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第十四話「五大魔王降臨編I剛腕の黒神〜花魂・南無ノエ〜」
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羅刹城の中。厭魔によって招集された新たな配下、五大魔王が作戦会議をしていた。
黄神「よし!わしらの出番じゃ!邪魔な神々共は始末してやるんじゃ!!!」
黒神「ようやく来たのだな。我々の出番が。」
赤神「決まっている。我々のすべきことは、アミーダのパイロット、仏ナオトを始末することだ。」
青神「しかし赤神。あいつは手強い仲間を連れているぞ。」
白神「まあいい。邪魔者はまとめて始末してしまえば問題ない。やってやるんだ。」
黒神「よし。まずは、俺が行く。仏ナオトを始末し、厭魔様に仏教世界を献上してくれるわ!ふんっ!!!」
城から姿を消す黒神。そして、黒神はテレポーテーションで、神仏郷へと向かった。
ーーーその頃、魂邸では、タンクトップにショートパンツ姿のノエが髪を櫛で溶かしていた。
ノエ「ふふふ~ん。」
髪を溶かし、制服に着替えるノエ。そこで、スバルのもとへ向かう。
スバル「魂隊準副隊長南無ノエ。今回はそなたの任務だ。知っての通りだが、現在、羅刹団が新たなる配下を送り込んだそうだ。そなたが司隊を援護し、羅刹団の新たなる配下に対抗するのだ。」
ノエ「御意。」
スバル「では、貨物船にそなたのアミーダを搬入した。司隊本部へ向かってくれたまえ。」
そして、スバルの命令を受けたノエは、自身のアミーダ四ノ型アミターバを搬送する貨物船に乗り込み、共に司隊本部へ向かうのであった。ノエは、ナオトに会える事を、期待し、ウキウキしていた。
ーーーそして、ノエは、貨物船とともに司隊本部へ到着する。司隊本部の境内をくぐり抜け、ノエはゴウとサヤに挨拶する。
ゴウ「ようこそおいでくださいました。南無ノエ殿。私が、仏ナオト達の指揮を努めます、司隊隊長の漣ゴウです。」
サヤ「並んで、伊邪那美サヤでございます。よろしくお願いします。南無ノエさん。」
ノエ「よろしくお願いします。」
ゴウ「南無殿。お話は聞いておりますが、羅刹団が新たなる配下を、送り込んで来ました。ですので、ナオト達のサポートをよろしくお願いします。」
ノエ「はい。」
サヤ「では、話は以上になります。私と一緒に来てくださいますか?」
ーーーそこで、ノエはサヤの車に乗り、彼女と同行した。
ノエ「えっ?あなたのご自宅をお貸しくださるのですか?」
サヤ「はい。ゆっくり寛げるのでよいかと。それに、ナオトとタケルもいますので、ゆっくりお話出来ますよ。」
ノエ「わざわざありがとうございます。恐縮です。」
サヤ「では、そろそろ着きますよ。こちらが我が家です。」
ノエ「わあ、随分とすごいところに住んでいるんですね。驚きましたわ。」
なんと、サヤはノエを自身の家に招待したのだった。ノエは、サヤのマンションの豪華さに驚いた。
ーーー夕方。ナオトとタケルが、塾での授業を終え、サヤのマンションに帰ってくる。
ナオト、タケル「ただいま~。」
サヤ「お帰りなさい。ナオト、タケル。今だけはお客様がいらっしゃるわ。」
ノエ「お邪魔してます。ナオトくん。タケルくん。」
サヤの脇から、ノエが出てくる。
タケル「おおっ!南無さ~~~ん!」
ナオト「馬鹿。タケル。お前鼻の下伸ばすんじゃねえよ。」
ノエ「しばらくの間、ここでお世話になるわ。よろしくね。」
サヤ「じゃあ、頼んだわよ~。ナオトもタケルも、南無さんに失礼のないようにね。」
ナオト、タケル「ああ~~~い。」
ーーーそして、マンションの中。サヤは夕飯を作っている。その傍ら、女好きのタケルは案の定興奮し、ノエを独占している。
タケル「ほら!南無さん!おやつとコーラ持ってきましたよ~!一緒に食べましょ~!」
ノエ「うふっ。タケルくん、もてなしてくれるのは嬉しいわ。でも私、今ダイエットしてるの。だから、お菓子はあまり…。」
タケル「まあ、遠慮なさらずに!」
ノエ「はははっ…。」
部屋の傍らから、タケルがノエを独占する様を聞き取るナオト。
ナオト「全く。タケルのやつ、相変わらず南無さんを独占してるな。」
サヤ「そうね。でも、私のところに預けるよう、漣隊長が言うからね。仕方ないわ。」
ナオト「考えた。僕、何かあったら南無さんを守るようにするよ。互いにね。」
サヤ「いい事言うわね。ナオトも。ちゃんとやり通すのよ。」
そして、ナオトとタケル、サヤは来客であるノエをもてなし、夜を過ごした。
ーーー翌日。ナオトは、カノンを連れ、ノエとともに神仏郷を散策することにした。ナオトとノエは、カノンの家に立ち寄る。
ナオト「カノン~?いる?」
カノン「あら、仏くん。そして南無さんも。」
ノエ「あっ。カノンちゃん。私、あなた達に協力するために、来たのよ。改めてよろしくね。」
カノン「よろしくお願いします。」
ナオト「せっかくだから、南無さんと一緒に遊びに行きたかったところなんだ。カノンも一緒にいいかな?」
カノン「いいわよ。…南無さん。あなたは花をこよなく愛しているみたいですね?神仏郷に咲く花々はかなり美しいんですよ。一緒に見に行きませんか?」
ノエ「もちろん!喜んで!」
ナオト、カノン、ノエは3人で仲良く神仏郷を散策した。ナオトとカノンは、親切にノエに神仏郷を案内した。
ノエ「へぇ~。ここが神仏郷なの。かなりビルが建ってて、まるでニュータウンね。」
カノン「そうなんです。神仏郷は、仏界の中でも、一番工業技術が発達していて、このように車や飛行機、船なども運送しているんです。私は、いつも、この神仏郷で、仏くんと遊んでいるんです。ねっ。仏くん。」
ナオト「まあ、僕らは羅刹団の仏界侵攻を機に出会った仲間だから。という感じです。南無さん。」
ノエ「ナオトくんも、カノンちゃんも、仲良くて羨ましいわ。私なんて、トキオとは全然上手くいってないわ。あいつかなり一方的だし。」
ナオト「やはり大変なんですね。南無さんも。」
ノエ「そうね。」
カノン「さあ、そろそろ神仏郷の見どころになる花畑に着きますよ。こちらです。」
ナオト達3人は、神仏郷の町外れにある花畑にたどり着く。そして、2人はノエに、一面に咲き乱れいている花を見せびらかした。
ナオト「こちらが、神仏郷の名物の一つである、花畑ですよ。ご覧下さい。」
ノエ「まあ、可愛い!そして綺麗だわ!」
カノン「私も。羅刹団の仏界侵攻が起きる前に、おばあちゃんによく連れてってもらってたんです。あまりにも綺麗なものでして。」
ノエ「ナオトくん!カノンちゃん!こんな美しい景色を見せてくれてありがとう!」
カノン「南無さん!もっと遊びましょう!」
ノエ「ええ!ふふふっ!」
カノンの手をとり、花畑へと入っていくノエ。ノエは、美しい花々を眺めながら、カノンと楽しんだ。笑顔で触れ合うカノンとノエ。どうやら2人は楽しそうだ。
カノン、ノエ「ふふふっ。ふふふっ。」
すると、カノンは花冠を作り、ノエに被せ、笑う。
ノエ「わあ!可愛い!ありがとう!」
カノン「喜んでもらえて嬉しいです!似合ってますよ!南無さん!」
ノエ「うふふっ。気に入ったわ。」
ナオト「(どうやら、2人は仲がいいんだな。すっかり馴染んでる。)」
ノエ「わあ、この花綺麗ね。ふふふっ。」
花を手にとろうとするノエ。すると、葉にはカエルが乗っていて…。
ノエ「ぎゃあああ~っ!カエルいやあああ~~~!」
カノン「南無さん!?」
ひっくり返るノエ。ノエはカエルが嫌いなのだ。驚くカノン。
ーーーそして、その夜だった。羅刹城からやってきた五大魔王の一人、黒神の魔の手が伸びていた。夜道を歩いている神の家族を付け狙う黒神。
黒神「…。ふっ…。日は暮れた。今がやり時だ。」
そして、神の二人の子と、父親の神が三人で歩いていた。
女の子「ねえ、暗いよ。怖いね。」
男の子「そうだよ。今は戦禍だもん。もしかしたら変な奴が彷徨いてるかもしれないよ。」
父親「まあ、安心しなさい。お父さんがついているから。お父さんなら、お前たちを怖がらせるものは、退治し…」
バコーーーーーン!!!…ブチャアアアアアアーーーーーーッ!!!
