かぷせるあにまるず

もう自分の人生を諦めてしまっている

まだ十歳なのに、もう自分の人生を諦めてしまっているソリティに、どうすれば手を差し伸べることができるんでしょうか？

どうして彼女はそんなに諦めてしまったんでしょうか？

たった十歳でそんなふうに思わなくちゃいけなかったんでしょうか？

それは当のソリティ自身にも分かりません。お小遣いだって、使いきれないくらいもらってるし、プレゼントだって、ねだれば買ってもらえます。

自分の部屋以外に持ち出しさえしなければ。

うっかり他の場所に置き忘れてたりしたら、

『こんなところに置いているのが悪い！」

言って捨てられてしまうこともありましたけど。

『自分達のお金で買い与えたものなんだから、どうしようと自分達の勝手』

だと思っているようです。

でも、両親がそんな風に物を大事にしないからかもしれませんが、ソリティも、プレゼントしてもらったものでも、飽きたら簡単に人にあげてしまったりすることがありました。

アルマも、そういう形で、人形や洋服やゲーム機やゲームソフトをソリティからもらった事が何度もあります。

その度に、

「ありがとう……」

と、お礼を言うのですが、本当は、そんなに『すごく嬉しい』というほどでもなかったのです。だって、アルマが望んでいるのは、ソリティの笑顔だから。

もらえるのは確かに嬉しいけれど、それ以上に、アルマが受け取った時に見せるソリティの笑顔が嬉しかった。

けれどそれも、最近では見られなくなってしまった。

アルマはそれが残念で仕方ありません。ソリティに笑顔になってほしい。それこそがアルマの望みでした。



一方、そうやってアルマやソリティが沈んだ気持ちになっている時、ミコナは、ウル達と一緒にアニメを見て、大笑いしていたのでした。