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北陸と江戸と
⑤
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翌日。
伊達政宗は、松平忠輝に四国に向かうように話を仕向けた。
「……ということで、越前殿が九州に行くので、忠輝殿には四国に向かってもらいたい」
「何故にそれがしが四国なのです?」
「それはのう、越前殿には立花宗茂や井伊直孝らがついているからじゃ。叶うならば、わしも四国に行きたいのはあるが、領国を放置しておくわけにはいくまいからのう」
「左様でございますか」
「引き受けてもらえるか?」
「……やむをえませぬ」
「うむ、これで徳川家は安泰であろう」
同時に、伊達家の立場も安泰となる。忠直が九州、忠輝が四国を制したとなると、残りは毛利、前田と豊臣家となる。毛利を九州と四国から支配すれば、前田と豊臣は力押しでも勝てるだろうという見込みが立った。
(そうなれば、当主とはいえども家光には何も言えない。あとは松平忠直をどうするかだ)
更に翌日。
5人は供を連れて、駿府を出立し、江戸へと向かった。
既に江戸には直孝が早馬を出しており、家光やお江与にも方針を説明している。
「すぐに受け入れるかについては何とも言えませんが、忠勝からも説得させますので、何とかなるのではないかと」
直孝が自らの予測を説明する。
「いざとなれば、それがしが説得いたしますゆえ」
「のう、直孝」
忠直が話しかける。
「何でございましょう?」
「ついでに二つほど条件をつけていいか?」
「今更条件でございますか? 何でしょう?」
「まず一つ、豊臣…福島正則殿をつれて行きたいのだ」
「福島殿? しかし、福島殿は安芸・備後を奪われておりますので、九州まで行きたいとは思わないのではないでしょうか?」
「だからこそだ。福島殿は領地を失ってしまった。しかも、どちらかというと幕府側の失態によってだ」
「まあ、確かに……」
「福島殿の家臣がどうしているのかは分からぬが、福島殿に領地を得る機会を与えぬことには、更に不満が出てくるかもしれない」
「九州に領地を与えるということですか?」
「そうなるかもしれぬし、そうならないかもしれないが、とにかく連れて行きたい」
「分かりました。手配しましょう。もう一つは?」
「わしの片腕となるような人物を一人連れていきたい」
「片腕でございますか……」
直孝は困惑した。
「家光の旗本にも手柄を立てさせぬと、家光がわしらを疑うやもしれぬ」
「確かに……」
直孝にとっては、困るのは忠輝が活躍することであり、忠直が活躍する分についてはそれでもかまわないと思っていた。もっと言えば、直孝は薄々「越前様が天下を取ったとしても、それもまた良し」という思いも抱いている。従って、忠直が突出した活躍をしたとしても、それは全く構わないと思っている。しかし、途中で家光らの猜疑心が強くなり、江戸の中から「忠直を呼び戻せ」という声が上がる可能性はある。それを防ぐために家光派の人物を一人連れていくというのは悪くない考えであるとは思った。
(しかし、誰かいるかな……)
直孝は自分の記憶を頼りに、家光付きの有能な人物がいないか探ってみる。
「……一人、心当たりがおります」
「さすが直孝」
「越前様に褒められると気味が悪うございますな」
「おぬしの心が清くないからじゃ」
「何を言われますか……。まあ、とにかく打診してみますが、本人が嫌だというかもしれません」
「なら、三人くらい候補を用意してくれぬか」
「……面倒ですねぇ」
と言いつつも、他の候補もいないか考えてみる直孝であった。
7月の半ば、一行は江戸に着いた。
「それがし、先ず御台所様の意見を伺ってまいりまする」
早速、井伊直孝が登城し、お江与に面会を求めた。すぐに容れられ、その日のうちに直孝はお江与と会う。いつものようにお福もついていた。
「それがしの書状、お読みいただきましたか?」