突如として、父親の身体は、上半身と下半身が真っ二つに。下半身からは血しぶきが舞い上がる。その血しぶきを上げた子供二人は驚く。
女の子「うわあああっ…!?」
男の子「お父さん!?」
スッ…。
二人の子供の前に、黒神が降り立った。
黒神「ぬぅぅぅぅ…!!」
怯える子供たち。そして、悲鳴を上げて逃げた。
子供「わあああーーーっ!お化け!」
黒神「ふんっ…ガキは相変わらず逃げるか。」
黒神は、更に神仏郷の人々を襲った。月を前に、抱き合うカップルも…。
男「君を愛してる。」
女「あなたのこと、好き。」
キスを交わそうとした次の瞬間…。
バコンッ!!
男の首が、思いっきり吹き飛んだ。血しぶきが首から舞い上がる。悲鳴を上げる女。
女「きゃああああーーーーーっ!!」
そして、高く舞い上がった男の生首が、女の足元にボテっと落ちる。更に足元には血が流れる。恐ろしさのあまり、女性は悲鳴を上げ、逃げた。
こうして、黒神は、神仏郷にいる住人たちを、次々と拳で惨殺していった。住人の悲鳴、そして舞い上がる血しぶき。神仏郷はやがて、地獄絵図と化していく。
ーーーそして、サヤのマンション。ナオトとタケルは、ノエの帰りを待ち侘びていた。
タケル「南無さん、遅いなぁ~。」
ナオト「そうだね。どこへ行ってるんだろう。」
サヤ「まあ、羅刹団の五大魔王が動き出してるからね。夜は気を付けた方がいいっていうのに。」
ナオト「うん。心配だ。羅刹団の五大魔王の餌食になっていなければいいけど。」
ーーー夜の街。カノンは買い物を終え、家へ帰ろうとしていた。
カノン「さて、夕飯は買った。うちへ帰ろう。」
帰路につくカノン。すると…。
シュッ!!
カノン「キャッ!!」
カノンは、頭を掴まれる。後ろを振り返ると…。
黒神「ほう。貴様が仏ナオトの仲間だな…。」
カノン「あ、あんた…!」
黒神「俺は妖怪王獄堂厭魔様に仕える五大魔王の一人、黒神だ。さあ、仏ナオトの居場所を言え。貴様なら奴の居場所を知っているはずだ。もし言わなくば、貴様の肉を厭魔様に渡す。」
カノン「やめて…離して…!」
黒神「それが嫌なら、俺の拳を貴様の首に撃ち込む。俺はこれまでにもう何人も殴り殺してきた。ここにいる奴らはな、厭魔様にとって邪魔な存在なのだからな。特にアミーダのパイロットである貴様も同様だ。覚悟しとけよ。」
カノン「…!」
怯えて声も出ないカノン。すると、黒神は不敵に笑い…。
黒神「ふふふっ…!」
なんと、黒神は拳をカノンの顔面に撃ち込もうとした。
すると、次の瞬間…。
バコッ…!!
ノエが横槍を入れた。豪快な蹴りで、黒神の腕を吹き飛ばした。腕の断面から血しぶきが舞う。
ノエ「あの、私のお友達に、手を出さないでもらえますか?女の子に手を上げるなんて、人間以下ね。あんたは。」
黒神「ほう。お仲間か。」
ノエ「あんたは、あの厭魔の手下なのね。でも、計画は阻止させてもらうわ。なんせ、私たちは仏界を守る存在だもの。」
黒神「そうかそうか。随分と威勢だけはいい奴なんだな。明日、仏ナオトを連れてこい。奴の力がどれだけなのか、見定めてやる。」
斬り落とされた腕を再生させる黒神。
ノエ「ええ。もちろん。ナオトくんには仲間がいるわ。皆で力を合わせて、あんたを倒すわ。」
黒神「戦いを申し込むんだな。いいな。さて、今晩は手を引いてやろう。貴様らは生きて返す。ただし、明日来なければ、どうなるか覚えておくんだな。」
そこから姿を消す黒神。そして、ノエは怯えたカノンを家へ連れて帰るのであった。
ーーー羅刹城。厭魔と魔子は、水晶玉を通じて、黒神の暗躍の様子を眺めていた。
厭魔「ふっ。面白くなってきたな。あとは、アミーダをおびき寄せ、邪魔な仏ナオトを蹴散らすまでだな。」
魔子「そうでございますね!私たちもやられっぱなしじゃ、仏界はいつまで経っても手には入りませんからね!」
厭魔「とにかく、今回我らが送り込んだ五大魔王どもが、どれだけの力を発揮するのか。それを見定めてやらなければな。」
魔子「わあ!厭魔さま!かっこいいです!」
厭魔「やめろ。気持ち悪い。」
すると、魔子はしょげながら、柱のほとりに座り込んだ。
魔子「しょぼ~ん。」
厭魔「ふぅっ。気を抜くなよ。黒神。」
ーーー翌日。ノエはサヤに、昨日起きた事件についてを報告した。
ノエ「どうやら、昨夜起きた事件は、羅刹団の黒神大魔王によるものだったそうです。」
サヤ「一体どんな事件が起きていたのですか?」
ノエ「黒神大魔王は昨日の夜から本日の未明にかけて暗躍。自身の拳を使い、夜な夜な住人たちを惨殺していきました。やがて、神仏郷は血の海に。更にはカノンちゃんまで襲われました。カノンちゃんは、アミーダのパイロットであるために、ナオトくんに並んで獄堂厭魔の障害である故排除しようとしました。」
サヤ「はい。かなり怪しい匂いがしたものでして。現在、司隊本部でも対策及び調査を進めています。」
ーーー司隊本部。ユイやシンイチ、アキトらが司令室で、黒神大魔王の調査を行っていた。
シンイチ「どうやら、神仏郷には羅刹団の送り込んだ黒神大魔王が夜な夜な出没してるみたいだな。」
アキト「そうだな。仏界侵略のために暗躍しているみたいだからな。とにかく、奴の存在を炙り出し、何としてでも排除せねば。」
ユイ「今入ってきた情報によると、黒神大魔王は昨日の夜の時点で、約5万人の住人を殺しています。更に、司隊本部への通報件数も多数。」
すると、次の瞬間…。
ビビビビビ…。
司令室のモニターにノイズが走る。そして、モニターに黒神の顔が映る。
黒神「司隊の者に告ぐ。俺は獄堂厭魔に仕える五大魔王の一人、黒神大魔王だ。知っての通りだが、神仏郷の雑魚どもは俺が一掃した。後は、貴様らが仏ナオトを俺の元へ連れ、勝負するだけだ。俺の要求を拒むのなら、俺は秘めた力を使い、神仏郷を皮切りに、全ての仏界を滅ぼす。良いな?すぐに奴を連れてこい。」
ゴウ「こやつが最初の五大魔王か。まあいい。やってやる。」
ーーー街中に佇む黒神。ナオト達を待ちながら不敵に微笑む。
黒神「ふふふっ…。来いよ。仏ナオト!!!」
ゴオオオオ…!!!
