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第1章 ゴブリンとして生きていく!
第7話 女神さま、神さま、何故黙っているのですか?
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森の中の大池の畔で、蔦草が、撓り蠢き、大きなカエルに巻き付き拘束をする。
其の拘束されたカエルを、槍とは違う婉曲した刃先の長柄の武器で切り付けるゴブリン。
其れを見守る木の杖を持ったゴブリンと、見窄らしい腰布一枚のゴブリン。
『関羽、ご苦労さま!』
『カン兄ちゃん、凄い!』
二人から労りと賞賛を受けた紅ら顔の関羽は、目礼で返答を返す。
現在、ナルさんと、私達のレベルアップの為に、カエルのモンスター【ブルンフロッグ】を乱獲していた。
何故、此の大池の周りで乱獲していたかと言うと、其れには理由がある。
何と、此のブルンフロッグは、ゲームのようにリポップ(再配置)されるのだ。
其れは、偶然だった。
ブルンフロッグを倒し、其の腿肉を炙って、三人で食べていた時。
私の脳裏に浮かぶ周辺地図に、赤い生物印が突然現れた。
其れも私の目視可能な処でも。
其れは、ゲームのように目に見える緑色の熒が球状に渦を巻きながら、生物の形を型取っていく。
やがて、其れは、見慣れたカエルの姿に為り、私達を敵と認識して襲い掛かって来た。
――――――
情報表示:▼
氏名:【ホオン・デイヒャン】
個体LV:【3】
備考:▼
年齢:【12歳】
種族:【フロッグ】
身分:【デイヒャンの戦士】▼
【デイヒャンの戦士】:デイヒャン族の戦士。
職業:【戦士】▼
【戦士】:近接で戦う者。
称号:【未設定】▼
才能:【格闘LV5】▼
【格闘LV5】:格闘術の戦闘スキル。
【肉体強化LV3】▼
【肉体強化LV3】:肉体を強化する魔法スキル。
説明:▼
【デイヒャン大池のデイヒャン族のブルンフロッグ。表皮が、青いゼリー状のフロッグ】
状態表示:▼
生命力:【35/35】
魔力 :【25/25】
精神力:【8/8】
持久力:【43/43】
満腹度:【100/100】
能力表示:▼
筋力 :【23】
耐久力 :【22】
知力 :【6】
敏捷 :【32】
器用 :【27】
魅力 :【32】
部隊編成表示:▽
――――――
其のブルンフロッグは、『グワッグワワワァ!』と鳴き声を挙げながら襲って来る。
只、私が脳裏の周辺地図から、此のブルンフロッグを意識して、其の声を理解しようとすると、『此処は、我らデイヒャンの縄張りだ! 立ち去れ!』と、聞こえる。
何とも、此れから、腿肉を食べる時に、食べ難くなるなと思いつつも、ブルンフロッグをアッサリと倒す私達だった。
問題は其処ではなく、確か三十分前にも同じ台詞を聞いた事だった。
ブルンフロッグを討伐しました! ナル・ガサラの個体レベルが上がりました!
システムメッセージが、戦闘終了とナルさんのレベルアップを告げる。
其のシステムメッセージのお知らせも、脳裏に浮かぶ情報記録から、文字として確認が出来る。
其の情報記録を遡ると、【ブルンフロッグを討伐しました!】の文字が在る。
其れの、ブルンフロッグの文字に意識を集中すると、其のブルンフロッグの情報が読み取れる。
今倒した目の前のブルンフロッグと同じ情報が、其処には在った。
名前も個体レベルも、何もかも同じ。
此れは一体、如何言う事だ?
同じ個体、……其処から導き出される答え。
株式投資の合間に、様々のソシャゲをしていた。
迷宮探索物のゲームでは、倒したモンスターが一定の時間後に再出現する。
此れをゲーム用語で、リポップと呼ぶそうだ。
ソシャゲ仲間の物知り君が、教えてくれたので間違いないだろう。
其れと同じ現象が、現在進行形で起きている。
つまり、此の世界は迷宮なのか?
