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イバラの森大戦
10 エルザ 水の精霊使い
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カオルは背中にホウキをせおい、手に魔法の杖を手に持ってシンドの部屋からでました。その後、すぐに水色のドアを開けてエルザの部屋に入って行きました。
すでに、多くの生徒たちは集まっていました。
エルザは、青い長髪をゆらしながら生徒たちをやさしい笑顔で見まわしました。
「生きている物にとって水は大切な物です。ですから、ここで学んで身につければ、たくさんの生き物たちを助けることができますよ」
少し緊張の取れたカオルは、トムと同じく動物から人に変わった者たちがたくさん参加していることに気がつきました。人と同じ姿をしていますが、どこか違っているところがあるのでわかります。たとえば、耳がとがっていたり、鼻の先が少し黒かったり、中には尾っぽがついている者もいました。エルザ以外にも動物から人に変える魔法を使う者たちがいるのでしょう。
「ここで学ぶことは二つです。まず、水を生み出すこと。次に、水をいろいろな形に変えることの二つです」
そう言ったエルザは屈みこみ、地面の上で手を振ってこぶしを作りました。体を起こし、こぶしを開くと、エルザの手の平に水がのっていたのでした。
「もちろん、大切なことは、ここに水があると念じることです。やってみてください」
エルザに言われて、生徒たちは腰をおろして手を地面の上をなぜるようにしてから、握っていた手を開いてみました。やはり生徒みんなの手の平の上に水はのりませんでした。
でもレイモンドの手の平には水がのっていました。
「本当の水なの?」とカオルは悔しそうにレイモンドに聞きました。
「なめてみればわかるよ」
レイモンドがそう言ったので、カオルはレイモンドの手に顔を近づけて、なめてみました。甘くも、しょっぱくもありません。冷たくて美味しい水でした。
「でも、どうして、私にできないのかしら?」
「一度でできる人は、そんなにいないと思いますよ。でも、得意、不得意はあるかもしれませんが」
「じゃ、この魔法は私に向いていないのかしら?」
考えてみれば、カオルが小さい頃、近くの川原に行って転び、川の水に流されたことがあったのです。その時に、お父さんが水の中に入ってきて、助けてくれたからよかったのですが、そうでなければ、ここにいることなどできなかったのでした。その時の記憶がよみがってくるからなのでしょうか、今でも水が怖いのです。
他の生徒たちは次から次へと手の平に水をのせることに成功をしていきました。
「それでは、次にすすませていただけますか?」
エルザはカオルの手に何ものっていないのを見ると、そばにやってきました。まずエルザは自分の手の平の上に水を出し、その水をカオルの手の平の上にのせてくれたのでした。
「これで準備はできたようですね。その水を温めて蒸発をさせて、手の上に雲を作ってください」
エルザが助けてくれたのですから、雲作りには必ず成功をさせたいと思い、カオルは必死に念じました。
そのお陰でしょうか?
他のみんなと同じに手の平の上に小さな綿のような雲を作ることができました。
「じゃ、次はその雲を霧にして手の上にただよわせてみてください」
エルザに言われて、今度もカオルは必死に念じました。
すると、手の平の上に白い霧が湯気のようにでき、ゆらいでいました。
「じゃ、再び 雲に戻してください」
これにも、カオルは成功をしました。
「これが最後です。雨にして、手の平にふらしてください」
カオルの雲も黒雲に変わり、雲の下から雨をふらしていました。
すでに、多くの生徒たちは集まっていました。
エルザは、青い長髪をゆらしながら生徒たちをやさしい笑顔で見まわしました。
「生きている物にとって水は大切な物です。ですから、ここで学んで身につければ、たくさんの生き物たちを助けることができますよ」
少し緊張の取れたカオルは、トムと同じく動物から人に変わった者たちがたくさん参加していることに気がつきました。人と同じ姿をしていますが、どこか違っているところがあるのでわかります。たとえば、耳がとがっていたり、鼻の先が少し黒かったり、中には尾っぽがついている者もいました。エルザ以外にも動物から人に変える魔法を使う者たちがいるのでしょう。
「ここで学ぶことは二つです。まず、水を生み出すこと。次に、水をいろいろな形に変えることの二つです」
そう言ったエルザは屈みこみ、地面の上で手を振ってこぶしを作りました。体を起こし、こぶしを開くと、エルザの手の平に水がのっていたのでした。
「もちろん、大切なことは、ここに水があると念じることです。やってみてください」
エルザに言われて、生徒たちは腰をおろして手を地面の上をなぜるようにしてから、握っていた手を開いてみました。やはり生徒みんなの手の平の上に水はのりませんでした。
でもレイモンドの手の平には水がのっていました。
「本当の水なの?」とカオルは悔しそうにレイモンドに聞きました。
「なめてみればわかるよ」
レイモンドがそう言ったので、カオルはレイモンドの手に顔を近づけて、なめてみました。甘くも、しょっぱくもありません。冷たくて美味しい水でした。
「でも、どうして、私にできないのかしら?」
「一度でできる人は、そんなにいないと思いますよ。でも、得意、不得意はあるかもしれませんが」
「じゃ、この魔法は私に向いていないのかしら?」
考えてみれば、カオルが小さい頃、近くの川原に行って転び、川の水に流されたことがあったのです。その時に、お父さんが水の中に入ってきて、助けてくれたからよかったのですが、そうでなければ、ここにいることなどできなかったのでした。その時の記憶がよみがってくるからなのでしょうか、今でも水が怖いのです。
他の生徒たちは次から次へと手の平に水をのせることに成功をしていきました。
「それでは、次にすすませていただけますか?」
エルザはカオルの手に何ものっていないのを見ると、そばにやってきました。まずエルザは自分の手の平の上に水を出し、その水をカオルの手の平の上にのせてくれたのでした。
「これで準備はできたようですね。その水を温めて蒸発をさせて、手の上に雲を作ってください」
エルザが助けてくれたのですから、雲作りには必ず成功をさせたいと思い、カオルは必死に念じました。
そのお陰でしょうか?
他のみんなと同じに手の平の上に小さな綿のような雲を作ることができました。
「じゃ、次はその雲を霧にして手の上にただよわせてみてください」
エルザに言われて、今度もカオルは必死に念じました。
すると、手の平の上に白い霧が湯気のようにでき、ゆらいでいました。
「じゃ、再び 雲に戻してください」
これにも、カオルは成功をしました。
「これが最後です。雨にして、手の平にふらしてください」
カオルの雲も黒雲に変わり、雲の下から雨をふらしていました。
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