黒神の全身からは、紫色の煙が出てくる。そして…。
黒神「グオオオーーーーーーッ!!!」
咆哮を上げる黒神。禍々しく、棘の生えた巨大な黒い魔獣に変身した。そして、強力な拳を繰り出しながら、暴れ回った。
ーーー司隊本部へ、ナオト、カノン、タケル、そしてノエが招集される。ゴウは、彼らに指示を出した。
ゴウ「さて。君たちの任務だ。現在、羅刹団の新たな配下、五大魔王である黒神大魔王が巨大化、街を破壊している。このままでは、神仏郷全域に甚大な被害が出る。特にナオト達3人は、ノエさんの指示に従って動いてくれたまえ。」
ナオト、カノン、タケル「はい。」
ゴウ「では、ノエさん。ナオト達をよろしくお願いします。…さて、アミーダ各機の準備が整い次第、出撃を開始してくれたまえ。」
ーーー続いて、ナオト、カノン、タケルはハクシの研究室で、彼から黒神に関する情報や、戦闘における注意点をもらう。
ハクシ「五大魔王である黒神大魔王。奴は、得意の鉄拳を繰り出して攻撃してくる。お前たちも知っていると思うが、奴の鉄拳により、5万人もの住人が殺された。この拳の威力は、アミーダの装甲を凹ませるほどの威力がある。気をつけるんだ。では、アミーダ各機の配備を開始する。パイロットスーツに着替え、出撃準備を開始してくれ。」
ナオト、カノン、タケル「はい。」
ーーー来たる出撃の時。ナオト達はアミーダ各機に乗り込んだ。
シンイチ「阿弥陀ノ座、挿入!」
アキト「パイロット、及び機体全システムに問題なし!アミーダ各機、発射準備開始!」
ユイ「了解!発射準備に移ります!」
ウイーーーーン…。
アミーダ各機の発射準備を開始する。ナオト達は、アミーダの中、戦う意思を固めた。
ユイ「発射準備第二段階!射出口展開!」
ウイーーーーン…。
アミーダの発射準備が完了する。そして、ゴウはいつもの掛け声を出した。
ゴウ「アミーダ、出陣っ!!!」
ナオト、カノン、タケル、ノエ「阿弥陀仏っ!!!」
ビューーーーーーーッ!!!
ゴウの掛け声とともに、ブッダリア、カンゼノン、ダーキニー、アミターバが飛び立った。
黒神「ふんっ!!ふんっ!!」
巨大化した黒神が、うなり声を上げながら、辺りの建物を次々と破壊していった。そこへ、ナオト達のアミーダが駆けつける。
ヒューーーーーーッ、ズシンッ!!
黒神「ぬぅぅぅぅ…?」
ナオト「悪さもそこまでだ!黒神!」
カノン「私たちがいる限り、あなたの好きにはさせないわ!」
タケル「そうだ!アミーダの威力を、思い知れ!!!」
黒神「ぬぅぅぅぅ!うるさい奴らめ!一人残らず、蹴散らしてくれる!剛腕の黒神様を、甘く見るでないぞ!ふんっ!!」
黒神が、アミーダ各機に向け、拳を放ってくる。ノエは、ナオト達に指示を出す。
ノエ「危ない!拳が来るわ!ブッダリア!カンゼノン!ダーキニー!交わして!!」
ナオト達「はい!!!」
黒神「ふうぅぅんんっ!!!」
ズシーーーン!!!
黒神が、拳を勢いよく繰り出してくる。それを俊敏に交わすアミーダ4機。
ノエ「よしっ!後ろに回り込んで!背中を狙うのよ!!」
ノエが更に指示を出す。ブッダリア、カンゼノン、ダーキニーはブラスターを取り出し、弾を背中に撃ち込む。
ナオト、カノン、タケル「はあああーーーーっ!!!」
ズババババババッ!!!
黒神「うぐっ!!!」
黒神の背中に、3機のブラスターから放たれた弾が着弾。振り返る黒神。
黒神「ぬううううっ…!!ぬんっ!!」
黒神が、ナオト達のアミーダ3機に向け、稲妻を帯びた鉄拳を繰り出してくる。そこへ、ノエの乗るアミターバが、横槍を入れ、黒神の腕に蹴りを入れた。
ノエ「はあああーーーーっ!!」
ズシャッ!!!
黒神の腕が吹き飛ぶ。腕の断面からは血しぶきが飛び散る。
黒神「くっ…小癪な!!!」
ノエ「あっ!危ない!」
憎しみの声を上げる黒神。すると、吹き飛んだ右腕が、ロケットパンチの如く、ブッダリア、カンゼノン、ダーキニーを襲う。油断した3機は、諸に直撃してしまう。
ナオト「うわあああっ!!」
カノン「きゃああああっ!!」
タケル「ぐわあああっ!!」
倒れ込むブッダリア、カンゼノン、ダーキニー。斬り落とされた右腕を結合させる黒神。
黒神「さて…俺の番とするか…!!まずは、こいつらを!!さあ、見ていろよ!!阿弥陀如来の小娘!!!」
黒神の拳が紫色に光る。そして、次の瞬間、黒神は拳を連続で、そして凄まじい速度で繰り出した!
ババババババババババババババババッ!!
ナオト、カノン、タケル「うわあああああああっ!!!」
ブッダリア、カンゼノン、ダーキニーは、黒神の拳に翻弄される。アミーダ3機に抵抗の余地はなく、攻撃すら出来ない。咄嗟に救いに入るノエのアミターバ。
ノエ「ナオトくん!カノンちゃん!タケルくん!…良くも!!やめなさい!!!」
黒神「くっ!!!邪魔を…するな!!!」
バコーーーーーーーン!!!
