23 / 39
明るみを帯びて
22、クエスト
しおりを挟む
「さて、おそらく彼女達は戦うだろうさ。
この街を取り戻しに。必ずくる。」
それを分かりきったように言うがそれはそうだろう。元々は彼女らの街なのだから。自分達の街を盗られて取り戻しに来ない人などいないのである。それをわかっているからこそのその態度であった。
この街を奪い取った海賊船長『稚空』彼には欠点がある。それは情報を手に入れられる立場にいたのにその情報を信じなかった。この街の噂、天使がこの街には居ること、魔王と繋がっていることを頭の隅にでも残しておけばなにか変わったのかもしれない。しかし、もう遅い。彼は不安要素を切り捨てて動いてしまった。そんな馬鹿な話はないだろうと、そう思い切ってしまった。それが彼の欠点である。否、間違いである。
「だが手に入れた街をみすみす返してなるなんてことは無い。東西は俺の二神が護っている。彼女達は北から来るだろう。黒達を北へ。南に本拠点を置こう。」
思い切った態度だ。北に逃がしていたため、そちらに彼女達もいることは間違いない。
南側に行くためには東西どちらかを回らなければらない。それだと間違いなく二神に見つかるのである。海を渡るルートもあるにはあるが北側は崖である。船を寄せることなど出来ないのである。そのため絶対と言っていいほどに北側から来ると思い込んでいた。しかし、現実はそこまで甘くはない。
魔王と手を組んでいるとの情報を考えておいていれば、天使は居ると少しでも覚えていれば・・・・また戦局は変わったのかも知れない。魔王家臣、四将星が一体、京終澪。この獣人の存在があるのだ。彼女は空間を繋げる能力を持つ。それを知っていれば南側に本拠点を置くなどとは思わなかったであろう。稚空はこの策が間違いではないと信じきっていた・・・・。
町外れの野原。『作戦会議』
「稚空は俺達に任せてはくれないだろうか・・・?」
そう問うのは茶ふぃである。その後ろにはアフロ侍、蕃茄夏希、の三人が続く。彼らは元々稚空とパーティを組んでいた。だから彼らの手で彼を止めたいと思っていたのである。
「別に私たちは構わない。でも、敗北濃厚だと見たら私たちがやります。それでも大丈夫なら構わないよ。」
魔王が彼らを試すように威圧しながら言う。それでも彼らの意思は固いようだった。
「それだけ貰えれば構わない。」
満足そうに頷くと彼らは下がって行った。
それからも作戦会議は続けられた。
「やはりまずは情報が欲しい。この街が黒に覆い尽くされてからでは意味が無い。それまでに街を取り戻さないと行けない。という訳で、No.2、小狼、らいくん。三人が街の屋根などをつたって街の情報を集めて欲しい。できるだけ戦闘は避けてね。」
「「「了解!」」」
すぐさま街へと走る三人。それを尻目に会議は続く。
「おそらく相手は南側に陣を取るだろう。こちらの戦力がわかっているのなら、店の地下にでも居るだろうが堂々と出てきているのがこちらの戦力、能力が分かっていない証拠だ。だから、澪さんの能力を使い、南側に本班を置く。北側から攻める班は囮だ。」
彼らは頷く。それから一刻の時が過ぎて、三人が帰ってきた。
「やはり、南側に本拠点を置いているね。
北側には数万の黒が居たよ。」
「西側には白虎が居た。大通りに続くサイドストリートの噴水広場を徘徊しているのを見た。」
「東にはおそらく青龍がいるよ。青い何かが徘徊しているのを見た。白虎と違うのは姿をはっきりと見れなかったことだね。」
三人が見たものについての情報を聞くと本好は考え込む。
「となると、西の白虎には俺と、相方、あとはセイラさんと小狼さんが、東側には澪さん、さくまさん、ねぐせさん、No.2こと狐谷さんが、真ん中はらいさん、りくさんが、
で南側には茶ふぃさん、アフロさん、蕃茄さん、森海さん、名過さん。で、遊撃に紫蘭さんとまこさん。これで行きましょう。ほかの冒険者さん達はエトさんと住民を守ってもらいます。作戦は明日の明朝です。」
そう締めくくると、本好は街を見た。
それにつられて集まっていた全員が街を見る。黒き何かが渦巻くドロっとした街。昨日までは活気が溢れ、笑い声の絶えなかった街。それを取り戻すために現在最強の軍団が英気を養う。
空が明るみだし、白くなる頃、街外れの野原には彼らが集まっていた。
「これから作戦を開始します。皆さん準備はよろしいでしょうか?」
帰って来るのは強い眼差しと頷き。
「怖いでしょう。俺も怖いです。しかしそれよりも街が帰ってこない方が、あの日常が帰ってこない方が怖い。俺達では太刀打ちできない敵もいるかも知れません。しかしそれは一人だった時です。私たちの横には味方が、頼もしい味方が居るのです。支え、守り、戦い、私達の街を取り戻しましょう!これが最後の『クエスト』です!」
本好がそう街に向かって叫ぶ。帰って来るのは無数の咆哮。それと闘志だった。最後の
『クエスト』が始まる。