ならば、私達が倒したデルモンキーの十二匹も復活している筈。
ふむ、だがそんな話は一向に聞かない。
此の大池に来る時にも、デルモンキー族と出会って話したが、そんな話は聞かなかった。
抑も、此の【アルグリア世界】が迷宮として、死んでも復活するのならば、ナルさんは私を『父ちゃん』とは呼ぶ筈もない。
導き出される答えは、此の大池の在る一定の範囲だけが、迷宮と言って良いのか、死んでもリポップする場所だと言う事だ。
勿論、私達が死んだら、其処でゲームオーバー(死亡確定)だろう。
情報記録を遡ると、私達は此のブルンフロッグを八回倒している。同じ個体を。チーン。
つまり、理由は不明だが、此の一帯のブルンフロッグは周回狩りしても、一定時間後に復活するので、森の生態系には無問題だと言う事だ。
『関羽、次の場所に移動だ! ナルさん、疲れていませんか? 大丈夫ですか?』
『父ちゃん、ナル、大丈夫だよ!』
私達は完璧なルーティンをこなしていた。
ブルンフロッグには数種類の職種が在って、舌と身体の打撃攻撃が主体の近接の職種である【戦士】と、口から水の塊を飛ばして遠距離攻撃する職種の【魔法師】が、此の大池の周りには多く生息している。
周辺地図には、大池の水の中に、【族長】の個体が確認出来るが、水中での戦闘は、今の私達には適さない。
基本、三十分で復活する【戦士】と、一時間で復活する【魔法師】を狩り続けている。
私の周辺地図からは、逃れられない。
女神さま、神さま、感謝しています!
こんなチートな能力を頂けたのに、クレームを言ってご免なさい。
どうか、許して下さい!
シーン、……
何て奥ゆかしい女神さまと、神さまなんだ!
私は感動に打ち震えていた。
確かに、異世界転生物の小説には無い分野(融合憑依?)なので、私も焦りましたが、流石は異世界ですね。
チートをアッサリと回収していくとは。
『マスター! マスター! 戻って来て下さい!』
『父ちゃん、父ちゃん! カン兄ちゃん、父ちゃんがまた、ぼ~っとしてるよ?』
そんな会話と、私を心配そうに見つめる二人のゴブリン。
円らな瞳で、私を見つめる古代中国の武将の装いの紅ら顔の関羽。
円らな瞳で、私に縋り付き、私を見上げる頭の上に花を咲かせたナルさん。
そして、其のナルさんの頭の上に咲いている花が、嘆息する。
しまった! またやってしまった!
いつもの悪い癖が出てしまったようですね、トホホ。
『申し訳ないですね。ぼ~っとしてしまいました』
謝る私に気にするなと目礼する関羽と、仕様が無いなと呆れるナルさん、そして、……
『カネヨシ、確りしてよ! たくっ!』
嘆息しながらも、確りと私に話し掛けて来る花、……
えっ? 貴方は、何処の何方さまでしょうか?
私が唖然としていると、きょとんとした顔の花が再度語り掛けて来る。
『如何したのよ、カネヨシ? もしかして、私の声が、私の喋っている意味が解るの?』
私は無言で、頭を勢いよく上下に振り続ける。
其れを見ていたナルさんが、叫ぶ。
『えええ~! 父ちゃん、リリーの声が聞こえるの?』
ふむ、此の花の名前はリリーって言うのですか、そうですか。
う、うん? リリーって、確かナルさんの一番の友達の名前だった筈?