拳で、アミターバを殴りつける黒神。その勢いで、アミターバはビルに叩きつけられた。
ズシャーーーーーーン!!!
黒神「ふっははははは。アミーダを保有しているとは言え、最早貴様らは何の力もないな。貴様らは虫けら以下だ。何の意味もない奴だな。ははははははっ。」
敗北したアミーダを見て、嘲笑う黒神。ノエは、悔し涙を流していた。
ノエ「くすんっ…。くすんっ…。…負けないんだから。」
黒神「あぁ?」
ノエ「負けるわけがないんだから!」
涙を流しながら叫ぶノエ。
ノエ「あんたなんかに、負けるわけがないんだから!!!私は仏界を守るアミーダのパイロットなんだから!!!責務を果たさなければいけないの!!!」
その様子を、撃沈したアミーダから見るナオト。
ナオト「南無さん…。」
カノン「私たちのために…。」
更に羅刹城。厭魔と魔子が必死に叫ぶノエを嘲笑う。
魔子「ふふふふっ。無意味よ!無意味!」
厭魔「全く…無駄な事を!」
ノエ「私は虫けらなんかじゃないわ!ナオトくんたちも!虫けらはあんたよ!!!虫けらっていう方が虫けらなのよ!!!!!」
涙を流しながら、必死に叫ぶノエ。すると、アミターバが牙を剥きながら起き上がり出す。
アミターバ「ガアアアアアアッ!!!」
雄叫びを上げるアミターバ。そして、颯爽と黒神に攻め込んでいく。黒神は拳を繰り出してくるも、アミターバはそれを機敏に交わす。そして、連続した拳の攻撃も機敏に交わし、両脚を使い、黒神の両腕を瞬く間に切り裂く。
黒神「ぬあああああっ!?」
ノエ「やああああーーーーーーっ!!!」
更に、次の瞬間、アミターバはピンク色に光り輝くパンチを繰り出し、黒神の顔面を殴りつけた。
黒神「ぐわあああああっ!!!」
ズデーーーーン!!!
覚醒したアミターバに太刀打ち出来ない黒神。黒神は、大の字になりながら、街に倒れ込んだ。
ノエ「ふんっ!!雷光薔薇!!!」
とどめを刺すアミターバ。両手から、ピンク色に光り輝く薔薇を放つ技、雷光薔薇という特殊な技を使った。雷光薔薇が、黒神の全身を渦巻き、感電させ、さらに力を奪っていった。
黒神「く、くそぉ…俺は…剛腕の…。」
そして、黒神は形状を維持出来ず、そのまま消滅した。
アキト「目標、消滅!黒神大魔王撃破!!」
司隊隊員一同「よっしゃあああーーーーーーっ!!やったぞおーーーーーーっ!!」
黒神大魔王は倒され、司隊隊員たちは歓声を上げた。
そして、アミターバが、ブッダリア、カンゼノン、ダーキニーを立ち上がらせる。ナオト達は、自身の力不足を詫びる。
ナオト「南無さん。僕たちのために戦ってくれて、ありがとうございます。」
カノン「申し訳ありません。最後の最後に迷惑をかけてしまって。一人で戦わせてしまって。南無さんがいなければ、黒神は倒せなかったでしょう。」
ノエ「いえ。謝るほどではないわ。私はなんせ、あなた達の分まで戦い抜く。そのための魂隊なんだから。私は、責務を全うするわ。」
ナオト「はい。南無さん。…こちらアミーダ各機。任務は完了しました。これより帰還します!」
ヒューーーーーーーーッ。
任務を終えたアミーダ4機は、司隊本部へ帰っていく。
ーーー満月の夜。司隊本部敷地内の池のほとりで、ナオトは、ノエと二人で向き合っていた。
ナオト「南無さん。今日は一日ありがとうございました。僕は、南無さんの優しさと強さに心を惹かれました。おかげでいい勉強になりました。」
ノエ「そう。嬉しいわ。私も、神仏郷を案内してくれるナオトくんの優しさに触れたわ。私からも礼を言わせてもらうわ。」
ナオト「はい。ふぅ…。」
疲れた表情を浮かべるナオト。すると、ノエは言う。
ノエ「ナオトくん。あなた疲れてるわね。膝枕してあげようか?」
ナオト「いえ。遠慮しときます。甘えすぎるのはよくないので。」
しかし、ナオトはノエの太ももに誘惑され…。
ナオト「ん…じゃあ、お願いします。」
ノエ「ふふふっ。」
ノエに膝枕をしてもらうナオト。黒神との戦いでの疲れをとってもらうのだった。ノエは、自身の太ももで寝るナオトの頭を優しく撫でる。
なでなで…なでなで…。
ナオト「(南無さんの太もも、すごく気持ちいい。それに、撫でられる感触がすごくいい。疲れがとれていく。)」
ひたすら、ノエの太ももで膝枕をしてもらうナオト。すると、ナオトが顔を上げようとした次の瞬間…。
ポタッ
ナオトの頬に雫が零れ落ちる。見上げると、ノエは泣いていた。
ノエ「くすんっ…。くすんっ…。」
ノエの泣き顔に見とれるナオト。
ナオト「(南無さん、何で泣いてるんだろう。それに、南無さんの泣き顔ってすごく可愛い。見とれた…。)」
ーーーそして、別れ際。ナオトはノエに別れの挨拶を伝える。
ナオト「南無さん。本日はありがとうございました。そろそろ…。」
ノエ「うぅ…。ナオトくん…。私、もっとあなたと一緒にいたい…。別れたくない…。」
ナオト「そうですか。なら、僕が貨物船まで送っていきます。」
ーーーナオトとの別れが辛すぎるあまり、両手で顔を覆い、泣くノエ。ナオトはそんなノエに寄り添いながら、彼女をアミターバの搭載された貨物船の元へ送り届ける。
ノエ「くすんっ…くすんっ…。」
ナオト「そうですか。泣きたくなるほど辛かったんですね。でも、大丈夫ですよ。最後まで僕がついていますから。」
ノエ「くすんっ…くすんっ…。」
ナオト「大丈夫ですから。僕は最後まで、あなたを見届けます。」
アミターバを搭載した貨物船に到着するナオトとノエ。そこで、ナオトは改めて、ナオトに別れの挨拶を告げる。
ナオト「では、ありがとうございました。お体に気をつけて。また会いましょう。」
ノエ「う、うん…。」
ナオト「では、さようなら!」
貨物船へと乗り込んでいくノエを見届けるナオト。しかし、ノエは泣き止む事はなかった。貨物船が出港し、魂邸に帰っていく中、ノエは…。
ノエ「うう…ナオトくん…。ナオトくん…。」
ノエの顔は、大粒の涙、鼻水、涎でよれよれになっている。別れが相当辛かった模様だ。ノエは、その辛さを噛み締めながら、魂邸へ帰っていくのだった。
ーーーつづく
次回予告
黒神大魔王は倒された。そこで、羅刹団は新たなる五大魔王、白神大魔王を送り込む。白神は、呪術を用いて神仏郷の住人たちを悪夢に閉じ込める。そんな白神の野望を打ち砕こうと、ナオト達は文殊トキオの力を借り、白神に立ち向かう。
次回、「五大魔王降臨編Ⅱ~策謀の白神~」
黄神「よし!わしらの出番じゃ!邪魔な神々共は始末してやるんじゃ!!!」
黒神「ようやく来たのだな。我々の出番が。」
赤神「決まっている。我々のすべきことは、アミーダのパイロット、仏ナオトを始末することだ。」
青神「しかし赤神。あいつは手強い仲間を連れているぞ。」
白神「まあいい。邪魔者はまとめて始末してしまえば問題ない。やってやるんだ。」
黒神「よし。まずは、俺が行く。仏ナオトを始末し、厭魔様に仏教世界を献上してくれるわ!ふんっ!!!」
城から姿を消す黒神。そして、黒神はテレポーテーションで、神仏郷へと向かった。
ーーーその頃、魂邸では、タンクトップにショートパンツ姿のノエが髪を櫛で溶かしていた。
