そうとした日。 
 その日はいつも以上に頭がすっきりしていた。 
 だが…我が孫、エンペリアの発言によってわしは頭を抱えることになる。  


『この里を出ていく』  

 これには近くにいた同族も思わず振り返った。 それは、あまりにも急だったから。 
 前触れもなく、急に『この里を出ていく』などと言われれば驚かないはずがない。 

『…どうしてだ?』

 気付かないうちに口に出ていた。
 まずは理由を知りたい。

『なんか、ビビっと来たんだよ。
 運命…みたいな?』

 そうニヤニヤしながら言ったのだ。
 運命?そんなのあるわけなかろう。
 なにを言っておるのだ。

『運命なんてあるわけなかろう。
 そもそも里を出ると言っておるが、この里が1番安全だ。
 死にたくないなら里を出るな。』

 死んでほしくはない。
 実際里の外は危険だ。

 わしが小さいころについ出来心で里の外に出たことがある。
 その時はモンスターがどんどん寄ってきて、倒しても倒しても湧いてきた。
 倒しても湧いてきて気付いたらダメージを与えられていたのだ。

『ぐっ…やめろ…!』

 そう言ってもモンスターは止まらない。
 仕方が無いので里へと逃げかえった。

 ものすごく心配されたのが記憶に残っている。

『大体、お前はちょくちょく里から出ているではないか。
 強くなりたいとか言って、死んだらどうするつもりなのだ?命は帰ってこないぞ』

『死んだらそん時はそん時。そこがあたしの死ぬところだったんだよ。
 ま、信じて送り出してくれや。』

 もうなにを言っても聞かないか…。

『…わかった。』

 そろそろわしらを倒そうとするやつも来るからな…
 さっさと決めてしまわないと里のやつらにも迷惑がかかる。

 本当は送り出したくなかったのだが。

『ありがとうな。じいちゃん』

 ****************
「こういうわけだ。わかったかの?」

 まさか、そんなことがあったとは。

「なるほどね…リアに戻ってきて欲しいって思ってるの?」

 重要なのはここだ。

「…いや、もう戻ってきてほしいとは思わんよ。エンペリアの選択を尊重してやろうと思ったからな。
 して、小娘。お主は何用でここまで来た?」

「…2人を守るための力をつけるため、かな。」

「ふむ…いい心構えじゃの」

 まさか褒められるとは…思いもしなかった。

「それで、わしを倒しに来たというわけか。」

「うん。そうだよ」

「ならば、ここではなくて岩山に行ったほうがよかろう。わしを倒す方が一度にもらえる経験値は多いが、その時間の分岩山で戦ったほうが経験値はよかろう。」

 ふむ。いいことを聞いたな!
 じゃあ、ここを出てそこに行こう。

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