かぷせるあにまるず

自分は自分

「ああ、本当だ」

科学者A役の生徒も全く気持ちの込もっていないセリフを読み上げます。

宇宙人から提供された情報を科学者A自身が検証した結果、その通りになったことに驚くシーンんでした。

そして、科学者Aはその結果をまとめ、論文として発表しました。けれどその当時の他の科学者達は彼の論文をでたらめなものだと評し、彼の論文について報告を受けた大統領も、

「このような嘘に我々は惑わされない。我々は人類の幸福のためになお一層、今の道を邁進しなければならない！」

と、世界に向けて演説しました。これによって科学者Aは、世界の発展の足を引っ張ろうとする異端の科学者として非難の的となったのです。

この時の大統領の演説を、セイラは、とても堂々と、まさしく自分にこそ正義があると確信し高らかに宣言する様子を、見事に演じていました。それは本当に大統領の姿のようでした。

他の生徒達が気恥ずかしさから役に入り込めなくても、彼女にとっては、全く関係のないことだったのでしょう。彼女は、彼女の役目をただ全うするために堂々と振舞っていたのです。

その一方で、決して他の生徒達が真剣に取り組んでいないことについて不快に感じている様子も全く見えません。

他人は関係ない。自分は自分だという信念を彼女はしっかりと持っているからでしょう。

こうして人々は、大統領の言う通り、一層、世界の発展を信じ、働いたのです。

けれどその陰で、毒はますます世界に広がり、病気も広まっていきました。

自分の研究結果を信じようとしない人々に科学者Aは悩み、苦しみます。そんな彼に、宇宙人は、

「信じてもらうには時間がかかります。大事なのは諦めないことです」

と声をかけたのでした。

やっぱり、棒読みですけど。