「はい。忠直殿についてはやむをえぬでしょうが、忠輝殿は何とかならないでしょうか?」
「御台所様、それは中々難しくございます。越前様と上総介様は同格の立場、片方だけをというわけにはまいりません。もちろん、上総介様を据えずに済むのならそうしたいのですが、何と申しましても、今は徳川支配にとって一番大切な時でございます。つまらぬ意地で時間を費やしている間に、一国や二国を失う可能性すらございます」
「そうですか。そうですね……。池田ですら、徳川を離れたわけですし」
「はい。何卒、ここは辛抱を」
「忠直殿はどうなのでしょう? 徳川家のために尽くすつもりはあるのでしょうか」
直孝は一瞬答えに迷った。忠直が宗家のための忠誠を持ち合わせていないことは直孝自身よく理解している。それを話してしまうと、また余計な時間がかかる可能性があるが、といって、否定した後から忠直の考え方が判明した場合、直孝の責任問題に発展する可能性があった。
「御台所様、越前様には宗家から姫様が嫁いでおられるのですぞ。越前様が徳川宗家に牙を向くことなどございません」
「そうですか。それならばよろしいのですが…。後、井伊殿が触れていた忠長の件ですが、こちらは無理な相談でございます」
「左様でございますか」
「ここからは私に説明させていただきたく」
お福が進み出た。
「忠長様につきましては、上総介様も越前様も自分と同格と思っていることでしょう。仮に忠長様をお二人の上に置いた場合、二人と忠長様の間に反発が生じる可能性がございます」
「……そうですね。その通りでございました。忠長様の件につきましては、それがしの一存によるものでしたので、これはなかったことにしたいと思います。残りの件については承諾ということでよろしいでしょうか?」
「はい。妾も西を何とかしないといけないということは理解しております」
「ありがとうございます。あと、これは越前様からのご要望なのですが、できますれば三十郎を連れていきたいと」
「三十郎を?」
三十郎こと松平正永は家光の小姓の一人である。二〇歳であるが、非常に聡明なことで知られている。
「越前様が、自分と江戸の間を取り繋ぐ者が一人欲しいと申されておりまして。また、三十郎ならば九州でも活躍し、家光様のためにもなるかと思います」
「分かりました。三十郎は家光も頼りにしておりますが、越前殿との関係はより重要です」
「ありがとうございます。それでは、後ほど老中とも打ち合わせをいたしますが、明日、朝に二人を連れてまいりますので、越前様を九州郡代、上総介様を四国郡代に任命するようお願いいたします」
「分かりました」
お江与の承認を得ると、今度は老中のいる間に向かった。
ここでも、同じことを説明する。
「うーむ、しかし、このような重大事を我々に諮らずに決められてしまうのは…」
酒井忠世が不満を漏らす。
「確かに老中を通して決めるべきかとも思いましたが、これは江戸の埒外のことにございます。従いまして、実際に戦に向かうものだけで決めても問題がないと思います。実際に戦に向かわれたり、準備をしたりするのは越前様であり、上総介様であり、伊達家、立花家であるのですから」
直孝は老中たちを見回す。更に何か言われた場合、「文句があるなら、お前も四国か九州に行くか?」と言い返すつもりでいた。
「九州郡代と四国郡代というのは聞かぬ言葉だが…」
直孝の態度に、老中達は文句を言うことを諦めたらしい。
「はい。一般的に地方を監督する役目として九州探題や四国探題などがございますが、これは幕府が任命する役職でありますところ、まだ征夷大将軍を受けていない段階でこのような役目に任じた場合、朝廷の機嫌を損ねる可能性がございます。しかしながら、奉行などの言葉を使った場合、江戸の奉行と同格の響きがあり、これは越前様、上総介様に無礼にあたると思います。そこで、このような徳川家内の役職として、奉行より上で、実質的には探題にあたるようなものとして考えました」
