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3章
勇往邁進
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「お前からの報告を聞いて驚いたことがある。それは魔剣ロシュフォールが「意思」を持つ神器である点だ。聖杖アンヌにはそれが無い。しかし過去の不可解な出来事のいくつかを参考にするに、そのことは間違いないのだろう。騎士トルイや勇者ロンは、魔剣ロシュフォールにあらゆる真実を知らされてしまったのだろう。故にトルイは王国への反乱を計画した。故にロンはトルイを殺した人物を特定することができた。どうだい?魔剣ロシュフォールについては。」
私は十分すぎる情報を得てしまった。魔剣ロシュフォールがどういう性能なのか、そういう類いの情報を想定していたが、重要なのはそんなことではないようだ。ところで本当にこれは私が知って良かったのだろうか。
「ああ、問題ない。今この場にいるのは我々二人だけ。記憶を封印すれば良いだけだからな。我々スレイミーナ王家は封印魔法の使い手の一族。この力で国民の魔法の力を封印し、ここまでの時代を作り上げてきた。舐めるなよ。」
最後にマライタから銀の弾丸を二発分もらい、冒険者支援機関を後にした。マライタはにこりと微笑み手を振りさよならを告げてくれた。私は街並みに歩みを進める。都市ヴァロンは栄えた。この市民のどれくらいがこの迷宮が抱える真実について知っているのだろうか。殆どの市民はさほど多くは知らないことであろう。もしかしたらそんなに興味を惹く事柄ではないかもしれない。その秘密が明らかにされたところで、市民のお腹が膨れるわけではないのだから。そうだ、この迷宮が踏破されたところで誰かが喜ぶわけではないのだ。むしろ、街を栄えさせる目玉が消えることによって恨まれるまであり得るのではないだろうか。些か、考えすぎであろうか。そうなってしまえば私はもうこの街にはいられないな。そうしたらどうしようか、また他の街にでも行って、冒険者をしようか。はあ、私は何を考えているんだ。私は冒険者を何のためにやっているんだ。人のためなのか?否。求められたいがためなのか?否。
「これは私がやりたいがためにやっていること。私欲のためである。迷宮の秘密を暴きたいからだ。それによって誰がどう思おうが不利益を被ろうが知ったことか。そのようなことで私は止まらぬ。冒険者は止まらぬ。冒険者は永遠に突き進むのだ。それこそが冒険者というものだ。」
今既に迷宮の底は見えた。あとはその最奥に辿り着き、全てを明るみに引き揚げてくるだけだ。第四迷宮永久の霊峰よ、待っていろ。
私は十分すぎる情報を得てしまった。魔剣ロシュフォールがどういう性能なのか、そういう類いの情報を想定していたが、重要なのはそんなことではないようだ。ところで本当にこれは私が知って良かったのだろうか。
「ああ、問題ない。今この場にいるのは我々二人だけ。記憶を封印すれば良いだけだからな。我々スレイミーナ王家は封印魔法の使い手の一族。この力で国民の魔法の力を封印し、ここまでの時代を作り上げてきた。舐めるなよ。」
最後にマライタから銀の弾丸を二発分もらい、冒険者支援機関を後にした。マライタはにこりと微笑み手を振りさよならを告げてくれた。私は街並みに歩みを進める。都市ヴァロンは栄えた。この市民のどれくらいがこの迷宮が抱える真実について知っているのだろうか。殆どの市民はさほど多くは知らないことであろう。もしかしたらそんなに興味を惹く事柄ではないかもしれない。その秘密が明らかにされたところで、市民のお腹が膨れるわけではないのだから。そうだ、この迷宮が踏破されたところで誰かが喜ぶわけではないのだ。むしろ、街を栄えさせる目玉が消えることによって恨まれるまであり得るのではないだろうか。些か、考えすぎであろうか。そうなってしまえば私はもうこの街にはいられないな。そうしたらどうしようか、また他の街にでも行って、冒険者をしようか。はあ、私は何を考えているんだ。私は冒険者を何のためにやっているんだ。人のためなのか?否。求められたいがためなのか?否。
「これは私がやりたいがためにやっていること。私欲のためである。迷宮の秘密を暴きたいからだ。それによって誰がどう思おうが不利益を被ろうが知ったことか。そのようなことで私は止まらぬ。冒険者は止まらぬ。冒険者は永遠に突き進むのだ。それこそが冒険者というものだ。」
今既に迷宮の底は見えた。あとはその最奥に辿り着き、全てを明るみに引き揚げてくるだけだ。第四迷宮永久の霊峰よ、待っていろ。
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