YOU BECAME SO…

せんのあすむ

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第二幕

正直、私、焦ってたんだと思う

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 正直、私、焦ってたんだと思う。涼くんがモデルのバイト始めて、最初は彼の魅力が他人からも認められた気がして、そんな涼くんを好きな私の目が間違ってなかったってのが認められた気がして、間違いなく浮かれてた。

 だけど、実際に涼くんにファンがついて、学校ガッコでもきゃあきゃあ♡言いながら話しかけるコが現れ始めてから、不安になったんだ。

 彼が遠くに行っちゃうんじゃないかって……

 でもでも、他のコ達はモデルとしてのイケメンな彼のことが好きなだけで、梁川涼介っていう人間かれそのものが好きなんじゃないって思うんだ! けど、私は違う。私は、涼くんがデブってもイケメンじゃなくなっても、薄毛はちょっとつらいけど……でも涼くんなら愛せると思う!

 マコちんも言ってた。

「彼の見た目が変わっただけで気持ちが冷めるんだったら、私がもらっていい?」

 ってさ。

「だめだめ! デブったってハゲたって、涼くんはあげないよ!!」

 私はそう答えて。それでマコちんも、

「じゃあ、がっちり彼のこと掴まえててもらわないとね。きっちりと諦めさせてよ」

 言ってくれてさ。そんなこんなで悪巧みしちゃった感じかな。

 なのに上手くいかなくて……しかも私の悪巧みが涼くんにバレちゃって……しかも二度も……

 普通はそこで愛想尽かされてもおかしくないのに、彼は私のことを「好きだ」って言ってくれて……

 ああ…やっぱり彼は私の<王子様>なんだなって改めて実感した。だからもう、変な悪巧みはしないでおこうと思う。これ以上やらかしたらさすがに呆れられそうだしさ。

 一緒の学部に通ってできるだけ一緒の時間を過ごしたいとも思ったけど、それはゆうくんに、氷山ひやまセンセに、

「お前は梁川のことをそんなに信じられないのか? お前は梁川のことを何も分かってない。あいつはそんなにいい加減な奴じゃないぞ」

 って言われちゃって、何も言い返せなくて……

 ダメだなあ、私……ハゲ薬のことを調べててなんか薬学が面白くなって自分の将来も具体的に見え始めたってのにさ。

 私はそんななのに、涼くんはモデルの仕事に力を入れる決心をして。しかも実際に、そこそこ大きな企業のイメージキャラクターにまで抜擢されちゃって。

 なんか、ずっと先を行ってる。私なんかよりずっと先に。

 ちぇっ…! ちょっと前までは、いっつもボーっとしてて私が手を引いてあげないと何もできないお子ちゃまだったのにさ。

 けれど、そうなんだよね。私をカラスから守ろうとして立ち向かっていってくれたころから、彼の根っこは何も変わってないんだ。自分にとって大切なことには力を発揮するところとか……

 涼くん……愛してる……今度は私が頑張らなきゃいけないんだね。これからもあなたの隣を歩いてられるようにさ。

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