「……承知した。確かに、西国をどうにかせぬことには徳川幕府自体未来がないからの」
「ありがとうございます」
老中の了解もとりつけ、直孝は意気揚々と四人の宿に戻ろうとしたが、松平正永のことを思い出し、慌てて小姓の部屋へと向かう。
「三十郎、おるか」
「こ、これは井伊様」
「三十郎。先ほど御台所様の了承を得た。そなた、明日より越前様とともに九州に向かうといい」
「九州に?」
「ああ、越前様の片腕として、存分にその腕ふるってこい」
「越前様の片腕!?」
正永の目が輝いた。元々、この正永、大きなことがしたいという理由で、松平正綱の養子として入った若者である。九州郡代の下につけられるというのは名誉この上ないことであり、当然大喜びすることであった。
「うむ、期待しているぞ」
しかし、喜んだのもつかの間、正永は何か考え出す。
「井伊様、もしものことがあった場合、松平家はどうなりますか?」
「うん? どういうことだ」
「はい。越前様の片腕というのは名誉このうえないことでございますが、万一しくじった場合に、義父にまで迷惑がかかることは避けとうございます」
「ふむ、なるほど。わしはそのようなことを気にせぬが、確かにそういう不安があるのは仕方ない。よし、正綱には説明して、別の者を嫡子とするように取り図ろう。お主は別家として心置きなく向かうがよい」
「ありがとうございます。それでは、私めの正の字も外さなければなりませんな」
(一々細かいのう)
とも思うが、松平正永の家は井伊家のような譜代大名筆頭ではなく、何かあった場合に簡単に消し飛ぶようなところである。実家であればともかく、正永は義父の好意で旗本の地位と松平の名前をいただいたのであるから、なるべく迷惑をかけたくないという心情も理解できた。
「それでは、それがし、本日より松平信綱と名乗ることといたします」
「そうか。まあ、好きにするがよい」
直孝にとってはあまり関係のないことであったが、正永あらため信綱と名乗った者は「わしはこれから信綱じゃ」と周囲の者にも聞こえるよう、力強く主張していた。
伊達政宗は、松平忠輝に四国に向かうように話を仕向けた。
「……ということで、越前殿が九州に行くので、忠輝殿には四国に向かってもらいたい」
「何故にそれがしが四国なのです?」
「それはのう、越前殿には立花宗茂や井伊直孝らがついているからじゃ。叶うならば、わしも四国に行きたいのはあるが、領国を放置しておくわけにはいくまいからのう」
「左様でございますか」
「引き受けてもらえるか?」
「……やむをえませぬ」
「うむ、これで徳川家は安泰であろう」
同時に、伊達家の立場も安泰となる。忠直が九州、忠輝が四国を制したとなると、残りは毛利、前田と豊臣家となる。毛利を九州と四国から支配すれば、前田と豊臣は力押しでも勝てるだろうという見込みが立った。
(そうなれば、当主とはいえども家光には何も言えない。あとは松平忠直をどうするかだ)
更に翌日。
5人は供を連れて、駿府を出立し、江戸へと向かった。
既に江戸には直孝が早馬を出しており、家光やお江与にも方針を説明している。
「すぐに受け入れるかについては何とも言えませんが、忠勝からも説得させますので、何とかなるのではないかと」
直孝が自らの予測を説明する。
「いざとなれば、それがしが説得いたしますゆえ」
「のう、直孝」
忠直が話しかける。
「何でございましょう?」
「ついでに二つほど条件をつけていいか?」
「今更条件でございますか? 何でしょう?」
「まず一つ、豊臣…福島正則殿をつれて行きたいのだ」
「福島殿? しかし、福島殿は安芸・備後を奪われておりますので、九州まで行きたいとは思わないのではないでしょうか?」
「だからこそだ。福島殿は領地を失ってしまった。しかも、どちらかというと幕府側の失態によってだ」
「まあ、確かに……」
「福島殿の家臣がどうしているのかは分からぬが、福島殿に領地を得る機会を与えぬことには、更に不満が出てくるかもしれない」
