9 / 10
9
しおりを挟む
全部脱げと命じれば羞恥も見せず素直に応じる。不粋なサラシに隠れて気付かなかったが、かぶりつきたくなるような豊かな乳房が現れた。
大きく張り出した胸、細くくびれた腰、柔らかく隆起した臀部──美しすぎる肉体だ。顔が見たいと思った。もはや美醜などどうでも良い。
目から鼻まで覆うような馬鹿でかいメガネを外すよう指示するが固辞された。ならば外さざるを得ない状況を作るまでだ。
俺のモノを舐めるよう指示すると、アリーチェは躊躇わずにパクリと咥えた。相当慣れているようだ。その口から快感を得るたび俺は苛立ちを覚えた。一体誰に仕込まれた?
出る寸前で慌てて取り出して、俺はアリーチェに顔射した。思惑通りアリーチェは眼鏡を外した。現れた顔を見て俺は言葉を失う。俺の精で濡れた髪が金に輝いていることで更に衝撃を受けた。まさか!俺はアリーチェを浴室へ運び全身磨き上げた。ああ、何てことだ……
元より手元に置くつもりだったが、アリーチェの正体を知られてはマズい。ルドヴィカが姿を消したのも、アリーチェの存在を知られたくない意図があったはずだ。彼女に真相が伺えない以上、アリーチェが王族であることを明かすのは得策ではない。
彼女を守る意味でも俺の部屋で寝起きするよう指示した。仕事は続けたいというので、これまで通り眼鏡着用、髪の染色を条件に許可した。
共に寝起きするようになっても、アリーチェは無欲なままだった。何も望まずただ従順に俺を受け入れる。抱くたびに俺は溺れていくというのに、アリーチェは何も変わらない。
俺を見る目は主人に服従する使用人の瞳のまま。優しく抱いても、激しく抱いても何も変わらない。どうしたらお前の目に俺が映るんだ?頭がおかしくなる程アリーチェに溺れる。
アリーチェ、お前が欲しくて堪らないんだ。何処にいる?他の男がお前に触れていないか?くそっ!気が狂いそうだ。
アリーチェは意外な場所で見付かった。ルドヴィカがかつて身を置いていた娼館だった。アリーチェの顔を見て驚いた女将が役所へ届け出ようとした所を俺の部下が見付け、安くない金を握らせ黙らせた。ここの女将は誰よりも金に忠実なのだ。
「アリーチェ!」
俺は娼館まで駆け付けアリーチェの姿を認めるなり抱き締めた。
「公爵様?何故ここへ?あ、まだ営業時間では……」
「お前を迎えに来たんだ!もう何処へも行くな、頼むから!」
「ですが公爵様、わたくしは解雇されたのでは?」
そうか、きっちりとした性格故かアリーチェは契約に逆らえない。ならば──
「再雇用だ。俺がお前を直接雇用する、妻として」
「妻……とは何をするのでしょう?」
「俺の側にいて俺のことだけ考えて、俺を第一に生きるんだ」
「公爵様、とても抽象的で分かり辛いです……」
不安そうに俺を見上げるアリーチェ。なんだ?まさかここで働く気だったのか?華やかに施された化粧に気付いて俺は眉を顰めた。それをアリーチェは盛大に誤解したようだ。
「申し訳ありません、わたくしのようなものがこのように装うなど身の程知らずでした……」
「……綺麗だ」
え、とアリーチェは顔を上げる。
「何度でも言ってやる、綺麗だアリーチェ」
初めてアリーチェの瞳に戸惑いが浮かんだ。ああ、そうか。俺は間違っていたんだな、最初から何もかも。
「これからは俺の言葉だけは疑うな。お前は綺麗だアリーチェ」
ふっと笑うとアリーチェの瞳から一筋涙が伝った。俺は吸い寄せられるようにそれを舌で舐め掬った。そしてそのまま紅い唇に口付けた。柔らかいアリーチェの唇に触れただけで俺の下肢は痛いほど昂ぶる。
俺はアリーチェの手を取ってそこに触れさせた。
「分かるか?俺がどれだけお前を欲しがっているか」
「申し訳ありません、またわたくしは公爵様のご不興を……」
「アリーチェ、不興でも仕置きでもない。愛おしいから俺はお前を抱くんだ」
「いいえ、いいえ、そんな筈はありません!わたくしのような女を好く男性など居るはずが──」
「ここに居る。俺の言葉を疑うなアリーチェ。お前が好きなんだ、堪らなく愛してる」
呆然とするアリーチェを見て、漸く心に触れられた気がした。あのクソ神父に凍らされた心を溶かすのはこの俺だ。
大きく張り出した胸、細くくびれた腰、柔らかく隆起した臀部──美しすぎる肉体だ。顔が見たいと思った。もはや美醜などどうでも良い。
目から鼻まで覆うような馬鹿でかいメガネを外すよう指示するが固辞された。ならば外さざるを得ない状況を作るまでだ。
俺のモノを舐めるよう指示すると、アリーチェは躊躇わずにパクリと咥えた。相当慣れているようだ。その口から快感を得るたび俺は苛立ちを覚えた。一体誰に仕込まれた?
