かぷせるあにまるず

せんのあすむ

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なぜか自慢げに

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『やっとこれでサッカーに集中できそうだ』

エティトのその言葉は本音でした。サッカーが好きで熱意を燃やしてるんですけど、でもミコナのことも大好きっていうくらい、サッカーのこと以外に興味がない、というわけでもないんです。だからクラスで辛そうにしてる人がいるとちょっと気になってしまうくらいには、他人にも気を配ってる子でした。

そういう意味では、どちらかと言うと、ルプスの方がマイペースと言うか、興味あること以外には無頓着なところはありますね。

エティトのことが一番好きで、サッカーやミコナのことが好きなのは、『エティトが好きなものだから』というのが大きいでしょうね。

それでいて、不穏な空気みたいなものに 対しては敏感なところもあるので、余計なことにはあまり首を突っ込まないという面もあります。

「こう、ちょっと触って、 ポンと蹴って、シュバっとかわすんだよ。そしたら相手の注意がヒュンってなるから、そこを、トーンって突っ切るんだ」

先日行った紅白試合の様子をエティトは、身振り手振りも交えて話してくれるんですが、その表現がとても独特なので、彼女の言ってることをちゃんと理解できる人は、実はとても少ないという。

「へえ! そうなんだ? すごいね!」

ミコナは楽しそうにそう応えてくれるんですけど、実際には、エティトの言ってる内容についてはあまり分かっていなくて、エティトが話してくれる様子が楽しいだけというのは本当のところでした。

でも、

「そうなんだよ! エティトはすごいんだから!」

なぜか自慢げに笑顔で言うルプスには、エティトの言ってることが理解できていたのでした。

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