摩天楼の君主(His Majesty of Manhattan)

H・カザーン

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第2章 中世 フランス

宮廷舞踏会

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「プリンセス・シャルロット、お父上からうかがった以上に、麗しい姫君だ」
 ギヨーム公太子の声は、シャルロットの心に深くしみとおっていった。
「父に……、会ったのですか?」
「もちろん。私は、フランス国王に選ばれた公太子プリンスです。あなたの夫となるために」

 ノルマンディーのカーンの街が一望できる丘の上の城で、舞踏会は滞りなく進行していた。
 大広間では、古式ゆかしい宮廷舞踊が始まったばかりだ。
 男女が交互に一列に並び、それぞれのパートナーがそれに向かい合う。対面した二列から、一人おきに真ん中に出て手をつなぎ、ステップを踏みながら位置を入れ替わっていく。相手とはほんの短い間で別れ、斜め向かいの男女とすぐに交代してしまう。
 だからシャルロットは、ギヨームの話をもっと聞きたかったのだが、パートナーが変わったので、続きはまた今度、彼が別の相手と踊ったあと戻ってくるまで待たねばならない。触れる部分は指と手のひらだけの、上品で慎ましやかな踊りなのは、相手の入れ替わりが頻繁なためだろうか。彼女は手を取る新しいパートナー、ギヨームの父に会釈した。

 ジェレミー・ダヴィード・ルイ・ジョゼフ・ド・ヴァロワ・ド・フランスが、娘の結婚相手を選ぶにあたって、その青年とすでに面識があることは、当然といえば当然である。だが政略結婚というのは、幼い頃に婚約の儀が結ばれることも珍しくない。だからシャルロットはてっきり、フランス王とノルマンディー公が、親同士で決めてしまったことだとばかり思っていた。
「私がパリ高等法院訪問にギヨームを伴った際に、陛下から面会を求められました。昨年のことです」
 エドワール二世はそれだけ言うと、続きは本人から聞いたほうがいいでしょうと長男を見やる。ちょうど良いタイミングでその「本人」がまたパートナーとして戻ってきた。会話を引き取るギヨームは、ノルマンディー公は交えず未来の義父と二人だけの会見だったとつけ加えた。
「最初はとても緊張しました。ですが、政治に関する質問にいくつか答えた後の陛下のご様子で、ふさわしい相手だと認めてもらえた感触はありました」

 ギヨームは観客が見守る中、優雅な所作でステップを踏み彼女をリードした。ひと目で鮮やかだとわかる腕前を持ち合わせていても、それを自慢することなくあくまでさりげなく、ただパートナーを心地よく楽しませる役に徹しながら。
 他の人たちも踊っているのに、貴族たちの目が追うのは、もちろん今夜のホストの嫡男、ギヨームと主賓(シャルロット)の姿だ。

 ――長い睫毛の男の人って、嫌いじゃないわ。

 シャルロットを甘やかに見下ろす濃いサファイアンブルーの瞳、笑みをたたえた口元からこぼれる深みのある声、金色の髪……、十八歳のギヨーム・エティエンヌ・ド・ノルマンディーは、王女の予想を上回るほどに、そして会話が弾むにつれてさらに魅力がこぼれてくるプリンスだ。
 これは政略結婚だ。確かにそのはずなのだ。だが父は、……彼女が憧れを寄せる人は、まるで彼自身の延長線上にあるような若者を、娘の配偶者に選んだのだ。

 高い天井からは幾つものシャンデリアが吊り下げられ、その光が大理石の床に、宝石を撒き散らしたように反射している。
 しかも今日は王女のために、三〇人もの宮廷管弦楽団(オーケストラ)のメンバーが揃えられた。アンボワーズ城の国王主催の新年舞踏会に勝るとも劣らぬ力の入れようだった。フランス国王の誇る王女を一目見ようとする貴族たちは、ここぞとばかりに着飾って心を躍らせていた。それでもシャルロットが身につけている、王室お抱えのデザイナー、ムッシュー・ラングロワによる洗練されたドレスの比ではない。彼女に嫉妬心を抱く女性はいなかったとしても、後で王女の侍女からクチュリエの名を聞き出そうと決意した夫人や令嬢たちは多かっただろう。
 シャルロットのドレスの裾は、スイートピーの花びらのようにひらひらと……、動きのあるドレープに縁取られている。
「これはこれは……さすがに王室の方は雅やかさが違いますわ」
「まさに、ルイ王ご自慢の王女さま。ギヨームさまも、それにふさわしく洗練されて……、お似合いですこと」
 二人の一挙一動にいたるまで、貴族たちは注目していた。けれど集められた視線なんて、公太子と王女がうちとける妨げには全くならなかった。音楽にぴったり合ったタイミングで、ギヨームは片手を胸の前で、弧を描きながら広げていく。

