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アホの子からの宿題
しおりを挟む(※ネロとシャーロットのお話です)
サファイア公爵邸の温室で、アリステア様とジア嬢から、人前での『イチャつき方』を教わった。
【1】座る時は、ロッティを膝に乗せて密着。たまにキスする。
【2】歩く時は、手を繋いだり、腕を組んだり、肩を引き寄せたり。たまにキスする。
【3】会話の際は『可愛い』『好き』など、ストレートに好意を伝える。たまにキスする。
これを、一ヶ月後の舞踏会までを照れずに、ナチュラルに、完璧にマスターして欲しいと言われた。
どうやら、アリステア様には策があるらしい。
ディラン様と共に、国王陛下や、城関係者、招待状が“婚約者がいるのに”届いた方たちやその婚約者たちに、ある『根回し』をしていた。
詳しくは『当日のお楽しみだ』と言われたけど、概要は教えてくれた。
婚約者ありのご令嬢たちと…その婚約者には、仲が悪くなければ、俺たちにレクチャーした様な事をマスターしてもらうらしい。
アリステア様は裏切り者が出ない様に綿密に策を巡らせ、あらゆる手段を駆使して、誓約書or契約書を書かせていた。
でも…失礼な事をされて怒りを覚えているのは彼らも同じ。
そうなる様にアリステア様が誘導しているのもあるけど、みんな協力的らしい。
さすがだ…『あの野郎』に対しての怒りを利用して、みんなの心を一つにしていた。
アリステア様は、あえて『婚約者あり組』を婚約者同伴で舞踏会に参加させ、『アウェイな空間』を『ホームな空間』にし、『あの野郎』を逆の立場にしてやろうとしているらしい。
これをすれば、『あの野郎』を牽制し、立場を弱め、しかも嬉しいメリットだらけ……らしい。
そのために、俺たち『婚約者あり組』に課せられたミッションは……『イチャイチャする訓練をして、舞踏会で人目を気にせずイチャつく事』だ。
ーーーアリステア様…俺、今一ビジョンが見えません…。
まあ…アリステア様がやる事には絶対意味がある。
そして更に…舞踏会まで、ロッティはガーネット邸で俺と過ごし、姉上はサファイア公爵邸でディラン様と過ごす様に指示された。
つまり、婚約者どちらかの家で一ヶ月寝泊まりしろという事だ。
出来る限り、常に一緒に過ごせ…と。
意図はわからないけど、一ヶ月…ロッティと一ヶ月も一緒にいれる…!
そして更に更に…ジア嬢からそれぞれ『宿題』を出された。
『ネロ様とシャーロット様には、これがぴったりだと思います!頑張って下さいねっ♡』
と…癒し系のほわほわした笑顔で、一つのノートを差し出された。
俺とロッティ、ディラン様と姉上には、特にイチャイチャする『訓練』をして欲しいかららしい。
特に…?…
俺たちは、作戦の要にでもなるのか…?
わからない………うん、とりあえず、アリステア様とディラン様を信じて頑張ろう。
***
ーーーと、思ったのは本気だけど…!
こ、これをするのかっ…?
あまりに凄い内容に、頬が熱くなり、体が緊張してくる。
俺の部屋で、ノートの一ページ目を見たロッティも、顔を真っ赤にして固まってしまった。
『まず宿題ではなく、基本として、シャーロット様はネロ様のお部屋で一緒に過ごし、毎日一緒にお風呂に入って、一緒のベッドで密着して寝て下さいね♡』
お、俺の部屋で過ごすのかっ…?
そんなっ…夫婦みたい事を、していいのか…?
それに、風呂って…嘘だろっ……俺と、ロッティが…は、裸にならないといけないって事だろ…。
ロッティの、裸………そう思った瞬間、抱きつかれた時のロッティの、む、胸の感触を思いだし、服越しではなくなるのか…と想像してしまう。
最後には一緒のベッドで密着して寝るとかっ…ドキドキして心臓が壊れてしまいそうっ…。
『基本その二♡ちゅーは出来るだけしましょう。えっちな事も我慢しない!』
ち、ちゅー……キスをたくさんするのか…。
って、え、えっち…!?
えっちな事は我慢しないって…!?
俺たち、まだハグしかした事ないけどっ…!?
ジア嬢が俺たちなら出来ると、一生懸命考えてくれたのは、とても嬉しい。
実際、ジア嬢のアドバイスは大胆だけど、的確…だと思う。
実は恥ずかしがり屋だったロッティが、愛情表現のため、たくさんハグしてくれるし……その、む、胸をっ…すりすり、して……俺の顔を見てしゃべってくれる様になった…。
ロッティは、俺の顔を見ると、すぐに赤面して、表情がとろとろに溶けて、可愛い顔になるとわかった。
俺から顔を背けたり、下を向いてる時は、こんな可愛い顔をしていたのか…と初めて見た時思ったな。
ロッティに嫌われていると誤解していた時は苦しかったけど、今は逆に、周りにロッティの可愛い顔が見られなくて良かったと安心したな…。
こうやってロッティと相思相愛になれたのも、ジア嬢のアドバイスのおかげだけど……けどっ!!
何と言うか…大人の階段を一気に駆け上がれと言われている気分だ。
『基本その三♡宿題は一ページずつ、毎晩こなしましょう!』
できるかな…。
毎晩って…今日の夜からだよな?
え…じゃあ、それまでに、え、えっちな事に、慣れないと、まずくないか?
昼過ぎにロッティがこちらにきて、さっき両親への挨拶が終わって落ち着いたばかりなのに…。
今日の宿題はーーーうわっ。
『宿題一日目♡ネロ様!シャーロット様のおっぱいを直接もみもみしましょうね!頑張って♡(二人っきりの時は、お胸の事はおっぱいって言いましょうね♡)』
……っ、っ…ロッティの、を、直接っ…!?
しかも、お、おっぱい…って、そんなえっちでドキドキする言い方するのっ!?
ハッとなってロッティを見ると、瞳がうるうるして、湯気が出そうなくらい赤面していた…!
だけど……ニヤニヤ…してる…?
「………ロッティ、その、大丈夫…?」
「ひゃっ!?えっ、あっ……はひっ!」
「本当か?無理していないか?」
「!も、もちろんですっ…!は、恥ずかしいけどっ…その、ネロ様に触って頂けると思うと、嬉しいしっ…」
「…………え」
「そ、それにっ、シャーロットのおっぱいは、ネ、ネロさまの、も、ものでしゅ…!ネロさまのものを、好きにしても、何も問題ありませんっ…!」
「………俺の、ものなの?」
「はひっ…!おっぱいだけじゃなくて、シャーロットの全部は、ネ、ネロさまの、そのっ…ものなのですっ…!」
…どうしよう。
俺、めちゃくちゃ大胆で可愛い事言われてる…。
凄く、凄く嬉しくてっ…だけど、心臓がドキドキしながら締め付けられる様な感覚に襲われ、思考が上手く出来ないっ…!
駄目だ、俺っ!
ここでドキドキに負けたら、前みたいにキャパオーバーを起こしてしまう…!
ロッティが、こんなに頑張ってくれているのだから、俺もそれに応えないとっ…!
俺は自分を奮い立たせ、ロッティを抱き締めると、誤解を生まない様に、気をつけて言葉を紡いでいく。
「そんな風に言ってくれて、俺、どうにかなりそうなくらい嬉しいっ…ありがとう。ロッティ…可愛い、凄く可愛いっ…好きだ」
「へ、へあっ…!?」
「ロッティが俺のものなら…俺もロッティのものだよ…。だから、その……俺の事も、好きにしてくれると、嬉しいな」
そう言った後、ロッティの頬にキスをした。
「ひゃあっ!?ネ、ネロしゃまっ…えっ、あっ…ちゅ、ちゅー…!?」
「うん……俺、ロッティとたくさんキスしたいなぁ」
「っ!?た、たくさっ…っ、っっっ♡♡♡」
「もちろん…お、おっぱいも……見て、みたいし、触りたい…な」
「ひゃっ……ね、ねろしゃまぁ…♡♡」
ドキドキして照れながらも、頑張って伝えると……あー…ロッティ、とろとろになってーーーえ…?
「ね、ねろしゃまっ♡ねろしゃまぁあっ!!♡んちゅっ♡ちゅっ♡」
「んむっ!?」
わっ…!!
ロ、ロッティにキスされちゃった…!!
これがキス……上手いか下手か、わからないけど…うん、何か、気持ちいいね…。
「んっ……ねろしゃまっ♡ねろしゃまっ♡」
「う…うん、なに?何でも言って」
あー…可愛い可愛い可愛い。
好き、好き…。
見たい、触りたい、触って欲しい…。
「い、いっぱい…!いっぱい、ねろしゃまのしゅきにしてぇ…♡」
「うん…♡ロッティも、俺を好きにしていいからな…♡」
応援ありがとうございます!
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