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くっ、破廉恥な……!!
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『ドゥケ様と一緒に戦い始めてから、我が青菫騎士団は一人の死者も出してないの。それも全て、ドゥケ様のおかげ』
ライアーネ様が言ったことは事実だった。少なくとも私が来てからは誰一人戦死してないのは確かだった。他の騎士団や部隊には今でも少なくない戦死者が出てるとは聞くのに。
だけどそれがあのドゥケのおかげというのがどうしても納得いかない。
釈然としないまま宿舎内を歩いていると、ドアが開け放たれた部屋の中にいたリデムの姿が目に入った。
ドゥケに付き従ってる魔法使いのリデムは探知魔法が得意だからいつも魔王軍の動向を探ってる。それで進軍してきたら迎え撃つのが私達の役目。
なのに、リデムはドゥケに与えられた部屋で、あいつを膝枕に寝かせて酒を飲んでた。しかも自分が口に含んだそれを、口移しでドゥケに飲ませたりとか。
くっ、破廉恥な……!!
ライアーネ様はああ言ったけど、私にはやっぱりドゥケの何がそんなに魅力的なのかまったく分からない。
私は一人、鍛錬用の剣を手にして宿舎の裏で素振りを繰り返してた。集中して汗を流して雑念を払いたかったから。
「九九八、九九九、千…!」
汗がだらだらと滴って手がしびれて、腕が上がらなくなってきた。なのにあいつの破廉恥な姿が頭から離れない。
ああもう! どうしろっていうのよ!?
もう一度剣を振り上げようとした時、頭上で手が滑り剣がくるんと回って刀身が私の頭に迫るのが分かった。なのに疲れ切った私の体はそれに反応できずに、次に来る衝撃を想像して目を瞑ってしまった。大怪我は免れないと覚悟した。
……?
でも、来るはずの衝撃は来なかった。それどころか剣が地面に落ちる音さえしなかった。恐る恐る目を開けて見ると、私の前に人影が立っていた。さっきまで周りには誰もいなかった筈なのに。
「…な…っ!?」
って思わず声を上げた私をニヤニヤと笑いながら見ていたのはドゥケだった。その手には、私が振ってた剣が握られてた。
「熱心なのもいいけど、鍛錬で怪我しちゃ意味ねーだろ」
いつもの軽口に、私の体の中を血が逆流するのが分かった。顔がカアッと熱くなり、全身がわなわなと震えるのが分かる。
「ぶ…無礼者っっ!!」
叩き付けるみたいについ声を上げた私に、ドゥケは肩を竦めて言った。
「おいおい、こういう時はまず『助けてくださいましてありがとうございました』じゃないかな? 俺が気付かなきゃ、おたく、大怪我じゃ済まなかったかもよ」
「…ぐ……っ!!」
この時、私は、頭に血が上りすぎて気付いていなかったのだった。私の視界にいなかったドゥケが、ほんの一瞬の間に私の手から離れた剣を、頭に当たる前に掴んで止めたというのがどういうことかっていうのを。
ライアーネ様が言ったことは事実だった。少なくとも私が来てからは誰一人戦死してないのは確かだった。他の騎士団や部隊には今でも少なくない戦死者が出てるとは聞くのに。
だけどそれがあのドゥケのおかげというのがどうしても納得いかない。
釈然としないまま宿舎内を歩いていると、ドアが開け放たれた部屋の中にいたリデムの姿が目に入った。
ドゥケに付き従ってる魔法使いのリデムは探知魔法が得意だからいつも魔王軍の動向を探ってる。それで進軍してきたら迎え撃つのが私達の役目。
なのに、リデムはドゥケに与えられた部屋で、あいつを膝枕に寝かせて酒を飲んでた。しかも自分が口に含んだそれを、口移しでドゥケに飲ませたりとか。
くっ、破廉恥な……!!
ライアーネ様はああ言ったけど、私にはやっぱりドゥケの何がそんなに魅力的なのかまったく分からない。
私は一人、鍛錬用の剣を手にして宿舎の裏で素振りを繰り返してた。集中して汗を流して雑念を払いたかったから。
「九九八、九九九、千…!」
汗がだらだらと滴って手がしびれて、腕が上がらなくなってきた。なのにあいつの破廉恥な姿が頭から離れない。
ああもう! どうしろっていうのよ!?
もう一度剣を振り上げようとした時、頭上で手が滑り剣がくるんと回って刀身が私の頭に迫るのが分かった。なのに疲れ切った私の体はそれに反応できずに、次に来る衝撃を想像して目を瞑ってしまった。大怪我は免れないと覚悟した。
……?
でも、来るはずの衝撃は来なかった。それどころか剣が地面に落ちる音さえしなかった。恐る恐る目を開けて見ると、私の前に人影が立っていた。さっきまで周りには誰もいなかった筈なのに。
「…な…っ!?」
って思わず声を上げた私をニヤニヤと笑いながら見ていたのはドゥケだった。その手には、私が振ってた剣が握られてた。
「熱心なのもいいけど、鍛錬で怪我しちゃ意味ねーだろ」
いつもの軽口に、私の体の中を血が逆流するのが分かった。顔がカアッと熱くなり、全身がわなわなと震えるのが分かる。
「ぶ…無礼者っっ!!」
叩き付けるみたいについ声を上げた私に、ドゥケは肩を竦めて言った。
「おいおい、こういう時はまず『助けてくださいましてありがとうございました』じゃないかな? 俺が気付かなきゃ、おたく、大怪我じゃ済まなかったかもよ」
「…ぐ……っ!!」
この時、私は、頭に血が上りすぎて気付いていなかったのだった。私の視界にいなかったドゥケが、ほんの一瞬の間に私の手から離れた剣を、頭に当たる前に掴んで止めたというのがどういうことかっていうのを。
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