「それで父は、わたくしのことを何と……?」
「気になりますか?」
「それは……」
「そういえば……オルレアン公太子は、シャルロットさまを今までに会った中で、最も愛らしい王女だと言っていました」
「オルレアン?」
「ジャン=ピエール・グザビエ・ドルレアン。オルレアン公の嫡男です」
「なぜ、彼の話が出てくるのです?」
「もしかしたら、興味がおありかと思ったので」
「父よりもですか? まさか」
 シャルロットは「ふふふっ」と笑って、ギヨームを見上げた。
「まだほんの幼い頃です、ジャン=ピエールを慕っていたのは……、それはたぶん、わたくしがあまりに子供だったから」
 彼に夢中だったとは、間違ってもこの人に言ってはいけない。
「今は、憧れていないのですか?」
「もうずっと忘れていました、あの人のことは」

 年の離れたお兄さまとして慕っていたジャン=ピエールは、シャルロットが小さな子供だった頃、よくアンボワーズ城を訪ねてきて、彼女やポールと遊んでくれた。なのに、自分が嫁を迎えた後はほとんど顔を見せなくなった。
 幼過ぎたシャルロットの成長を待たずに、他の女性と結婚してしまった彼がいなくなって、しばらく淋しがっていた……。そんな王女をずっと見守ってくれたのは、父王だった。
 国王にとって最も愛おしい女の子を慰めるために、ルイ・ド・ヴァロワは、前より頻繁に馬で遠乗りに誘ってくれたり、大勢の見守る舞踏会でダンスのパートナーになってくれたりした。それは娘相手というより、まるで「特別な女性」を扱うような熱の入れようで、実の親子にしては親密すぎると思われるほどに……。それ以来シャルロットの前に、父を超えるだけの魅力を持つ男性は現れていない。
「とにかく、ギヨームさまが気にかけられるようなことではございません」
「どうやら、私のライバルは、彼ではなくて国王陛下のようですね」
 その言葉を聞いてシャルロットは、まるで思い人のことでからかわれたみたいに、頬を薔薇色に染めた。
 ――これは手強そうだな。ジャン=ピエール・ドルレアンより、ジェレミー・ルイ・ド・ヴァロワを超えることのほうが、ずっと難易度が高いのだが……。
 国王より優れた人間になる必要はないのだが、少なくともこの目の前にいる女の子にだけは、いずれルイ王より大切な男だと認めてもらわなくてはならない。

 舞踏曲の、終わりが近づいてくる。
「ちょっと、ステップに変化をつけましょう」
 ギヨームは回る時、上級者のためのスピンを入れた。回った後に、踵を浮かせたままに保つ高度なテクニックだ。彼はとても安定していてバランスが崩れないので、シャルロットのドレスの裾は、ふわりと美しく波打った。
 ――なんだかとても思いださせる、父上を。
 それくらい彼の踊り方は父に似ていた。曲が終わり、踊り終えたポーズを保ったまま互いにお辞儀をする二人には、会場から大きな拍手が沸き起こった。

「少し風に当たりませんか?」
 ギヨームにいざなわれてバルコニーへ向かった。
 外でも何組か招待客が踊っていたほど大きなテラスの眼下には、華麗なるカーンの街の夜景が広がっていた。暗がりの中、ぼんやりと灯った明かり……。人が集まっている広場だ。目を凝らせばあちこちに、大小さまざまな広場が見下ろせる。明かりに集う民たちは、彼女の訪問を歓迎して宴を開いているのだと公太子は教えてくれた。
 夜の水面みなもに月の光を揺らすオルヌ川の港に、背の高い帆船が何艘か止まっている。大砲が乗っているから、きっと軍艦に違いない。
 城の入り口には、ポルト・デ・シャンという名の重厚な門が、守りを固めている。門を通り抜ける空間は、馬車が何台も同時に行き来できるくらい大きいのだが、門棟の建物全体からすると、その入り口が小さく見えてしまうほど巨大な門(ポルト)だった。
「居館(パラス)はこのように優雅なのに、限りない力強さを感じさせるお城ですね」
「西欧で、最も大きな城だと言われています」
 そう答えながら、ギヨームはさらに一歩手すりに近づいた。
 ここへ来る時、馬車の中からシャルロットがずっと見上げていたカーン城の印象は、城(シャトー)というよりもむしろ「優美な要塞」だった。分厚い石垣が高くそびえ立つ壁、壁、壁の塊……。精巧に石を積み上げ敵兵が登りにくそうな構造で、四隅にある丸みを帯びた外殻塔は、とてつもなく大きい。幾つも並んだ攻撃用の窓は、外から射撃できない角度に設けられている。なのに、その壁の内側に迎え入れられたら、青々とした芝生がどこまでも広がり、貴婦人のように優雅な住居棟が建てられていたのだ。
「ほんの僅かな隙もない設計……、まさに美を極めたお城だわ」
 シャルロットは、うっとりとノコギリ型狭間――ツィンネの凹凸おうとつを眺めて、ため息をつく。幼い頃ツインネは、城壁を美しく縁取るレースのような飾りだと信じていた。それが、兵士がその陰に隠れて敵を攻撃するための機能だと知った時、彼女の目には凹凸がさらに美しく映ったものだ。

