転生したし死にたくないし

第3章 独立領土 小国ティアラ

終結条件

意外にもフェレル公国は二つ返事で、小国ティアラを認め、連名で魔導騎士の国へと此度の件の粛清として宣戦布告を行った。
これに沿う形で大国の大半はこちら側へとついた。
対し、魔導騎士の国は、魔導兵器を与えるという餌を使い現状に不満を抱く国を取り込んでいった。
読んでいた状況ではあるが、事態はここで止まらない。
フィアと敵対する魔獣達がこぞって魔導騎士の国側についたのだ。
これに対抗するように、今まで個別で動いていた魔獣達は、こちら側についた。 
これにより、戦力差は若干こちら側が弱い程度で済んでいる。
しかし、このままではいずれ押し切られてしまう。
そのため、わたくしはある策を打つこととした。
２年という期間を使って。

「これで、片付きましたわね」
「2年でよくもまぁここまでできるものですね」
わたくしがやったのは単純なこと。
こちら側の要となる戦力を印象づける。
2年間、わたくしとフィアだけで殺戮を繰り返しただけ。
しかも、滅ぼすわけじゃない。
小競り合いをしている所に加勢し、主要戦力を落としたら離脱。
これの繰り返し。
ただし、死体も残さない殺し方でこれらを行う。
そう、突如として主力が消えていくという現象を印象づけたのだ。
「これで、やっと戦争が終わりますわ」
そうして得た、小国ティアラを落とせば勝ちだという認識。
こちら側の認識は最初から、魔導騎士の国を落とせば勝ちだったので必要なのは、わたくしの強さを示せば良かっただけ。
これで最初で最後のチャンスが生まれた。

「本当にいいんですの？ 死にますわよ、間違いなく」
「構いませんよ、この2年ティアラ様がいなければとうに死んでいた命です。ここで使わなくていつ使うのです」
最後のやり取り。

「お姉様、必ず戻ってきてください。私はここだけでも死守します」
ソフィアにはある場所を守ってもらうことにし


「ティアラさんの魔法ならば、後れを取ることはないでしょう。ただし、お預けするその魔法は往復1回しか使えませんので、そこだけ間違えないでください」
学院長の伝手を使い、ある固有魔法を借りる。

そうして、わたくしは復讐を果たしに1つの国を蹂躙したのだった。