YOU BECAME SO…

せんのあすむ

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虚構の章

社会勉強の一つとして

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 芙美のバイト先の喫茶店<フォルテ>は、芙美の親父さんの従兄弟(という設定の友達?)が経営してる店で、芙美は、『親族の家業の手伝いをする』って建前で学校ガッコに申請してた。

 俺達が通ってる学校ガッコは、社会勉強の一つとして、

『勉強に差し障らない』

『学校が指定した職種・職場の範囲内で』

 という前提でならバイトも認められているんだ。その、『学校が指定した職種・職場』って条件の中に、

『親族の家業(但し高校生の勤め先として相応しいものに限る)』

 ってのがあって、それで許可が下りたそうだ。ちなみに俺の場合、<モデル>は学校が指定した職種・職場には含まれてなかったんだけど、うちの社長が聖護院センセイと一緒にわざわざ学校ガッコまで出向いて直談判して承諾を取り付けた。モデル派遣会社としての実績をプレゼンしたのもそうだけど、一番は聖護院センセイのデザイナーとしての知名度が決め手になったらしい。

『そんな著名な方の下でなら』

 ってことで。しみじみ大人って<権威>に弱いよな……

 まあそれはいいとして、あの店、芙美以外にもバイト雇えるほど儲かってたんだ……?

 てか、あれかな。芙美目当ての客が増えたからさらに、ってことかな。

 なんかちょっと複雑な気分になりながらも、俺が口出しすることじゃないしで、黙ってた。

 こうしてフォルテに着くと、

「え? 先輩だったんですね!」

 芙美が、

「私もここでバイトしてるんです」

 と明かすと、俺のファンだって言うコは驚いた様子で。その上で、

「私、藤宮ふじのみや舞美まみって言います! 植物の藤と宮、それと、舞う美しさで舞美です。よろしくお願いします、先輩!」

 笑顔で頭を下げる。

「あはは♡ 私の方が年下なんですから『先輩』はやめてくださいよ。私は内田芙美、フミでいいです」

「じゃあ、フミさん! いろいろご教授願います!」

 姿勢を正して、藤宮さんは改めて挨拶してきた。

『礼儀正しい人だな……しかもコミュ力高っ……!』

 なんだか圧倒されながら、俺はカウンターに着いて、

「いつもの、お願いします」

 マスターに注文を。

「はいよ」

 そう応えたマスターが、

「舞美ちゃんとさっそく顔見知りになったんだね」

 と話し掛けてくる。

「ええ、そうなんです。途中の交差点のところでばったりと。俺のファンだって言ってました」

「そうなんだ? それはそれは。彼女は僕の友人の娘さんでね。バイトを探してるって言うから、ちょうど僕もスタッフを増やそうと思ってたところで、それならってことで決めたんだよ」

「へえ……」

 コーヒーのカップを受け取りながら、俺は応えてたのだった。

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