かぷせるあにまるず

せんのあすむ

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冷静になって考えてみると

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オウやフカがそんな風に考えてる一方で、ミコナの寝顔を見ながらウルは考えていました。

『ミコナを悲しませることになるのは確かだけど、だからって突き放すのは、僕は違うと思う。時間が限られてるなら、それこそ全力でミコナを受け止めたい。僕はそのためにここにいる。

それに、ミコナが望まないのなら、なにも無理にルリアに戻る必要もない。今の時点でも、僕達の存在そのものにルリアを感じてくれている。ハカセだって、ルリアと言葉を交わしたいというのは本心でも、ミコナを悲しませてまでとは思ってないはずだ。

その上、帰ってきた魂自体、長ければ何十年も留まると言うし。しかもそれは、帰ってきた本人や周りの人達が納得したことでって話だ。だとしたら、僕達は、当分、納得なんてできないよ。ルリアとしてじゃなく、ウルとして、納得できない。

ルリアに戻ることを急ぐ必要はないと思う』

ウルの考えていることも一理あるかもしれません。以前に触れた<レムライ一世>の場合だと、なんと千年以上も依代に留まり続けたそうです。

ただ、レムライ一世については、歴代の教皇と側近の人達しかその声を聞くことができなかったそうなので、

『実は、レムライ一世の魂はすでにいないのでは?』

と噂する人達もいたそうです。それについてはさすがに『不敬だから』ということで相手にもされてこなかったそうですけど。

その真偽はともかく、レムライ一世の件は例外過ぎて参考にはならないとしても、急いでルリアに戻る必要もないのも事実でしょう。だからウルとしては、かぷせるあにまるの完成を急ぐことと、自分達がミコナの前から去ることについては、別々に考えればいいと、冷静になって考えてみると思えていたのでした。

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