かぷせるあにまるず

せんのあすむ

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今はこの笑顔を守ればいい

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様々な思いが交錯した夜は過ぎ、朝を迎えました。

「おはよう」

笑顔で挨拶をするミコナに、

「おはよう」

「おはようさん」

「おはよう……」

「よい朝だな!」

「おはよう」

ウルが、ティーさんが、ガーが、オウが、ハカセが、笑顔で応えます。

なんだかんだあっても、くよくよしてて問題が解決するわけじゃないとみんな知っているからです。泣き虫なガーでさえ。

ミコナも、遠からずウル達との別れについては気づくでしょう。その時に、ミコナがどう反応するかで、どう対処すればいいのかも、変わってくるはずです。実際にはそれが確かめられてからでないと、どんな予測も対処法も、絵に描いた餅でしかない。

ウルもハカセもちゃんとそれを分かっています。

『今はこの笑顔を守れればいい』

ハカセは、そう思いました。

でもその時、

「私も、分かってるよ」

ミコナが不意にそんなことを言いました。

「みんなとは、いつかお別れする時がくるんだってことは。だって、かぷせるあにまるが完全に完成して、ママがそれを依代にしたら、ウル達はいなくなっちゃうんでしょ?」

「!」

言葉を失うハカセやウル達に、ミコナはさらに言います。

「私だってそのくらい分かるよ。セイラさんが来たのも、かぷせるあにまるのことだよね? エティトが言ってたことで分かっちゃった」

「ミコナ……」

「そんな顔しないで、パパ。大丈夫だよ。最初からそうだったんだよ。ホントはママがママのままで来るはずだったのがウル達になったんだもん。それは最初の予定と違ってたんだもん。子供だってそのくらい分かるよ」

そうです。大人が思ってる以上に子供はいろんなことを考えてるし、見てるんです。

だからミコナだって、実はそれくらい分かってたんです。

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