ノエ「ふふふ~ん。」
髪を溶かし、制服に着替えるノエ。そこで、スバルのもとへ向かう。
スバル「魂隊準副隊長南無ノエ。今回はそなたの任務だ。知っての通りだが、現在、羅刹団が新たなる配下を送り込んだそうだ。そなたが司隊を援護し、羅刹団の新たなる配下に対抗するのだ。」
ノエ「御意。」
スバル「では、貨物船にそなたのアミーダを搬入した。司隊本部へ向かってくれたまえ。」
そして、スバルの命令を受けたノエは、自身のアミーダ四ノ型アミターバを搬送する貨物船に乗り込み、共に司隊本部へ向かうのであった。ノエは、ナオトに会える事を、期待し、ウキウキしていた。
ーーーそして、ノエは、貨物船とともに司隊本部へ到着する。司隊本部の境内をくぐり抜け、ノエはゴウとサヤに挨拶する。
ゴウ「ようこそおいでくださいました。南無ノエ殿。私が、仏ナオト達の指揮を努めます、司隊隊長の漣ゴウです。」
サヤ「並んで、伊邪那美サヤでございます。よろしくお願いします。南無ノエさん。」
ノエ「よろしくお願いします。」
ゴウ「南無殿。お話は聞いておりますが、羅刹団が新たなる配下を、送り込んで来ました。ですので、ナオト達のサポートをよろしくお願いします。」
ノエ「はい。」
サヤ「では、話は以上になります。私と一緒に来てくださいますか?」
ーーーそこで、ノエはサヤの車に乗り、彼女と同行した。
ノエ「えっ?あなたのご自宅をお貸しくださるのですか?」
サヤ「はい。ゆっくり寛げるのでよいかと。それに、ナオトとタケルもいますので、ゆっくりお話出来ますよ。」
ノエ「わざわざありがとうございます。恐縮です。」
サヤ「では、そろそろ着きますよ。こちらが我が家です。」
ノエ「わあ、随分とすごいところに住んでいるんですね。驚きましたわ。」
なんと、サヤはノエを自身の家に招待したのだった。ノエは、サヤのマンションの豪華さに驚いた。
ーーー夕方。ナオトとタケルが、塾での授業を終え、サヤのマンションに帰ってくる。
ナオト、タケル「ただいま~。」
サヤ「お帰りなさい。ナオト、タケル。今だけはお客様がいらっしゃるわ。」
ノエ「お邪魔してます。ナオトくん。タケルくん。」
サヤの脇から、ノエが出てくる。
タケル「おおっ!南無さ~~~ん!」
ナオト「馬鹿。タケル。お前鼻の下伸ばすんじゃねえよ。」
ノエ「しばらくの間、ここでお世話になるわ。よろしくね。」
サヤ「じゃあ、頼んだわよ~。ナオトもタケルも、南無さんに失礼のないようにね。」
ナオト、タケル「ああ~~~い。」
ーーーそして、マンションの中。サヤは夕飯を作っている。その傍ら、女好きのタケルは案の定興奮し、ノエを独占している。
タケル「ほら!南無さん!おやつとコーラ持ってきましたよ~!一緒に食べましょ~!」
ノエ「うふっ。タケルくん、もてなしてくれるのは嬉しいわ。でも私、今ダイエットしてるの。だから、お菓子はあまり…。」
タケル「まあ、遠慮なさらずに!」
ノエ「はははっ…。」
部屋の傍らから、タケルがノエを独占する様を聞き取るナオト。
ナオト「全く。タケルのやつ、相変わらず南無さんを独占してるな。」
サヤ「そうね。でも、私のところに預けるよう、漣隊長が言うからね。仕方ないわ。」
ナオト「考えた。僕、何かあったら南無さんを守るようにするよ。互いにね。」
サヤ「いい事言うわね。ナオトも。ちゃんとやり通すのよ。」
そして、ナオトとタケル、サヤは来客であるノエをもてなし、夜を過ごした。
ーーー翌日。ナオトは、カノンを連れ、ノエとともに神仏郷を散策することにした。ナオトとノエは、カノンの家に立ち寄る。
ナオト「カノン~?いる?」
カノン「あら、仏くん。そして南無さんも。」
ノエ「あっ。カノンちゃん。私、あなた達に協力するために、来たのよ。改めてよろしくね。」
カノン「よろしくお願いします。」
ナオト「せっかくだから、南無さんと一緒に遊びに行きたかったところなんだ。カノンも一緒にいいかな?」
カノン「いいわよ。…南無さん。あなたは花をこよなく愛しているみたいですね?神仏郷に咲く花々はかなり美しいんですよ。一緒に見に行きませんか?」
ノエ「もちろん!喜んで!」
ナオト、カノン、ノエは3人で仲良く神仏郷を散策した。ナオトとカノンは、親切にノエに神仏郷を案内した。
ノエ「へぇ~。ここが神仏郷なの。かなりビルが建ってて、まるでニュータウンね。」
カノン「そうなんです。神仏郷は、仏界の中でも、一番工業技術が発達していて、このように車や飛行機、船なども運送しているんです。私は、いつも、この神仏郷で、仏くんと遊んでいるんです。ねっ。仏くん。」
ナオト「まあ、僕らは羅刹団の仏界侵攻を機に出会った仲間だから。という感じです。南無さん。」
ノエ「ナオトくんも、カノンちゃんも、仲良くて羨ましいわ。私なんて、トキオとは全然上手くいってないわ。あいつかなり一方的だし。」
ナオト「やはり大変なんですね。南無さんも。」
ノエ「そうね。」
カノン「さあ、そろそろ神仏郷の見どころになる花畑に着きますよ。こちらです。」
ナオト達3人は、神仏郷の町外れにある花畑にたどり着く。そして、2人はノエに、一面に咲き乱れいている花を見せびらかした。
ナオト「こちらが、神仏郷の名物の一つである、花畑ですよ。ご覧下さい。」
ノエ「まあ、可愛い!そして綺麗だわ!」
カノン「私も。羅刹団の仏界侵攻が起きる前に、おばあちゃんによく連れてってもらってたんです。あまりにも綺麗なものでして。」
ノエ「ナオトくん!カノンちゃん!こんな美しい景色を見せてくれてありがとう!」
カノン「南無さん!もっと遊びましょう!」
ノエ「ええ!ふふふっ!」
カノンの手をとり、花畑へと入っていくノエ。ノエは、美しい花々を眺めながら、カノンと楽しんだ。笑顔で触れ合うカノンとノエ。どうやら2人は楽しそうだ。
カノン、ノエ「ふふふっ。ふふふっ。」
すると、カノンは花冠を作り、ノエに被せ、笑う。
ノエ「わあ!可愛い!ありがとう!」
カノン「喜んでもらえて嬉しいです!似合ってますよ!南無さん!」
ノエ「うふふっ。気に入ったわ。」
ナオト「(どうやら、2人は仲がいいんだな。すっかり馴染んでる。)」
ノエ「わあ、この花綺麗ね。ふふふっ。」
花を手にとろうとするノエ。すると、葉にはカエルが乗っていて…。
ノエ「ぎゃあああ~っ!カエルいやあああ~~~!」
カノン「南無さん!?」
ひっくり返るノエ。ノエはカエルが嫌いなのだ。驚くカノン。
ーーーそして、その夜だった。羅刹城からやってきた五大魔王の一人、黒神の魔の手が伸びていた。夜道を歩いている神の家族を付け狙う黒神。
黒神「…。ふっ…。日は暮れた。今がやり時だ。」
そして、神の二人の子と、父親の神が三人で歩いていた。
女の子「ねえ、暗いよ。怖いね。」
男の子「そうだよ。今は戦禍だもん。もしかしたら変な奴が彷徨いてるかもしれないよ。」
父親「まあ、安心しなさい。お父さんがついているから。お父さんなら、お前たちを怖がらせるものは、退治し…」
バコーーーーーン!!!…ブチャアアアアアアーーーーーーッ!!!
