かぷせるあにまるず

せんのあすむ

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そんな大人ばかりじゃない

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父親からは養育費の前払い。

母親からは今の家に住み続けることができるという条件。

それを得ることができただけでも、もしかすると破格の幸運だったのかもしれませんね。

「大人って何でこんなに身勝手なのかな……」

両親の離婚が成立した次の日、ソリティはやっぱりマインと相談室で対面して、そんなことを呟きました。

マインは言います。

「そうですね。大人って本当に身勝手だと私も思います。私も同じ大人として、すごく残念だと感じることは多いです。だけど、大人を恨んでも、自分の人生が満たされたものになるわけじゃないんです。人生は自分で作るしかないんだと、私も自分が大人になって実感しました。

ソリティさん。私にもそのお手伝いをさせてください。これからも、もっと、もっと、たくさんお話をしましょう。ご両親とお話が出来なかった分だけ、私とお話ししましょう」

こうして、マインがソリティとたくさんお話をするようになったことで手が回らなくなった分を、学校は、副担任という形でフォローすることで対応してくれました。

副担任は本来、二つのクラスを受け持つのですが、マインのクラスの副担任は、専属にしてくれたのです。それだけ学校側も、ソリティのことを注視してくれていたということでしょう。

元々マインがミコナのことを気にしてくれていたのもそういうことですから。

ソリティの言うとおり、身勝手な大人というのも沢山います。だけど同時にこの世にいるのはそんな大人ばかりじゃないということです。

ミコナに対するマインのようにちょっと空回りする時もありますけど、大人だって完璧じゃないんですから、上手く噛み合わないことがあるのだって当たり前ですよね。

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