出る寸前で慌てて取り出して、俺はアリーチェに顔射した。思惑通りアリーチェは眼鏡を外した。現れた顔を見て俺は言葉を失う。俺の精で濡れた髪が金に輝いていることで更に衝撃を受けた。まさか!俺はアリーチェを浴室へ運び全身磨き上げた。ああ、何てことだ……
元より手元に置くつもりだったが、アリーチェの正体を知られてはマズい。ルドヴィカが姿を消したのも、アリーチェの存在を知られたくない意図があったはずだ。彼女に真相が伺えない以上、アリーチェが王族であることを明かすのは得策ではない。
彼女を守る意味でも俺の部屋で寝起きするよう指示した。仕事は続けたいというので、これまで通り眼鏡着用、髪の染色を条件に許可した。
共に寝起きするようになっても、アリーチェは無欲なままだった。何も望まずただ従順に俺を受け入れる。抱くたびに俺は溺れていくというのに、アリーチェは何も変わらない。
俺を見る目は主人に服従する使用人の瞳のまま。優しく抱いても、激しく抱いても何も変わらない。どうしたらお前の目に俺が映るんだ?頭がおかしくなる程アリーチェに溺れる。
アリーチェ、お前が欲しくて堪らないんだ。何処にいる?他の男がお前に触れていないか?くそっ!気が狂いそうだ。
アリーチェは意外な場所で見付かった。ルドヴィカがかつて身を置いていた娼館だった。アリーチェの顔を見て驚いた女将が役所へ届け出ようとした所を俺の部下が見付け、安くない金を握らせ黙らせた。ここの女将は誰よりも金に忠実なのだ。
「アリーチェ!」
俺は娼館まで駆け付けアリーチェの姿を認めるなり抱き締めた。
「公爵様?何故ここへ?あ、まだ営業時間では……」
「お前を迎えに来たんだ!もう何処へも行くな、頼むから!」
「ですが公爵様、わたくしは解雇されたのでは?」
そうか、きっちりとした性格故かアリーチェは契約に逆らえない。ならば──
「再雇用だ。俺がお前を直接雇用する、妻として」
「妻……とは何をするのでしょう?」
「俺の側にいて俺のことだけ考えて、俺を第一に生きるんだ」
「公爵様、とても抽象的で分かり辛いです……」
不安そうに俺を見上げるアリーチェ。なんだ?まさかここで働く気だったのか?華やかに施された化粧に気付いて俺は眉を顰めた。それをアリーチェは盛大に誤解したようだ。
「申し訳ありません、わたくしのようなものがこのように装うなど身の程知らずでした……」
「……綺麗だ」
え、とアリーチェは顔を上げる。
「何度でも言ってやる、綺麗だアリーチェ」
初めてアリーチェの瞳に戸惑いが浮かんだ。ああ、そうか。俺は間違っていたんだな、最初から何もかも。
「これからは俺の言葉だけは疑うな。お前は綺麗だアリーチェ」
ふっと笑うとアリーチェの瞳から一筋涙が伝った。俺は吸い寄せられるようにそれを舌で舐め掬った。そしてそのまま紅い唇に口付けた。柔らかいアリーチェの唇に触れただけで俺の下肢は痛いほど昂ぶる。
俺はアリーチェの手を取ってそこに触れさせた。
「分かるか?俺がどれだけお前を欲しがっているか」
「申し訳ありません、またわたくしは公爵様のご不興を……」
「アリーチェ、不興でも仕置きでもない。愛おしいから俺はお前を抱くんだ」
「いいえ、いいえ、そんな筈はありません!わたくしのような女を好く男性など居るはずが──」
「ここに居る。俺の言葉を疑うなアリーチェ。お前が好きなんだ、堪らなく愛してる」
呆然とするアリーチェを見て、漸く心に触れられた気がした。あのクソ神父に凍らされた心を溶かすのはこの俺だ。
0
あなたにおすすめの小説
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
コワモテ軍人な旦那様は彼女にゾッコンなのです~新婚若奥様はいきなり大ピンチ~
二階堂まや♡電書「騎士団長との~」発売中
恋愛
政治家の令嬢イリーナは社交界の《白薔薇》と称される程の美貌を持ち、不自由無く華やかな生活を送っていた。
彼女は王立陸軍大尉ディートハルトに一目惚れするものの、国内で政治家と軍人は長年対立していた。加えて軍人は質実剛健を良しとしており、彼女の趣味嗜好とはまるで正反対であった。
そのためイリーナは華やかな生活を手放すことを決め、ディートハルトと無事に夫婦として結ばれる。
幸せな結婚生活を謳歌していたものの、ある日彼女は兄と弟から夜会に参加して欲しいと頼まれる。
そして夜会終了後、ディートハルトに華美な装いをしているところを見られてしまって……?
旦那様の愛が重い
おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。
毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。
他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。
甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。
本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。
【完結】無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない
ベル
恋愛
旦那様とは政略結婚。
公爵家の次期当主であった旦那様と、領地の経営が悪化し、没落寸前の伯爵令嬢だった私。
旦那様と結婚したおかげで私の家は安定し、今では昔よりも裕福な暮らしができるようになりました。
そんな私は旦那様に感謝しています。
無口で何を考えているか分かりにくい方ですが、とてもお優しい方なのです。
そんな二人の日常を書いてみました。
お読みいただき本当にありがとうございますm(_ _)m
無事完結しました!
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる