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明るみを帯びて
29、明朝之太刀
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初めて見せた居合。それは刀が鞘に引っかかり、それを強引に抜き出すことにより出るブースター。それを神速の太刀で放った。無論、そんなこと考えてもいなかった傲慢は狙われた首を後ろに引き、首を切られないようにすることで精一杯だった。らいが放ちきった後、傲慢の首から鮮血が飛ぶ。
「ぐっ・・・・」
「まだだ・・・・俺はもっと強くなれる・・・・!これだけだけじゃねぇ・・・・!まだ俺は強くなれる。」
恐ろしいという目をした傲慢とは対照的にらいの目はもっと欲しい。もっと強さを求めた、獣のような目をしていた。
「あぁ!面白い!そんなこともできるのか君は・・・・面白い・・・面白いよ・・・らいくん・・・・!」
それは何を見ているのだろうか、何を見据えているのだろうか?それは虚空を見つめながららいの名を口にする。そして恍惚の表情をする。
「らい・・・だと・・・?お前は何を・・・ぐっ・・見ている・・・」
それは一人ではなかった。そこには数人が横たわっていた。横たわっていた一人がそう吐き捨てる。それを見たそれはまた表情を恍惚のものとする。
「ここ数年。俺は虚無に囚われていた。目標のためなら心も消した方が良いとそう思ったからだ。だから今日まで淡々とこなしてきた。もちろん感情を出さなければならないところは出したさ。でもこんな!心の底から感情をさらけ出せるのはいつぶりだろうか?俺は今気分が良い!だからお前らのようなゴミ共にも教えてやろう。俺の能力は黒を生み出すことが出来る。そして、生み出した黒の視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚を初めとした五感、やろうと思えば身体を操ることだってできる。そして俺は今観ているのさ!俺の産んだ黒の目を通して彼を!あぁ感情が高ぶる。あぁ俺は早くらいくん!君と戦いたい!どんな戦いをしてくれるのだろう?さっさとその黒を倒してきてくれないと!」
それは恍惚の表情を崩さない。ずっとそこに何かが見えているように・・・・ずっとそこに誰かがいるように・・・。
「面白い。明朝之居合と言ったか?面白い!それで来い!俺はそれを打ち砕く・・・!」
それは傲慢自身の傲慢だった。傲慢の罪が傲慢を、自分の傲慢を賭けて勝負に来た。それを打ち砕かねば、買ったと言えるのだろうか?それで勝って、胸を張れるのだろうか?否、そんなところでつまづいていたら、きっと俺はあいつには勝てないだろう。だからこそ・・・全力で行く!
「良いだろう。信長、力を貸せ。俺はまだお前の力を引き出せていない。だから俺の身体はお前のものだ。意識だけ寄越せ。」
『なんたる傲慢!何たる条件!我に向ける言葉ではない!しかし、面白い。』
空気が変わった・・・・。それは傲慢の直感だった。全くもって何も変わっていないはずなのだ。倒すべき相手も、自分も、周りも、しかしその目の前に立つそれは今先程までのらいではない気がしてたまらなかった。何かが違う。中身が変わったように。しかしやることは変わらない、来る技はわかっているのだ。負けるはずがない。見切っているのだから、次はそれを打ち砕き、完璧な勝利をする。そう傲慢はそう思っていた。
「ふぅ・・・」
短く息を吐く。身体だけは信長のものにしているためどのタイミングで切りに行くのかも全て信長任せである。しかし前回のように荒れ狂うことは無い。意識だけはらいである。そこだけを渡さなければそれは暴走することは無い。そして、信長が構えを取る。先程らいがしたような体勢を低くして、刀を納刀する構えでは無い。刀を、持ち手を上にして顔近くで納刀する。そして信長は体勢は低く、納刀した刀を上に向けたまま持ち手を握る。それは紫伝一刀流の構えの一つ《終ついの構え》と言う。それは龍脈から体に一番力を与えてくれる構えである。しかし見よう見まねでできるようなものでは無い。類稀なセンスと血のにじむような修行、そして龍脈を掴むことが分からないといけない。そしてそれを使えるのは信長たった一人である。
「紫伝一刀流・・・終之構、最初の太刀いや、最初の太刀・・・」
覇気が周りを包み込む。それは信長の周りを渦巻くように、そして信長は唱える。
『明朝之太刀!』
