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焦燥の章
どう考えたって結果が見えてる
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門を守護する氷山を超えて、俺達は教室に向かった。
でも、今日は一時間目から数学。氷山の授業だ。すごく気乗りしない。だけど、芙美のおかげで課題についてはばっちりだった。
そして、
「時間だ。五秒で席に着き授業の体制を整えるように。それをしない者は意欲なしと見做す。成績を楽しみにしておくんだな」
現れた氷山は、相変わらず容赦のない冷徹さだった。実際こいつは、叱ったりはしない代わりに、確実に成績という形で評価してくる。それについて、
「私は、君達を叱咤激励するためにここにいるわけじゃない。やる気のない者でも叱咤激励し勉強への意欲を促してくれるのは、中学までだ。高校は義務教育ではない。君らは学習するために自らここに通っているのだということを自覚しなればいけない。自らそれを自覚できない者は、尻を叩かれないと勉強もできないような者は、大人になってからも尻を叩かれないと何もできない者になるだろう。君達はどちらなのか、生涯、誰かに尻を叩いてもらわなければ何もできない者となるか、自ら考え判断し行動する者になるか、ここが分水嶺となるとわきまえたまえ」
そんなことを言っていた。
だけど、授業そのものはものすごく要点がまとめられていて、ちゃんと聞いていれば分かりやすく、課題についても、量は多いが実は順番にこなせばしっかりと繋がっていて意味が理解できるというものらしい。
俺も、芙美と一緒に課題をしてて、『あ、なるほどそういうことか!』って思わされたことが何度もあった。だからちゃんと授業を受けて課題もこなしてる生徒は実際に成績が上がってて、でも、サボってる奴はダメなままって話だった。
そうなんだ。やる気のある奴、頑張ろうとしてる奴には、しっかりと結果が出てるんだよ。
芙美も含めて。芙美も氷山が数学担当になってからすごく成績が上がってて、それにつられてか理系の成績も上がってるらしい。
だからもしかしたら、芙美は氷山のそういうところを認めてて、それであいつなりに尊敬してるからあんな態度をっていう風にも考えられる。
でもそれは同時に、氷山の有能さに芙美が惹かれてるってことでもあるんじゃないかって思えてしまうんだ。
そう考えたら、
『あれ? 俺、勝てる要素ないんじゃないか……?』
という気にもなってしまう。
方や、外見しか取り柄のない高校生。方や、イケメンで有能で外車も乗り回す社会人。
こんなの、どう考えたって結果が見えてるだろ……?
そして授業が終わると、氷山が俺のところにやってきて、
「梁川。志望校については自分が選ぶことだから私は何も言わないが、現状だと難しいぞ。ゆめゆめ忘れるな」
とか言って去っていったのだった。
でも、今日は一時間目から数学。氷山の授業だ。すごく気乗りしない。だけど、芙美のおかげで課題についてはばっちりだった。
そして、
「時間だ。五秒で席に着き授業の体制を整えるように。それをしない者は意欲なしと見做す。成績を楽しみにしておくんだな」
現れた氷山は、相変わらず容赦のない冷徹さだった。実際こいつは、叱ったりはしない代わりに、確実に成績という形で評価してくる。それについて、
「私は、君達を叱咤激励するためにここにいるわけじゃない。やる気のない者でも叱咤激励し勉強への意欲を促してくれるのは、中学までだ。高校は義務教育ではない。君らは学習するために自らここに通っているのだということを自覚しなればいけない。自らそれを自覚できない者は、尻を叩かれないと勉強もできないような者は、大人になってからも尻を叩かれないと何もできない者になるだろう。君達はどちらなのか、生涯、誰かに尻を叩いてもらわなければ何もできない者となるか、自ら考え判断し行動する者になるか、ここが分水嶺となるとわきまえたまえ」
そんなことを言っていた。
だけど、授業そのものはものすごく要点がまとめられていて、ちゃんと聞いていれば分かりやすく、課題についても、量は多いが実は順番にこなせばしっかりと繋がっていて意味が理解できるというものらしい。
俺も、芙美と一緒に課題をしてて、『あ、なるほどそういうことか!』って思わされたことが何度もあった。だからちゃんと授業を受けて課題もこなしてる生徒は実際に成績が上がってて、でも、サボってる奴はダメなままって話だった。
そうなんだ。やる気のある奴、頑張ろうとしてる奴には、しっかりと結果が出てるんだよ。
芙美も含めて。芙美も氷山が数学担当になってからすごく成績が上がってて、それにつられてか理系の成績も上がってるらしい。
だからもしかしたら、芙美は氷山のそういうところを認めてて、それであいつなりに尊敬してるからあんな態度をっていう風にも考えられる。
でもそれは同時に、氷山の有能さに芙美が惹かれてるってことでもあるんじゃないかって思えてしまうんだ。
そう考えたら、
『あれ? 俺、勝てる要素ないんじゃないか……?』
という気にもなってしまう。
方や、外見しか取り柄のない高校生。方や、イケメンで有能で外車も乗り回す社会人。
こんなの、どう考えたって結果が見えてるだろ……?
そして授業が終わると、氷山が俺のところにやってきて、
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とか言って去っていったのだった。
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