「九州に領地を与えるということですか?」
「そうなるかもしれぬし、そうならないかもしれないが、とにかく連れて行きたい」
「分かりました。手配しましょう。もう一つは?」
「わしの片腕となるような人物を一人連れていきたい」
「片腕でございますか……」
直孝は困惑した。
「家光の旗本にも手柄を立てさせぬと、家光がわしらを疑うやもしれぬ」
「確かに……」
直孝にとっては、困るのは忠輝が活躍することであり、忠直が活躍する分についてはそれでもかまわないと思っていた。もっと言えば、直孝は薄々「越前様が天下を取ったとしても、それもまた良し」という思いも抱いている。従って、忠直が突出した活躍をしたとしても、それは全く構わないと思っている。しかし、途中で家光らの猜疑心が強くなり、江戸の中から「忠直を呼び戻せ」という声が上がる可能性はある。それを防ぐために家光派の人物を一人連れていくというのは悪くない考えであるとは思った。
(しかし、誰かいるかな……)
直孝は自分の記憶を頼りに、家光付きの有能な人物がいないか探ってみる。
「……一人、心当たりがおります」
「さすが直孝」
「越前様に褒められると気味が悪うございますな」
「おぬしの心が清くないからじゃ」
「何を言われますか……。まあ、とにかく打診してみますが、本人が嫌だというかもしれません」
「なら、三人くらい候補を用意してくれぬか」
「……面倒ですねぇ」
と言いつつも、他の候補もいないか考えてみる直孝であった。
7月の半ば、一行は江戸に着いた。
「それがし、先ず御台所様の意見を伺ってまいりまする」
早速、井伊直孝が登城し、お江与に面会を求めた。すぐに容れられ、その日のうちに直孝はお江与と会う。いつものようにお福もついていた。
「それがしの書状、お読みいただきましたか?」
「はい。忠直殿についてはやむをえぬでしょうが、忠輝殿は何とかならないでしょうか?」
「御台所様、それは中々難しくございます。越前様と上総介様は同格の立場、片方だけをというわけにはまいりません。もちろん、上総介様を据えずに済むのならそうしたいのですが、何と申しましても、今は徳川支配にとって一番大切な時でございます。つまらぬ意地で時間を費やしている間に、一国や二国を失う可能性すらございます」
「そうですか。そうですね……。池田ですら、徳川を離れたわけですし」
「はい。何卒、ここは辛抱を」
「忠直殿はどうなのでしょう? 徳川家のために尽くすつもりはあるのでしょうか」
直孝は一瞬答えに迷った。忠直が宗家のための忠誠を持ち合わせていないことは直孝自身よく理解している。それを話してしまうと、また余計な時間がかかる可能性があるが、といって、否定した後から忠直の考え方が判明した場合、直孝の責任問題に発展する可能性があった。
「御台所様、越前様には宗家から姫様が嫁いでおられるのですぞ。越前様が徳川宗家に牙を向くことなどございません」
「そうですか。それならばよろしいのですが…。後、井伊殿が触れていた忠長の件ですが、こちらは無理な相談でございます」
「左様でございますか」
「ここからは私に説明させていただきたく」
お福が進み出た。
「忠長様につきましては、上総介様も越前様も自分と同格と思っていることでしょう。仮に忠長様をお二人の上に置いた場合、二人と忠長様の間に反発が生じる可能性がございます」
「……そうですね。その通りでございました。忠長様の件につきましては、それがしの一存によるものでしたので、これはなかったことにしたいと思います。残りの件については承諾ということでよろしいでしょうか?」
「はい。妾も西を何とかしないといけないということは理解しております」
「ありがとうございます。あと、これは越前様からのご要望なのですが、できますれば三十郎を連れていきたいと」
「三十郎を?」
三十郎こと松平正永は家光の小姓の一人である。二〇歳であるが、非常に聡明なことで知られている。