突如として、父親の身体は、上半身と下半身が真っ二つに。下半身からは血しぶきが舞い上がる。その血しぶきを上げた子供二人は驚く。
女の子「うわあああっ…!?」
男の子「お父さん!?」
スッ…。
二人の子供の前に、黒神が降り立った。
黒神「ぬぅぅぅぅ…!!」
怯える子供たち。そして、悲鳴を上げて逃げた。
子供「わあああーーーっ!お化け!」
黒神「ふんっ…ガキは相変わらず逃げるか。」
黒神は、更に神仏郷の人々を襲った。月を前に、抱き合うカップルも…。
男「君を愛してる。」
女「あなたのこと、好き。」
キスを交わそうとした次の瞬間…。
バコンッ!!
男の首が、思いっきり吹き飛んだ。血しぶきが首から舞い上がる。悲鳴を上げる女。
女「きゃああああーーーーーっ!!」
そして、高く舞い上がった男の生首が、女の足元にボテっと落ちる。更に足元には血が流れる。恐ろしさのあまり、女性は悲鳴を上げ、逃げた。
こうして、黒神は、神仏郷にいる住人たちを、次々と拳で惨殺していった。住人の悲鳴、そして舞い上がる血しぶき。神仏郷はやがて、地獄絵図と化していく。
ーーーそして、サヤのマンション。ナオトとタケルは、ノエの帰りを待ち侘びていた。
タケル「南無さん、遅いなぁ~。」
ナオト「そうだね。どこへ行ってるんだろう。」
サヤ「まあ、羅刹団の五大魔王が動き出してるからね。夜は気を付けた方がいいっていうのに。」
ナオト「うん。心配だ。羅刹団の五大魔王の餌食になっていなければいいけど。」
ーーー夜の街。カノンは買い物を終え、家へ帰ろうとしていた。
カノン「さて、夕飯は買った。うちへ帰ろう。」
帰路につくカノン。すると…。
シュッ!!
カノン「キャッ!!」
カノンは、頭を掴まれる。後ろを振り返ると…。
黒神「ほう。貴様が仏ナオトの仲間だな…。」
カノン「あ、あんた…!」
黒神「俺は妖怪王獄堂厭魔様に仕える五大魔王の一人、黒神だ。さあ、仏ナオトの居場所を言え。貴様なら奴の居場所を知っているはずだ。もし言わなくば、貴様の肉を厭魔様に渡す。」
カノン「やめて…離して…!」
黒神「それが嫌なら、俺の拳を貴様の首に撃ち込む。俺はこれまでにもう何人も殴り殺してきた。ここにいる奴らはな、厭魔様にとって邪魔な存在なのだからな。特にアミーダのパイロットである貴様も同様だ。覚悟しとけよ。」
カノン「…!」
怯えて声も出ないカノン。すると、黒神は不敵に笑い…。
黒神「ふふふっ…!」
なんと、黒神は拳をカノンの顔面に撃ち込もうとした。
すると、次の瞬間…。
バコッ…!!
ノエが横槍を入れた。豪快な蹴りで、黒神の腕を吹き飛ばした。腕の断面から血しぶきが舞う。
ノエ「あの、私のお友達に、手を出さないでもらえますか?女の子に手を上げるなんて、人間以下ね。あんたは。」
黒神「ほう。お仲間か。」
ノエ「あんたは、あの厭魔の手下なのね。でも、計画は阻止させてもらうわ。なんせ、私たちは仏界を守る存在だもの。」
黒神「そうかそうか。随分と威勢だけはいい奴なんだな。明日、仏ナオトを連れてこい。奴の力がどれだけなのか、見定めてやる。」
斬り落とされた腕を再生させる黒神。
ノエ「ええ。もちろん。ナオトくんには仲間がいるわ。皆で力を合わせて、あんたを倒すわ。」
黒神「戦いを申し込むんだな。いいな。さて、今晩は手を引いてやろう。貴様らは生きて返す。ただし、明日来なければ、どうなるか覚えておくんだな。」
そこから姿を消す黒神。そして、ノエは怯えたカノンを家へ連れて帰るのであった。
ーーー羅刹城。厭魔と魔子は、水晶玉を通じて、黒神の暗躍の様子を眺めていた。
厭魔「ふっ。面白くなってきたな。あとは、アミーダをおびき寄せ、邪魔な仏ナオトを蹴散らすまでだな。」
魔子「そうでございますね!私たちもやられっぱなしじゃ、仏界はいつまで経っても手には入りませんからね!」
厭魔「とにかく、今回我らが送り込んだ五大魔王どもが、どれだけの力を発揮するのか。それを見定めてやらなければな。」
魔子「わあ!厭魔さま!かっこいいです!」
厭魔「やめろ。気持ち悪い。」
すると、魔子はしょげながら、柱のほとりに座り込んだ。
魔子「しょぼ~ん。」
厭魔「ふぅっ。気を抜くなよ。黒神。」
ーーー翌日。ノエはサヤに、昨日起きた事件についてを報告した。
ノエ「どうやら、昨夜起きた事件は、羅刹団の黒神大魔王によるものだったそうです。」
サヤ「一体どんな事件が起きていたのですか?」
ノエ「黒神大魔王は昨日の夜から本日の未明にかけて暗躍。自身の拳を使い、夜な夜な住人たちを惨殺していきました。やがて、神仏郷は血の海に。更にはカノンちゃんまで襲われました。カノンちゃんは、アミーダのパイロットであるために、ナオトくんに並んで獄堂厭魔の障害である故排除しようとしました。」
サヤ「はい。かなり怪しい匂いがしたものでして。現在、司隊本部でも対策及び調査を進めています。」
ーーー司隊本部。ユイやシンイチ、アキトらが司令室で、黒神大魔王の調査を行っていた。
シンイチ「どうやら、神仏郷には羅刹団の送り込んだ黒神大魔王が夜な夜な出没してるみたいだな。」
アキト「そうだな。仏界侵略のために暗躍しているみたいだからな。とにかく、奴の存在を炙り出し、何としてでも排除せねば。」
ユイ「今入ってきた情報によると、黒神大魔王は昨日の夜の時点で、約5万人の住人を殺しています。更に、司隊本部への通報件数も多数。」
すると、次の瞬間…。
ビビビビビ…。
司令室のモニターにノイズが走る。そして、モニターに黒神の顔が映る。
黒神「司隊の者に告ぐ。俺は獄堂厭魔に仕える五大魔王の一人、黒神大魔王だ。知っての通りだが、神仏郷の雑魚どもは俺が一掃した。後は、貴様らが仏ナオトを俺の元へ連れ、勝負するだけだ。俺の要求を拒むのなら、俺は秘めた力を使い、神仏郷を皮切りに、全ての仏界を滅ぼす。良いな?すぐに奴を連れてこい。」
ゴウ「こやつが最初の五大魔王か。まあいい。やってやる。」
ーーー街中に佇む黒神。ナオト達を待ちながら不敵に微笑む。
黒神「ふふふっ…。来いよ。仏ナオト!!!」
ゴオオオオ…!!!