「さすが目のつけ所が違いますね、シャルロットさま」
 この城の優雅さよりも、守りの堅さに興味を持つ女性は珍しい。頼もしい婚約者だ、と自然に笑みがこぼれてくるギヨームだが、まさか王女がこの訪問に鎧を隠し持ってきているとは、想像もしなかっただろう。
「我がノルマンディーは古い歴史を持っています。ギヨーム二世は、今から五〇〇年近く前に、ノルマンディーの首都ルーアンではなく、カーンにこの城を築きました。彼はノルマンディーの君主だけにとどまらず、イングランドも制覇し、ウィリアム一世と呼ばれたイングランド王でもあります。それ以降ノルマンディー公国の君主は、イングランドの王も兼ねていた……。代が変わると内紛も起きましたが、混乱を経て今は、イングランド国王は叔父の兄が司っています」
 そこでギヨームは、5.5ヘクタールもある果てしなく広い城壁内を見渡す。
「実は敷地の広さは、歴史上いかにノルマンディーが大切な場所だったかを物語っている――考えようによっては、この国はフランスにとって、イングランドよりもずっと重要な場所だと言えるでしょう」
「ギヨーム二世の……、1066年のノルマン征服コンクエストですね。殿下と同じ名前の王さま……」
「ええ、彼がこの城を築いて以来、ここでは、どこの国の言葉が話されていたかご存知ですか?」

 シャルロットはその問いに、すぐには答えられなかった。
 なにしろ当時は、フランス王国もできたばかりの時代だ。987年にユーグ・カペーが王位を継承するまでは、フランスは西フランク王国という名で、王は神聖ローマ皇帝に頭が上がらないほどの権威の低さだった。昨今のように君主が強い力を持ち始めたのは、1453年に百年戦争が終わったあたりからだ。
 それに比べてノルマンディーはずっと、君主の権力基盤が強かったから、この城でノルマン語や英語が使われていたとしても何の不思議もない。
 彼女が黙っていたので、ギヨームは問いかけの答えを自ら明かした。
「……フランス語です。彼は英語でウィリアムと呼ばれるより、フランス語でギヨームと呼ばれることを好みました。この国の宗教を受け入れ、音楽や舞踏を愛し、この城にフランス様式を取り入れたのです。そして……」
 そこで公太子は、しばし夜の空を見上げる。
「……私もルイ・ド・ヴァロワ陛下を尊敬し、フランスを愛しています」
 ギヨームの神聖な誓いにも似た言葉は、彼がシャルロットを気に入ったというあかしだった。 この時、もし彼女が政治に疎いお姫さまだったら、この頭が良くて見目麗しいプリンスに好感を持たれ、ただひたすら嬉しい気持ちに満たされただけだろう。
 だがシャルロットは、幼い頃から父に政治を教わってきた。正確にいえば、フランス国王が、彼女と王太子ポールに実地教育を施してきたのだが。だからこそ彼女には、懸念が生じてしまうのだ。悪戯いたずらっぽく彼に笑いかけながらも、心の片隅にしまっておけないでつい頭をもたげてくる……。

「ありがたきお言葉に、嘘偽りがないのは存じています。だって、わたくしもフランスを尊敬していますから。でも……」

 この人はどんな風に応じるのだろうと、それが聴きたくてたまらないから……。

「……でも、こんなことを申し上げたら、素直じゃない王女だと思われてしまうかもしれませんが……。ギヨーム二世陛下は、ただ単にフランスの文化を受け入れられたのではなく、ある意味、『敵を知って打ち勝つ』という戦略があったのでは?」
「ふふふ、頭のいい王女さまだ。たぶん、おっしゃる通りでしょう。けれど、私があなたの国と国王を敬愛すると言ったのは、彼のようにフランスを狙っているからではありません。純粋な憧れです」
「はい、それはわたくしも確かに信頼しております」

「では、違う言い方をしましょう。たとえばもし争いが起こって、あなたがフランスとイングランドの狭間はざまに立たねばならないような状況になっても……、そして私はイングランド寄りにつかねばならなくなったとしても、自分は堂々と、初めからそういうことが起きると宣言してからあなたを裏切る……と申し上げたら、私を信じていただけますか?」
「まあ、いったい何という……!」
 シャルロットの表情は、一瞬の驚きののち愛らしい笑みに変わった。
「……いさぎよいお言葉」
 一目見るまでは、心置きなく話せる人なのかどうかわからなかったが、どうやら彼は、裏表のある男性ではないようだ。

「ギヨーム、またずいぶん公然と、フランスへの熱い思いを口にしてくれたものだね」
 予期せぬ声に思わず振り向くギヨーム……。そこに浮かんだ意外そうな表情を見てシャルロットも顔を曇らせた。
叔父上おじうえ!!」
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