――――――
情報表示:▼
氏名:【リリナルム】
個体LV:【10】
備考:▼
年齢:【0歳】
種族:【アルラウネ】
身分:【ナルの守護花】▼
【ナルの守護花】:ナルを守護する花。
職業:【守護花】▼
【守護花】:守護する花。
称号:【花の守護妖精】▼
【花の守護妖精】:自力で擬人化した守護花。守護スキルを使用可能。
才能:【花魔法LV2】▼
【花魔法LV2】:花を操る魔法スキル。
【守護LV1】▼
【守護LV1】:守るべき者を護る防御系魔法スキル。
説明:▼
【ナルの魔力と親和した花が、自力でアルラウネ化した突然変異種。】
状態表示:▼
生命力:【36/36】
魔力 :【28/28】
精神力:【31/31】
持久力:【3/3】
満腹度:【56/100】
能力表示:▼
筋力 :【3】
耐久力 :【12】
知力 :【58】
敏捷 :【2】
器用 :【37】
魅力 :【76】
部隊編成表示:▽
――――――
おっと、周辺地図から確認すると、確かにナルさんの青い点を確定すると、ナルさんと【リリナルム】さんの選択表示が表れた。
其のリリナルムさんの表示を確定させると、ステータスが表示される。
なるほど、【0】歳。生まれて間もないのでしょう。
ナルさんのお母さんが亡くなってから、塞ぎ込んだと聞きましたから、其の時から何でしょうか。
私がじぃ~っと、リリナルムさん、おっとリリーさんでしたね。リリーさんを見つめていると徐にリリーさんが胸を押えてこう言ったんですよ。
『カネヨシ、私の胸ばっかり見て、スケベ!』
な、な、何だと! 私がスケベだと?
『父ちゃん、胸ならナルのを見る? ほら?』
ナルさんが、ワンピースの服を捲り上げ、在るか無いか不明のものを私に見せてきます。
パンツが丸見えですよ、ナルさん、……
ええっと、此れは、案件事案になるのでしょうか? ねえ、女神さま、神さま?
シーン、……
黙っていないで、教えて下さいよ? ねえ、女神さま、神さま?
シーン、……
『私のも見ますか、マスター?』
ガーン、……
関羽まで、……私は一体如何言う風に、皆に思われているのか、非常に聞いてみたい衝動に駆られたのだった。
・
・
・
・
・
「カネヨシ、良いか? 常に考え続けろ、幾つもの道を用意しておけ!」
戦友達の一人が、私に教えてくれる。
如何したら生き残れるのか、如何したらシブトク、タフ(強い体力と不屈な精神力)で居られるのか。
戦友達は、私の教師であり、父であり、兄であり、全てだった。
“お前は生きろ! 生き残れ! 長生きしろよ!”
・
・
・
・
・
私の名前は、龍門兼慶。
戦友達の想いに、異世界でも必ず生き残ると誓ったゴブリンだ!
其の拘束されたカエルを、槍とは違う婉曲した刃先の長柄の武器で切り付けるゴブリン。
其れを見守る木の杖を持ったゴブリンと、見窄らしい腰布一枚のゴブリン。
『関羽、ご苦労さま!』
『カン兄ちゃん、凄い!』
二人から労りと賞賛を受けた紅ら顔の関羽は、目礼で返答を返す。
現在、ナルさんと、私達のレベルアップの為に、カエルのモンスター【ブルンフロッグ】を乱獲していた。
何故、此の大池の周りで乱獲していたかと言うと、其れには理由がある。
何と、此のブルンフロッグは、ゲームのようにリポップ(再配置)されるのだ。
其れは、偶然だった。
ブルンフロッグを倒し、其の腿肉を炙って、三人で食べていた時。
私の脳裏に浮かぶ周辺地図に、赤い生物印が突然現れた。
其れも私の目視可能な処でも。
其れは、ゲームのように目に見える緑色の熒が球状に渦を巻きながら、生物の形を型取っていく。
やがて、其れは、見慣れたカエルの姿に為り、私達を敵と認識して襲い掛かって来た。
――――――
情報表示:▼
氏名:【ホオン・デイヒャン】
個体LV:【3】
備考:▼
年齢:【12歳】
種族:【フロッグ】
身分:【デイヒャンの戦士】▼
【デイヒャンの戦士】:デイヒャン族の戦士。
職業:【戦士】▼
【戦士】:近接で戦う者。
称号:【未設定】▼
才能:【格闘LV5】▼
【格闘LV5】:格闘術の戦闘スキル。
【肉体強化LV3】▼
【肉体強化LV3】:肉体を強化する魔法スキル。
説明:▼
【デイヒャン大池のデイヒャン族のブルンフロッグ。表皮が、青いゼリー状のフロッグ】
状態表示:▼
生命力:【35/35】
魔力 :【25/25】
精神力:【8/8】
持久力:【43/43】
満腹度:【100/100】
能力表示:▼
筋力 :【23】
耐久力 :【22】
知力 :【6】
敏捷 :【32】
器用 :【27】
魅力 :【32】
部隊編成表示:▽
――――――
其のブルンフロッグは、『グワッグワワワァ!』と鳴き声を挙げながら襲って来る。
只、私が脳裏の周辺地図から、此のブルンフロッグを意識して、其の声を理解しようとすると、『此処は、我らデイヒャンの縄張りだ! 立ち去れ!』と、聞こえる。
何とも、此れから、腿肉を食べる時に、食べ難くなるなと思いつつも、ブルンフロッグをアッサリと倒す私達だった。
問題は其処ではなく、確か三十分前にも同じ台詞を聞いた事だった。
ブルンフロッグを討伐しました! ナル・ガサラの個体レベルが上がりました!
システムメッセージが、戦闘終了とナルさんのレベルアップを告げる。
其のシステムメッセージのお知らせも、脳裏に浮かぶ情報記録から、文字として確認が出来る。
其の情報記録を遡ると、【ブルンフロッグを討伐しました!】の文字が在る。
其れの、ブルンフロッグの文字に意識を集中すると、其のブルンフロッグの情報が読み取れる。
今倒した目の前のブルンフロッグと同じ情報が、其処には在った。
名前も個体レベルも、何もかも同じ。
此れは一体、如何言う事だ?
同じ個体、……其処から導き出される答え。
株式投資の合間に、様々のソシャゲをしていた。
迷宮探索物のゲームでは、倒したモンスターが一定の時間後に再出現する。
此れをゲーム用語で、リポップと呼ぶそうだ。
ソシャゲ仲間の物知り君が、教えてくれたので間違いないだろう。
其れと同じ現象が、現在進行形で起きている。
つまり、此の世界は迷宮なのか?
ならば、私達が倒したデルモンキーの十二匹も復活している筈。
ふむ、だがそんな話は一向に聞かない。
此の大池に来る時にも、デルモンキー族と出会って話したが、そんな話は聞かなかった。
抑も、此の【アルグリア世界】が迷宮として、死んでも復活するのならば、ナルさんは私を『父ちゃん』とは呼ぶ筈もない。
導き出される答えは、此の大池の在る一定の範囲だけが、迷宮と言って良いのか、死んでもリポップする場所だと言う事だ。
勿論、私達が死んだら、其処でゲームオーバー(死亡確定)だろう。
情報記録を遡ると、私達は此のブルンフロッグを八回倒している。同じ個体を。チーン。
つまり、理由は不明だが、此の一帯のブルンフロッグは周回狩りしても、一定時間後に復活するので、森の生態系には無問題だと言う事だ。
『関羽、次の場所に移動だ! ナルさん、疲れていませんか? 大丈夫ですか?』
『父ちゃん、ナル、大丈夫だよ!』
私達は完璧なルーティンをこなしていた。
ブルンフロッグには数種類の職種が在って、舌と身体の打撃攻撃が主体の近接の職種である【戦士】と、口から水の塊を飛ばして遠距離攻撃する職種の【魔法師】が、此の大池の周りには多く生息している。
周辺地図には、大池の水の中に、【族長】の個体が確認出来るが、水中での戦闘は、今の私達には適さない。
基本、三十分で復活する【戦士】と、一時間で復活する【魔法師】を狩り続けている。
私の周辺地図からは、逃れられない。
女神さま、神さま、感謝しています!
こんなチートな能力を頂けたのに、クレームを言ってご免なさい。
どうか、許して下さい!
シーン、……
何て奥ゆかしい女神さまと、神さまなんだ!
私は感動に打ち震えていた。
確かに、異世界転生物の小説には無い分野(融合憑依?)なので、私も焦りましたが、流石は異世界ですね。
チートをアッサリと回収していくとは。
『マスター! マスター! 戻って来て下さい!』
『父ちゃん、父ちゃん! カン兄ちゃん、父ちゃんがまた、ぼ~っとしてるよ?』
そんな会話と、私を心配そうに見つめる二人のゴブリン。
円らな瞳で、私を見つめる古代中国の武将の装いの紅ら顔の関羽。
円らな瞳で、私に縋り付き、私を見上げる頭の上に花を咲かせたナルさん。
そして、其のナルさんの頭の上に咲いている花が、嘆息する。
しまった! またやってしまった!
