孤独な姫君に溺れるほどの愛を

ゆーかり

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デビューを一週間後に控え、ドレスや小物の最終チェックを侍女と共に行なっていたところ、エドから贈り物が届きました。

手紙の類は一切なく、シンプルな宝石箱に収まるネックレスだけが唐突に送られてきたのです。

「エドったらどういうつもりかしら?」

訝しみながらも箱を開けて、一瞬手が止まりました。だってネックレスのヘッドに収まるのは、透き通るような美しいペリドット──エドの瞳の色ではありませんか。

それがどういう意味を持つのか分からないほど子どもではありません。
でもエドは? もう3年も会っていない彼はどういうつもりでこれを送ってきたのでしょう?

彼のことなので深い意味はないのかもしれません。そもそもの意味すら知らないことだってあり得ます。

手紙もないのでエドの真意は分かりませんが、ここは敢えて深読みせず、成人の祝いとして素直に受け取ることにしました。

タイミング的にもデビューに合わせてのものでしょう。世界で一番大切な友人からの贈り物です。使わない理由が私にはありませんでした。

「当日はこれを着けるわ」

「まあ、ドレスに誂えたような素敵なネックレスですね」

侍女のレナが目を輝かせます。
ペリドットが際立つよう、品よくダイヤが散りばめられた豪奢なネックレス。エドのセンスの良さに、私は改めて感心するのでした。

「本当に……エドは遊学でセンスまで洗練されたようね」

「まあ、お嬢様ったら」

「エドには内緒よ?」

唇に人差し指を押し当てると、レナは困ったように笑いながら髪を梳いてくれました。

「殿下は帰国の途につかれているそうですね」

「ええ、本人からは全く何の便りもないのだけれど」

「手紙を書く時間も惜しむ程に急がれているのかもしれませんよ?」

「あら、どうして?」

「お嬢様のデビューに間に合わせるため、とか?」

まさか、と思いながらも、ペリドットのネックレスを見てあるいは、と思い直しました。

エドはいつかエスコートを、との約束を果たそうとしてくれているのでしょうか。忘れずにいてくれてるのなら嬉しいのですけれど。

早くエドに会いたいと思いました。この3年、彼を思わない日などありませんでした。
でも、隔てられた3年という月日は容易に飛び越えられるものなのでしょうか。互いに何も変わらない筈がありません。

そう考えた時、ふとエドに会うのが楽しみなような不安なような、複雑な思いに囚われたのでした。
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