YOU BECAME SO…

せんのあすむ

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焦燥の章

頑張らないと!

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 いつも通り美味かったんだけど気持ちの上では微妙だった晩メシを終えて、俺は、

「さあさあ、勉強だよ! 頑張らないと!」

 張り切ってる芙美に押されて部屋に入って、二人で勉強を始めることになった。

 でも、俺の頭の中には芙美と氷山ひやまのことがあって、勉強どころじゃない。そんな風に身が入ってない俺に、芙美は、

「ほらほら~っ! そんなんじゃ同じ大学行けないぞ~っ! 大学行ったら高校よりもっといろんな人が集まるから、私みたいのでもイイって人が現れちゃうかもしれないぞ~! 私を取られたくなかったらもっと気合入れろ~っ!」

「え…っ!?」

 まさかの言い草にぎょっとしてしまう。なんだよそれ、どういう意味だよ……!



 そんなこんなで余計に気になって集中できなくて、ほとんど頭に入ってこなかった。確かにこんなことじゃあいつと同じ大学なんか行けないかもしれない……

 気分最悪で朝を迎えて、

「おっはよ~! 涼くん♡」

 やっぱりいつも通りに見える芙美が迎えに来て、学校ガッコに行った。

「はっはっは~! 暗いな、少年!! もっと元気を出せ! 元気があれば何でもできる~っ!」

 途中で相田まで合流して、圧が二倍になって、俺はそれこそ圧し潰されそうだった。

 すると今日は、校門のところに、

「おはよう」

 氷山ひやまの姿が。生活指導の当番ということらしい。

「センセ、おはよ~♡」

 芙美は満面の笑顔で氷山ひやまに挨拶した。他の生徒は少し怯えた様子で、

「おはようございます……」

 とか丁寧に挨拶してんのに。

「はい、おはよう。内田はいつも元気だな」

 氷山ひやまも、なぜか他の生徒に対してよりも芙美に対しては穏やかな表情をしてる気がするのは俺の思い過ごしか……?

 すると氷山ひやまは、

「それに比べて梁川。お前はいつも覇気がない。ちゃんと朝食をとっているのか?」

 俺に対しては固く鋭い氷の眼差しを向けてくる。それはもしかして、牽制か? 俺に対して牽制してんのか?

 思わずムッとなって、

「……食ってますよ…!」

 少しきつい言い方になってしまった。言ってしまってから、

『ヤベっ……!』

 って思ったり。こいつに睨まれて内申書とか悪く書かれたら、それこそ芙美と一緒の大学が遠のくかもしれないのに……!

 でも、そんな俺の背中を、バンバンと叩く奴が。

 芙美だった。芙美が、

「だ~いじょうぶですよ、センセ! 私が見張ってますから! ばっちり栄養のあるもん、食べさせてますって!」

 何もかも吹き飛ばしそうな勢いで言った。もしかして、俺を庇ってくれたのか……?

 そのせいか氷山ひやまも、

「そうか。ならいい……」

 ってスルーしたのだった。

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