「越前様が、自分と江戸の間を取り繋ぐ者が一人欲しいと申されておりまして。また、三十郎ならば九州でも活躍し、家光様のためにもなるかと思います」
「分かりました。三十郎は家光も頼りにしておりますが、越前殿との関係はより重要です」
「ありがとうございます。それでは、後ほど老中とも打ち合わせをいたしますが、明日、朝に二人を連れてまいりますので、越前様を九州郡代、上総介様を四国郡代に任命するようお願いいたします」
「分かりました」
お江与の承認を得ると、今度は老中のいる間に向かった。
ここでも、同じことを説明する。
「うーむ、しかし、このような重大事を我々に諮らずに決められてしまうのは…」
酒井忠世が不満を漏らす。
「確かに老中を通して決めるべきかとも思いましたが、これは江戸の埒外のことにございます。従いまして、実際に戦に向かうものだけで決めても問題がないと思います。実際に戦に向かわれたり、準備をしたりするのは越前様であり、上総介様であり、伊達家、立花家であるのですから」
直孝は老中たちを見回す。更に何か言われた場合、「文句があるなら、お前も四国か九州に行くか?」と言い返すつもりでいた。
「九州郡代と四国郡代というのは聞かぬ言葉だが…」
直孝の態度に、老中達は文句を言うことを諦めたらしい。
「はい。一般的に地方を監督する役目として九州探題や四国探題などがございますが、これは幕府が任命する役職でありますところ、まだ征夷大将軍を受けていない段階でこのような役目に任じた場合、朝廷の機嫌を損ねる可能性がございます。しかしながら、奉行などの言葉を使った場合、江戸の奉行と同格の響きがあり、これは越前様、上総介様に無礼にあたると思います。そこで、このような徳川家内の役職として、奉行より上で、実質的には探題にあたるようなものとして考えました」
「……承知した。確かに、西国をどうにかせぬことには徳川幕府自体未来がないからの」
「ありがとうございます」
老中の了解もとりつけ、直孝は意気揚々と四人の宿に戻ろうとしたが、松平正永のことを思い出し、慌てて小姓の部屋へと向かう。
「三十郎、おるか」
「こ、これは井伊様」
「三十郎。先ほど御台所様の了承を得た。そなた、明日より越前様とともに九州に向かうといい」
「九州に?」
「ああ、越前様の片腕として、存分にその腕ふるってこい」
「越前様の片腕!?」
正永の目が輝いた。元々、この正永、大きなことがしたいという理由で、松平正綱の養子として入った若者である。九州郡代の下につけられるというのは名誉この上ないことであり、当然大喜びすることであった。
「うむ、期待しているぞ」
しかし、喜んだのもつかの間、正永は何か考え出す。
「井伊様、もしものことがあった場合、松平家はどうなりますか?」
「うん? どういうことだ」
「はい。越前様の片腕というのは名誉このうえないことでございますが、万一しくじった場合に、義父にまで迷惑がかかることは避けとうございます」
「ふむ、なるほど。わしはそのようなことを気にせぬが、確かにそういう不安があるのは仕方ない。よし、正綱には説明して、別の者を嫡子とするように取り図ろう。お主は別家として心置きなく向かうがよい」
「ありがとうございます。それでは、私めの正の字も外さなければなりませんな」
(一々細かいのう)
とも思うが、松平正永の家は井伊家のような譜代大名筆頭ではなく、何かあった場合に簡単に消し飛ぶようなところである。実家であればともかく、正永は義父の好意で旗本の地位と松平の名前をいただいたのであるから、なるべく迷惑をかけたくないという心情も理解できた。
「それでは、それがし、本日より松平信綱と名乗ることといたします」
「そうか。まあ、好きにするがよい」
直孝にとってはあまり関係のないことであったが、正永あらため信綱と名乗った者は「わしはこれから信綱じゃ」と周囲の者にも聞こえるよう、力強く主張していた。
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