かぷせるあにまるず

せんのあすむ

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彼女のスタイル

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朝食を終えたミコナは、学校に行く用意をします。

歯を磨いて顔を洗い、着ていく服を選びます。

ミコナは明るい暖色系が好きで、特に、若干オレンジ寄りの黄色が好きでした。なので、普段の服もそれ系統のものが多くなります。

だから今日も、やっぱりオレンジ寄りのあたたかい印象のある黄色のワンピースを選び、着ました。

それでいていわゆるオシャレにはそんなに興味はなかったりもします。自分が着たい服を自分が着たいように着るのが彼女のスタイル。

「よし!」

準備が整うとそう声を上げてランドセルを背負い、

「いってきま~す!」

と。

「いってらっしゃい」

「気ぃつけてな~」

「いってらっしゃ~い」

ウルとティーさんとガーに見送られ、元気に家を後に。

すると当然のようにフカが屋根から下りてきて、付き添います。

そんなフカに、ミコナが、

「いつもありがとう」

声を掛けると、

「気にすんな。オレが勝手にやってることだ……」

相変わらず無愛想だけど、最初の頃よりは刺々しさも和らいだかもしれません。

実際、信号を無視する自転車とかを見ても、そんなに気にしてる様子もなくて。

ミコナもホッとします。

フカが人を傷付けるところとか、見たくないんです。

そんなフカに、話し掛けます。

「フカは、ママだったときのこととか、どれくらい覚えてるの?」

「……知らん…どれだけ覚えてたら全部か分からんから、どれくらいとかも、分かるわけない……」

「あ、そっか……」

言われてみたらそうですね。『覚えてない』ことは、元の状態だどうだったのかが分からないのですから比較しようもなく、『どれくらい』と言われても答えられるはずがないのでした。

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