かぷせるあにまるず

せんのあすむ

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認めたくない部分

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『君だって、僕がどれだけ君を愛しているか、本当に分かっているのかな……?』

ハカセのその言葉に、フカは応えません。多分、応えないということが答えだったんでしょう。

フカは、ママの一部です。普段のママからは想像もつかないような一面があったという何よりの証拠。ハカセはそれをすぐに認められましたけど、認められない信じられないという人も多いでしょう。

特に、自分にとって特別な人だったりすると。

だけどハカセはそれを認めることができる。できる人だった。ママを、ルリアを愛していたからこそ。

愛しているからこそ、ルリアという人の全部を受け止めたかった。本当に受け止め切れているかどうかは別として、受け止めたいと思っていたのです。だから自分の知らない一面があってもそれも含めて彼女だとハカセは考えていました。

そしてハカセがそういう人だから、ママも彼を愛した。

フカもそんなママの一部。口は悪くても態度は悪くても。

それからは二人して、言葉もなくただ星空を眺めていました。

でも、ミコナがお風呂から上がる気配がしてくると、

「じゃあ、僕もお風呂に入ってくるよ」

そう言ってハカセは家に戻ります。

フカは、やっぱり一人屋根の上に残って、星空を見上げていました。

「オレは……オレだ……ルリアじゃない……」

ぽつりとこぼれる言葉。

『ルリアじゃない……』

その言葉が、フカという存在なのかもしれません。ママ自身が自分の中にある、<認めたくない部分>こそがフカということでしょうか。

乱暴で、攻撃的で、狭隘な自分。

そんな自分が嫌で、だからこそ、ママの<いいところ>そのものであるウル達とは相容れない。

まあ、オウの偉そうなところとか、ガーの泣き虫なところとかを『いいところ』と言うのはおかしいかもしれませんけど。


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