勝負は一瞬だった。唱え終わった瞬間、傲慢が全てのプライドをかけて、刀を折りに来た。それを分かっていたのかは定かではないが、『嵐死神刀』は水を切った時のように、なんの手応えもないように傲慢の身体を真っ二つにした。
「ぐっ・・・・」
「まだだ・・・・俺はもっと強くなれる・・・・!これだけだけじゃねぇ・・・・!まだ俺は強くなれる。」
恐ろしいという目をした傲慢とは対照的にらいの目はもっと欲しい。もっと強さを求めた、獣のような目をしていた。
「あぁ!面白い!そんなこともできるのか君は・・・・面白い・・・面白いよ・・・らいくん・・・・!」
それは何を見ているのだろうか、何を見据えているのだろうか?それは虚空を見つめながららいの名を口にする。そして恍惚の表情をする。
「らい・・・だと・・・?お前は何を・・・ぐっ・・見ている・・・」
それは一人ではなかった。そこには数人が横たわっていた。横たわっていた一人がそう吐き捨てる。それを見たそれはまた表情を恍惚のものとする。
「ここ数年。俺は虚無に囚われていた。目標のためなら心も消した方が良いとそう思ったからだ。だから今日まで淡々とこなしてきた。もちろん感情を出さなければならないところは出したさ。でもこんな!心の底から感情をさらけ出せるのはいつぶりだろうか?俺は今気分が良い!だからお前らのようなゴミ共にも教えてやろう。俺の能力は黒を生み出すことが出来る。そして、生み出した黒の視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚を初めとした五感、やろうと思えば身体を操ることだってできる。そして俺は今観ているのさ!俺の産んだ黒の目を通して彼を!あぁ感情が高ぶる。あぁ俺は早くらいくん!君と戦いたい!どんな戦いをしてくれるのだろう?さっさとその黒を倒してきてくれないと!」
それは恍惚の表情を崩さない。ずっとそこに何かが見えているように・・・・ずっとそこに誰かがいるように・・・。
「面白い。明朝之居合と言ったか?面白い!それで来い!俺はそれを打ち砕く・・・!」
それは傲慢自身の傲慢だった。傲慢の罪が傲慢を、自分の傲慢を賭けて勝負に来た。それを打ち砕かねば、買ったと言えるのだろうか?それで勝って、胸を張れるのだろうか?否、そんなところでつまづいていたら、きっと俺はあいつには勝てないだろう。だからこそ・・・全力で行く!
「良いだろう。信長、力を貸せ。俺はまだお前の力を引き出せていない。だから俺の身体はお前のものだ。意識だけ寄越せ。」
『なんたる傲慢!何たる条件!我に向ける言葉ではない!しかし、面白い。』
空気が変わった・・・・。それは傲慢の直感だった。全くもって何も変わっていないはずなのだ。倒すべき相手も、自分も、周りも、しかしその目の前に立つそれは今先程までのらいではない気がしてたまらなかった。何かが違う。中身が変わったように。しかしやることは変わらない、来る技はわかっているのだ。負けるはずがない。見切っているのだから、次はそれを打ち砕き、完璧な勝利をする。そう傲慢はそう思っていた。
「ふぅ・・・」
短く息を吐く。身体だけは信長のものにしているためどのタイミングで切りに行くのかも全て信長任せである。しかし前回のように荒れ狂うことは無い。意識だけはらいである。そこだけを渡さなければそれは暴走することは無い。そして、信長が構えを取る。先程らいがしたような体勢を低くして、刀を納刀する構えでは無い。刀を、持ち手を上にして顔近くで納刀する。そして信長は体勢は低く、納刀した刀を上に向けたまま持ち手を握る。それは紫伝一刀流の構えの一つ《終ついの構え》と言う。それは龍脈から体に一番力を与えてくれる構えである。しかし見よう見まねでできるようなものでは無い。類稀なセンスと血のにじむような修行、そして龍脈を掴むことが分からないといけない。そしてそれを使えるのは信長たった一人である。
「紫伝一刀流・・・終之構、最初の太刀いや、最初の太刀・・・」
覇気が周りを包み込む。それは信長の周りを渦巻くように、そして信長は唱える。
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勝負は一瞬だった。唱え終わった瞬間、傲慢が全てのプライドをかけて、刀を折りに来た。それを分かっていたのかは定かではないが、『嵐死神刀』は水を切った時のように、なんの手応えもないように傲慢の身体を真っ二つにした。
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