この街を取り戻しに。必ずくる。」
それを分かりきったように言うがそれはそうだろう。元々は彼女らの街なのだから。自分達の街を盗られて取り戻しに来ない人などいないのである。それをわかっているからこそのその態度であった。
この街を奪い取った海賊船長『稚空』彼には欠点がある。それは情報を手に入れられる立場にいたのにその情報を信じなかった。この街の噂、天使がこの街には居ること、魔王と繋がっていることを頭の隅にでも残しておけばなにか変わったのかもしれない。しかし、もう遅い。彼は不安要素を切り捨てて動いてしまった。そんな馬鹿な話はないだろうと、そう思い切ってしまった。それが彼の欠点である。否、間違いである。
「だが手に入れた街をみすみす返してなるなんてことは無い。東西は俺の二神が護っている。彼女達は北から来るだろう。黒達を北へ。南に本拠点を置こう。」
思い切った態度だ。北に逃がしていたため、そちらに彼女達もいることは間違いない。
南側に行くためには東西どちらかを回らなければらない。それだと間違いなく二神に見つかるのである。海を渡るルートもあるにはあるが北側は崖である。船を寄せることなど出来ないのである。そのため絶対と言っていいほどに北側から来ると思い込んでいた。しかし、現実はそこまで甘くはない。
魔王と手を組んでいるとの情報を考えておいていれば、天使は居ると少しでも覚えていれば・・・・また戦局は変わったのかも知れない。魔王家臣、四将星が一体、京終澪。この獣人の存在があるのだ。彼女は空間を繋げる能力を持つ。それを知っていれば南側に本拠点を置くなどとは思わなかったであろう。稚空はこの策が間違いではないと信じきっていた・・・・。
町外れの野原。『作戦会議』
「稚空は俺達に任せてはくれないだろうか・・・?」
そう問うのは茶ふぃである。その後ろにはアフロ侍、蕃茄夏希、の三人が続く。彼らは元々稚空とパーティを組んでいた。だから彼らの手で彼を止めたいと思っていたのである。
「別に私たちは構わない。でも、敗北濃厚だと見たら私たちがやります。それでも大丈夫なら構わないよ。」
魔王が彼らを試すように威圧しながら言う。それでも彼らの意思は固いようだった。
「それだけ貰えれば構わない。」
満足そうに頷くと彼らは下がって行った。
それからも作戦会議は続けられた。
「やはりまずは情報が欲しい。この街が黒に覆い尽くされてからでは意味が無い。それまでに街を取り戻さないと行けない。という訳で、No.2、小狼、らいくん。三人が街の屋根などをつたって街の情報を集めて欲しい。できるだけ戦闘は避けてね。」
「「「了解!」」」
すぐさま街へと走る三人。それを尻目に会議は続く。
「おそらく相手は南側に陣を取るだろう。こちらの戦力がわかっているのなら、店の地下にでも居るだろうが堂々と出てきているのがこちらの戦力、能力が分かっていない証拠だ。だから、澪さんの能力を使い、南側に本班を置く。北側から攻める班は囮だ。」
彼らは頷く。それから一刻の時が過ぎて、三人が帰ってきた。
「やはり、南側に本拠点を置いているね。
北側には数万の黒が居たよ。」
「西側には白虎が居た。大通りに続くサイドストリートの噴水広場を徘徊しているのを見た。」
「東にはおそらく青龍がいるよ。青い何かが徘徊しているのを見た。白虎と違うのは姿をはっきりと見れなかったことだね。」
三人が見たものについての情報を聞くと本好は考え込む。
「となると、西の白虎には俺と、相方、あとはセイラさんと小狼さんが、東側には澪さん、さくまさん、ねぐせさん、No.2こと狐谷さんが、真ん中はらいさん、りくさんが、
で南側には茶ふぃさん、アフロさん、蕃茄さん、森海さん、名過さん。で、遊撃に紫蘭さんとまこさん。これで行きましょう。ほかの冒険者さん達はエトさんと住民を守ってもらいます。作戦は明日の明朝です。」
そう締めくくると、本好は街を見た。
それにつられて集まっていた全員が街を見る。黒き何かが渦巻くドロっとした街。昨日までは活気が溢れ、笑い声の絶えなかった街。それを取り戻すために現在最強の軍団が英気を養う。
空が明るみだし、白くなる頃、街外れの野原には彼らが集まっていた。
「これから作戦を開始します。皆さん準備はよろしいでしょうか?」
帰って来るのは強い眼差しと頷き。
「怖いでしょう。俺も怖いです。しかしそれよりも街が帰ってこない方が、あの日常が帰ってこない方が怖い。俺達では太刀打ちできない敵もいるかも知れません。しかしそれは一人だった時です。私たちの横には味方が、頼もしい味方が居るのです。支え、守り、戦い、私達の街を取り戻しましょう!これが最後の『クエスト』です!」
本好がそう街に向かって叫ぶ。帰って来るのは無数の咆哮。それと闘志だった。最後の
『クエスト』が始まる。
0
あなたにおすすめの小説
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる