かぷせるあにまるず

せんのあすむ

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セイラ

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アルマは、家も近所で、それこそ赤ん坊の頃からの幼馴染です。だから友達というよりも、双子の姉妹のようなものかもしれません。

だから、ソリティが、友達を避けるようになっても、アルマだけはソリティと一緒にいました。

「……」

なのにソリティは、アルマが声を掛けても返事もせずにプイッとそっぽを向いてしまいます。

「……」

そんなソリティに、アルマはそれ以上声を掛けられず、俯いてしまいました。

するとそれを見ていたセイラが、

「アルマさん、亀の餌やりの件ですけど…」

そう声を掛けて、連れて行ってしまいました。アルマは<生物係>で、学校の池で飼育されている亀の餌やりの当番でもあったのです。

こうして教室の外に連れ出したアルマに、セイラは、

「今のソリティさんに下手な同情は逆効果ですわ 。そっとしておいてあげてくださいまし」

腕を組んで真っ直ぐに立ち、毅然とした様子で、静かに言いました。その姿は、とても十歳とは思えない貫禄に満ちたもので、大変なオーラすらまとっているように見えます。

それというのも、セイラは、大変な歴史のある名家のお嬢様で、でも、家の方針で、一般的な公立の小学校に通っていたのです。

対して、ソリティの家は、両親が揃って会社の社長を務めているとはいえ、あくまで新興の私企業で、<歴史>という意味では全く同じステージには立てないというのも事実です。

それでいてセイラは、自分の家柄を鼻にかけるでもなく、ただただ泰然自若という言葉がぴったりとくる、本物の大物でした。

セイラのそういう部分も、みんなからの人気や信頼を集めたのでしょう。

残念なことにソリティは、人間の器という時点で、勝負にならなかったのです。

それでも、三年生の頃までは、他の子達もそこまで意識してなかったんでしょうけど、四年生ともなってくると、その辺りも察してくるんでしょうね。

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