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会議室には、長テーブルが十五脚ほど並べら、一つのテーブルにパイプ椅子が四つ置かれていた。前の方には暴対課の課員たちがすでにすわっていた。その後ろに、追加の者たちがすわるしかなかった。俺は相内と一緒に真後ろのテーブルにすわった。俺たちの前にすわっていたのは、総務課から目黒と高野、交通安全課から市川と後藤がすわっていた。
真正面には署長の青山進一と暴対課長の三浦静雄がパイプ椅子に腰をかけていた。
暴対課長の三浦静雄は石川進の後任であった。きたばかりの三浦は、思わぬ事態に実績を上げる絶好の機会だと考えていたのだ。
会議室の前方に置かれたパイプ椅子にすわっていた三浦は立ちあがり、その場で声をあげた。
「それでは、雨野辰夫警護のための打ち合わせ会議を開始いたします。それでは、最初に署長からご挨拶をお願いいたします」
青山署長は、パイプ椅子から立ってきて、演壇を前にした。
「大沢市には雨野辰夫が市民の一人として現在暮らしている。だが、元々は山城組の組長をしていた者だ。彼を組長に復帰させることが抗争を終わらせる状況になっている。山城一門会からの使者が雨野辰夫の了解をえるために訪ねてくる。その使者が来るのが六月二十五日だと決まったそうだ。だが、敵対する十連会がこのまま黙っているとは思われない。雨野の殺害も考えられる。そんな事態が起きれば、ここに住む市民を巻き込むことになる。それらを阻止できるのは、私たち警察だ。特にカモメ診療所がある大沢市の大友警察署は、その任にあたらなければならない」
言うべきことは言ったと思ったのか、青山署長は何度も頷きながら演壇を離れ、自席に戻っていった。ふたたび、三浦課長が立ち上がって、俺たちの方に顔を向けた。
「それでは、私の方から、どのようにして、カモメ診療所のある街を守っていくか、話をさせてもらう」
すると、暴対課の者が手をあげた。
「はい、小牧係長」
「雨野辰夫の所にふたたび組長を頼みにくる使者は誰なんですか?」
課長と係長でまだしっくりいっていないようだ。
「それは、わからない。山城一門会も公表はしていない。それをすれば、すぐに十連会が狙って殺してしまう。それをさせないために明らかにしていない」
「じゃ、使者を守ることはできない」
「ともかく、私たちは雨野辰夫を守ることが役割だと思われます。雨野は常にカモメ診療所にいてもらいます。いや、出てこないでもらいたい。そうすれば、外部から入り込まないと雨野を殺害することができなくなる。我々はカモメ診療所の前に隊列を組んで誰も入り込めないように警護を行います」
「出入口は、いくつあるんですか?」と、総務課の高野が手をあげて聞いた。
すぐに暴対課員たちが立ってきて白板に図面をはり出した。はり終ったのを見ると、課長は指示棒を手に話し出した。
「カモメ診療所に出入りできるのは、四か所。表通りに面して二か所。患者のための出入り口、それと救急車などの車両が入り込めるゲート、さらに建物の裏に作られている病院関係者が出入りし、また購入物品などを運び込むための出入口。裏口ですね。もう一つはゴミなどを排出するための出入口です」
「それらすべての出入口に監視する者たちをたたせるのですか?」と、総務課の高野が不安げに聞いていた。
「表通りにある出入口以外にも、二人は警備に立たせるつもりです。それに、うちの課員を本庁に行かせて、すでに指導を受けて来ております。ですから、暴対課以外の参加者はカモメ診療所内の警護をしてもらえばいいと思っております」
その話を聞いて、高野を始め暴対課以外の者は安堵の色を顔に浮かべた。相棒もほっとしたのか、笑っていた、だが、俺は反対に眉をひそめた。そう簡単にすむとは思えなかったからだ。
真正面には署長の青山進一と暴対課長の三浦静雄がパイプ椅子に腰をかけていた。
暴対課長の三浦静雄は石川進の後任であった。きたばかりの三浦は、思わぬ事態に実績を上げる絶好の機会だと考えていたのだ。
会議室の前方に置かれたパイプ椅子にすわっていた三浦は立ちあがり、その場で声をあげた。
「それでは、雨野辰夫警護のための打ち合わせ会議を開始いたします。それでは、最初に署長からご挨拶をお願いいたします」
青山署長は、パイプ椅子から立ってきて、演壇を前にした。
「大沢市には雨野辰夫が市民の一人として現在暮らしている。だが、元々は山城組の組長をしていた者だ。彼を組長に復帰させることが抗争を終わらせる状況になっている。山城一門会からの使者が雨野辰夫の了解をえるために訪ねてくる。その使者が来るのが六月二十五日だと決まったそうだ。だが、敵対する十連会がこのまま黙っているとは思われない。雨野の殺害も考えられる。そんな事態が起きれば、ここに住む市民を巻き込むことになる。それらを阻止できるのは、私たち警察だ。特にカモメ診療所がある大沢市の大友警察署は、その任にあたらなければならない」
言うべきことは言ったと思ったのか、青山署長は何度も頷きながら演壇を離れ、自席に戻っていった。ふたたび、三浦課長が立ち上がって、俺たちの方に顔を向けた。
「それでは、私の方から、どのようにして、カモメ診療所のある街を守っていくか、話をさせてもらう」
すると、暴対課の者が手をあげた。
「はい、小牧係長」
「雨野辰夫の所にふたたび組長を頼みにくる使者は誰なんですか?」
課長と係長でまだしっくりいっていないようだ。
「それは、わからない。山城一門会も公表はしていない。それをすれば、すぐに十連会が狙って殺してしまう。それをさせないために明らかにしていない」
「じゃ、使者を守ることはできない」
「ともかく、私たちは雨野辰夫を守ることが役割だと思われます。雨野は常にカモメ診療所にいてもらいます。いや、出てこないでもらいたい。そうすれば、外部から入り込まないと雨野を殺害することができなくなる。我々はカモメ診療所の前に隊列を組んで誰も入り込めないように警護を行います」
「出入口は、いくつあるんですか?」と、総務課の高野が手をあげて聞いた。
すぐに暴対課員たちが立ってきて白板に図面をはり出した。はり終ったのを見ると、課長は指示棒を手に話し出した。
「カモメ診療所に出入りできるのは、四か所。表通りに面して二か所。患者のための出入り口、それと救急車などの車両が入り込めるゲート、さらに建物の裏に作られている病院関係者が出入りし、また購入物品などを運び込むための出入口。裏口ですね。もう一つはゴミなどを排出するための出入口です」
「それらすべての出入口に監視する者たちをたたせるのですか?」と、総務課の高野が不安げに聞いていた。
「表通りにある出入口以外にも、二人は警備に立たせるつもりです。それに、うちの課員を本庁に行かせて、すでに指導を受けて来ております。ですから、暴対課以外の参加者はカモメ診療所内の警護をしてもらえばいいと思っております」
その話を聞いて、高野を始め暴対課以外の者は安堵の色を顔に浮かべた。相棒もほっとしたのか、笑っていた、だが、俺は反対に眉をひそめた。そう簡単にすむとは思えなかったからだ。
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