いつもの悪い癖が出てしまったようですね、トホホ。
『申し訳ないですね。ぼ~っとしてしまいました』
謝る私に気にするなと目礼する関羽と、仕様が無いなと呆れるナルさん、そして、……
『カネヨシ、確りしてよ! たくっ!』
嘆息しながらも、確りと私に話し掛けて来る花、……
えっ? 貴方は、何処の何方さまでしょうか?
私が唖然としていると、きょとんとした顔の花が再度語り掛けて来る。
『如何したのよ、カネヨシ? もしかして、私の声が、私の喋っている意味が解るの?』
私は無言で、頭を勢いよく上下に振り続ける。
其れを見ていたナルさんが、叫ぶ。
『えええ~! 父ちゃん、リリーの声が聞こえるの?』
ふむ、此の花の名前はリリーって言うのですか、そうですか。
う、うん? リリーって、確かナルさんの一番の友達の名前だった筈?
――――――
情報表示:▼
氏名:【リリナルム】
個体LV:【10】
備考:▼
年齢:【0歳】
種族:【アルラウネ】
身分:【ナルの守護花】▼
【ナルの守護花】:ナルを守護する花。
職業:【守護花】▼
【守護花】:守護する花。
称号:【花の守護妖精】▼
【花の守護妖精】:自力で擬人化した守護花。守護スキルを使用可能。
才能:【花魔法LV2】▼
【花魔法LV2】:花を操る魔法スキル。
【守護LV1】▼
【守護LV1】:守るべき者を護る防御系魔法スキル。
説明:▼
【ナルの魔力と親和した花が、自力でアルラウネ化した突然変異種。】
状態表示:▼
生命力:【36/36】
魔力 :【28/28】
精神力:【31/31】
持久力:【3/3】
満腹度:【56/100】
能力表示:▼
筋力 :【3】
耐久力 :【12】
知力 :【58】
敏捷 :【2】
器用 :【37】
魅力 :【76】
部隊編成表示:▽
――――――
おっと、周辺地図から確認すると、確かにナルさんの青い点を確定すると、ナルさんと【リリナルム】さんの選択表示が表れた。
其のリリナルムさんの表示を確定させると、ステータスが表示される。
なるほど、【0】歳。生まれて間もないのでしょう。
ナルさんのお母さんが亡くなってから、塞ぎ込んだと聞きましたから、其の時から何でしょうか。
私がじぃ~っと、リリナルムさん、おっとリリーさんでしたね。リリーさんを見つめていると徐にリリーさんが胸を押えてこう言ったんですよ。
『カネヨシ、私の胸ばっかり見て、スケベ!』
な、な、何だと! 私がスケベだと?
『父ちゃん、胸ならナルのを見る? ほら?』
ナルさんが、ワンピースの服を捲り上げ、在るか無いか不明のものを私に見せてきます。
パンツが丸見えですよ、ナルさん、……
ええっと、此れは、案件事案になるのでしょうか? ねえ、女神さま、神さま?
シーン、……
黙っていないで、教えて下さいよ? ねえ、女神さま、神さま?
シーン、……
『私のも見ますか、マスター?』
ガーン、……
関羽まで、……私は一体如何言う風に、皆に思われているのか、非常に聞いてみたい衝動に駆られたのだった。
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「カネヨシ、良いか? 常に考え続けろ、幾つもの道を用意しておけ!」
戦友達の一人が、私に教えてくれる。
如何したら生き残れるのか、如何したらシブトク、タフ(強い体力と不屈な精神力)で居られるのか。
戦友達は、私の教師であり、父であり、兄であり、全てだった。
“お前は生きろ! 生き残れ! 長生きしろよ!”
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私の名前は、龍門兼慶。
戦友達の想いに、異世界でも必ず生き残ると誓ったゴブリンだ!
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