黒神の全身からは、紫色の煙が出てくる。そして…。
黒神「グオオオーーーーーーッ!!!」
咆哮を上げる黒神。禍々しく、棘の生えた巨大な黒い魔獣に変身した。そして、強力な拳を繰り出しながら、暴れ回った。
ーーー司隊本部へ、ナオト、カノン、タケル、そしてノエが招集される。ゴウは、彼らに指示を出した。
ゴウ「さて。君たちの任務だ。現在、羅刹団の新たな配下、五大魔王である黒神大魔王が巨大化、街を破壊している。このままでは、神仏郷全域に甚大な被害が出る。特にナオト達3人は、ノエさんの指示に従って動いてくれたまえ。」
ナオト、カノン、タケル「はい。」
ゴウ「では、ノエさん。ナオト達をよろしくお願いします。…さて、アミーダ各機の準備が整い次第、出撃を開始してくれたまえ。」
ーーー続いて、ナオト、カノン、タケルはハクシの研究室で、彼から黒神に関する情報や、戦闘における注意点をもらう。
ハクシ「五大魔王である黒神大魔王。奴は、得意の鉄拳を繰り出して攻撃してくる。お前たちも知っていると思うが、奴の鉄拳により、5万人もの住人が殺された。この拳の威力は、アミーダの装甲を凹ませるほどの威力がある。気をつけるんだ。では、アミーダ各機の配備を開始する。パイロットスーツに着替え、出撃準備を開始してくれ。」
ナオト、カノン、タケル「はい。」
ーーー来たる出撃の時。ナオト達はアミーダ各機に乗り込んだ。
シンイチ「阿弥陀ノ座、挿入!」
アキト「パイロット、及び機体全システムに問題なし!アミーダ各機、発射準備開始!」
ユイ「了解!発射準備に移ります!」
ウイーーーーン…。
アミーダ各機の発射準備を開始する。ナオト達は、アミーダの中、戦う意思を固めた。
ユイ「発射準備第二段階!射出口展開!」
ウイーーーーン…。
アミーダの発射準備が完了する。そして、ゴウはいつもの掛け声を出した。
ゴウ「アミーダ、出陣っ!!!」
ナオト、カノン、タケル、ノエ「阿弥陀仏っ!!!」
ビューーーーーーーッ!!!
ゴウの掛け声とともに、ブッダリア、カンゼノン、ダーキニー、アミターバが飛び立った。
黒神「ふんっ!!ふんっ!!」
巨大化した黒神が、うなり声を上げながら、辺りの建物を次々と破壊していった。そこへ、ナオト達のアミーダが駆けつける。
ヒューーーーーーッ、ズシンッ!!
黒神「ぬぅぅぅぅ…?」
ナオト「悪さもそこまでだ!黒神!」
カノン「私たちがいる限り、あなたの好きにはさせないわ!」
タケル「そうだ!アミーダの威力を、思い知れ!!!」
黒神「ぬぅぅぅぅ!うるさい奴らめ!一人残らず、蹴散らしてくれる!剛腕の黒神様を、甘く見るでないぞ!ふんっ!!」
黒神が、アミーダ各機に向け、拳を放ってくる。ノエは、ナオト達に指示を出す。
ノエ「危ない!拳が来るわ!ブッダリア!カンゼノン!ダーキニー!交わして!!」
ナオト達「はい!!!」
黒神「ふうぅぅんんっ!!!」
ズシーーーン!!!
黒神が、拳を勢いよく繰り出してくる。それを俊敏に交わすアミーダ4機。
ノエ「よしっ!後ろに回り込んで!背中を狙うのよ!!」
ノエが更に指示を出す。ブッダリア、カンゼノン、ダーキニーはブラスターを取り出し、弾を背中に撃ち込む。
ナオト、カノン、タケル「はあああーーーーっ!!!」
ズババババババッ!!!
黒神「うぐっ!!!」
黒神の背中に、3機のブラスターから放たれた弾が着弾。振り返る黒神。
黒神「ぬううううっ…!!ぬんっ!!」
黒神が、ナオト達のアミーダ3機に向け、稲妻を帯びた鉄拳を繰り出してくる。そこへ、ノエの乗るアミターバが、横槍を入れ、黒神の腕に蹴りを入れた。
ノエ「はあああーーーーっ!!」
ズシャッ!!!
黒神の腕が吹き飛ぶ。腕の断面からは血しぶきが飛び散る。
黒神「くっ…小癪な!!!」
ノエ「あっ!危ない!」
憎しみの声を上げる黒神。すると、吹き飛んだ右腕が、ロケットパンチの如く、ブッダリア、カンゼノン、ダーキニーを襲う。油断した3機は、諸に直撃してしまう。
ナオト「うわあああっ!!」
カノン「きゃああああっ!!」
タケル「ぐわあああっ!!」
倒れ込むブッダリア、カンゼノン、ダーキニー。斬り落とされた右腕を結合させる黒神。
黒神「さて…俺の番とするか…!!まずは、こいつらを!!さあ、見ていろよ!!阿弥陀如来の小娘!!!」
黒神の拳が紫色に光る。そして、次の瞬間、黒神は拳を連続で、そして凄まじい速度で繰り出した!
ババババババババババババババババッ!!
ナオト、カノン、タケル「うわあああああああっ!!!」
ブッダリア、カンゼノン、ダーキニーは、黒神の拳に翻弄される。アミーダ3機に抵抗の余地はなく、攻撃すら出来ない。咄嗟に救いに入るノエのアミターバ。
ノエ「ナオトくん!カノンちゃん!タケルくん!…良くも!!やめなさい!!!」
黒神「くっ!!!邪魔を…するな!!!」
バコーーーーーーーン!!!
拳で、アミターバを殴りつける黒神。その勢いで、アミターバはビルに叩きつけられた。
ズシャーーーーーーン!!!
黒神「ふっははははは。アミーダを保有しているとは言え、最早貴様らは何の力もないな。貴様らは虫けら以下だ。何の意味もない奴だな。ははははははっ。」
敗北したアミーダを見て、嘲笑う黒神。ノエは、悔し涙を流していた。
ノエ「くすんっ…。くすんっ…。…負けないんだから。」
黒神「あぁ?」
ノエ「負けるわけがないんだから!」
涙を流しながら叫ぶノエ。
ノエ「あんたなんかに、負けるわけがないんだから!!!私は仏界を守るアミーダのパイロットなんだから!!!責務を果たさなければいけないの!!!」
その様子を、撃沈したアミーダから見るナオト。
ナオト「南無さん…。」
カノン「私たちのために…。」
更に羅刹城。厭魔と魔子が必死に叫ぶノエを嘲笑う。
魔子「ふふふふっ。無意味よ!無意味!」
厭魔「全く…無駄な事を!」
ノエ「私は虫けらなんかじゃないわ!ナオトくんたちも!虫けらはあんたよ!!!虫けらっていう方が虫けらなのよ!!!!!」
涙を流しながら、必死に叫ぶノエ。すると、アミターバが牙を剥きながら起き上がり出す。
アミターバ「ガアアアアアアッ!!!」
雄叫びを上げるアミターバ。そして、颯爽と黒神に攻め込んでいく。黒神は拳を繰り出してくるも、アミターバはそれを機敏に交わす。そして、連続した拳の攻撃も機敏に交わし、両脚を使い、黒神の両腕を瞬く間に切り裂く。
黒神「ぬあああああっ!?」
ノエ「やああああーーーーーーっ!!!」
更に、次の瞬間、アミターバはピンク色に光り輝くパンチを繰り出し、黒神の顔面を殴りつけた。
黒神「ぐわあああああっ!!!」
ズデーーーーン!!!
覚醒したアミターバに太刀打ち出来ない黒神。黒神は、大の字になりながら、街に倒れ込んだ。
ノエ「ふんっ!!雷光薔薇!!!」
とどめを刺すアミターバ。両手から、ピンク色に光り輝く薔薇を放つ技、雷光薔薇という特殊な技を使った。雷光薔薇が、黒神の全身を渦巻き、感電させ、さらに力を奪っていった。
黒神「く、くそぉ…俺は…剛腕の…。」
そして、黒神は形状を維持出来ず、そのまま消滅した。
アキト「目標、消滅!黒神大魔王撃破!!」
司隊隊員一同「よっしゃあああーーーーーーっ!!やったぞおーーーーーーっ!!」
黒神大魔王は倒され、司隊隊員たちは歓声を上げた。
そして、アミターバが、ブッダリア、カンゼノン、ダーキニーを立ち上がらせる。ナオト達は、自身の力不足を詫びる。
ナオト「南無さん。僕たちのために戦ってくれて、ありがとうございます。」
カノン「申し訳ありません。最後の最後に迷惑をかけてしまって。一人で戦わせてしまって。南無さんがいなければ、黒神は倒せなかったでしょう。」
ノエ「いえ。謝るほどではないわ。私はなんせ、あなた達の分まで戦い抜く。そのための魂隊なんだから。私は、責務を全うするわ。」
ナオト「はい。南無さん。…こちらアミーダ各機。任務は完了しました。これより帰還します!」
ヒューーーーーーーーッ。
任務を終えたアミーダ4機は、司隊本部へ帰っていく。
ーーー満月の夜。司隊本部敷地内の池のほとりで、ナオトは、ノエと二人で向き合っていた。
ナオト「南無さん。今日は一日ありがとうございました。僕は、南無さんの優しさと強さに心を惹かれました。おかげでいい勉強になりました。」
ノエ「そう。嬉しいわ。私も、神仏郷を案内してくれるナオトくんの優しさに触れたわ。私からも礼を言わせてもらうわ。」
ナオト「はい。ふぅ…。」
疲れた表情を浮かべるナオト。すると、ノエは言う。
ノエ「ナオトくん。あなた疲れてるわね。膝枕してあげようか?」
ナオト「いえ。遠慮しときます。甘えすぎるのはよくないので。」
しかし、ナオトはノエの太ももに誘惑され…。
ナオト「ん…じゃあ、お願いします。」
ノエ「ふふふっ。」
ノエに膝枕をしてもらうナオト。黒神との戦いでの疲れをとってもらうのだった。ノエは、自身の太ももで寝るナオトの頭を優しく撫でる。
なでなで…なでなで…。
ナオト「(南無さんの太もも、すごく気持ちいい。それに、撫でられる感触がすごくいい。疲れがとれていく。)」
ひたすら、ノエの太ももで膝枕をしてもらうナオト。すると、ナオトが顔を上げようとした次の瞬間…。
ポタッ
ナオトの頬に雫が零れ落ちる。見上げると、ノエは泣いていた。
ノエ「くすんっ…。くすんっ…。」
ノエの泣き顔に見とれるナオト。
ナオト「(南無さん、何で泣いてるんだろう。それに、南無さんの泣き顔ってすごく可愛い。見とれた…。)」
ーーーそして、別れ際。ナオトはノエに別れの挨拶を伝える。
ナオト「南無さん。本日はありがとうございました。そろそろ…。」
ノエ「うぅ…。ナオトくん…。私、もっとあなたと一緒にいたい…。別れたくない…。」
ナオト「そうですか。なら、僕が貨物船まで送っていきます。」
ーーーナオトとの別れが辛すぎるあまり、両手で顔を覆い、泣くノエ。ナオトはそんなノエに寄り添いながら、彼女をアミターバの搭載された貨物船の元へ送り届ける。
ノエ「くすんっ…くすんっ…。」
ナオト「そうですか。泣きたくなるほど辛かったんですね。でも、大丈夫ですよ。最後まで僕がついていますから。」
ノエ「くすんっ…くすんっ…。」
ナオト「大丈夫ですから。僕は最後まで、あなたを見届けます。」
アミターバを搭載した貨物船に到着するナオトとノエ。そこで、ナオトは改めて、ナオトに別れの挨拶を告げる。
ナオト「では、ありがとうございました。お体に気をつけて。また会いましょう。」
ノエ「う、うん…。」
ナオト「では、さようなら!」
貨物船へと乗り込んでいくノエを見届けるナオト。しかし、ノエは泣き止む事はなかった。貨物船が出港し、魂邸に帰っていく中、ノエは…。
ノエ「うう…ナオトくん…。ナオトくん…。」
ノエの顔は、大粒の涙、鼻水、涎でよれよれになっている。別れが相当辛かった模様だ。ノエは、その辛さを噛み締めながら、魂邸へ帰っていくのだった。
ーーーつづく
次回予告
黒神大魔王は倒された。そこで、羅刹団は新たなる五大魔王、白神大魔王を送り込む。白神は、呪術を用いて神仏郷の住人たちを悪夢に閉じ込める。そんな白神の野望を打ち砕こうと、ナオト達は文殊トキオの力を借り、白神に立ち向かう。
次回、「五大魔王降臨編Ⅱ~策謀の白神~」
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