超ゲーム初心者の黒巫女召喚士〜動物嫌われ体質、VRにモフを求める〜

ネリムZ

文字の大きさ
45 / 101
化け物集団誕生の前触れ

45

しおりを挟む

「私は召喚士のモフリです。よろしくね」
「私は鍛冶師のメルって言うの。よろしく。そして⋯⋯」

 1泊開けて大剣を掲げるメルさん。

「金属を愛し!金属に愛されたい女!武器を作り愛でて引かれる存在!中身実は小学生のメルちゃんとは私の事だ!」
「お、おお」
「初めて用意していた自己紹介を言えました!私って遠目から見られるとただ危ない人ですから、モンスターには感謝ですかね。プレイヤーと初めて話せた気がします。私の友達NPCですから」
「そうなんだね。なら、私が友達になるよ?」
「良いんですか!なかなかにレアそうな装備を着ている巫女さん」
「召喚士です」
「そうですね。なら、改めて自己紹介しましょう」
「うん」

 私は皆を呼んで湖の近くに座って話し合う。

「私は先程も申した通りに中身小学生です。軽度ですが金属アレルギーを持っていて、感覚が超リアルだと聞いた両親が買ってくれました。そして、金属と1番近い存在たる鍛冶師になりました。ちなみに種族は物作りの得意なドワーフです」
「成程、金属アレルギーって大変だね」
「あはは、まあ、軽度なんですけどね」
「だから金属が好きなの?」
「そうなるんですかね?金属のぶつかり合う音や金属が新たな物質、例えば剣とか槍とか様々な物になるのも好きです。そして私は自分の作った武器に一つ一つ名前を付けて色々な場所に行っては写真を撮ってSNSに載せているんです。そこで熱弁しているとコメントが色々と面白いんですよね。「頭おかしい‪w」とか「この武器欲しい」とか色々ですね。私が作った武器が旅立つと嬉しくもあり寂しくもあるんですよ」

 こだわりがあるんだね。

「鍛冶師は武器や防具を作る事でも経験値が得られるんですが⋯⋯武器作りしかして無くて他の人とレベルが低いんですよね」
「でも、この階層まで来れたんだよね?」
「はい、傭兵ギルドで傭兵のNPCさんを雇いました。武器との交換の人も居ましたね」
「そうなんだ⋯⋯あ、私も具体的な自己紹介するね。私は動物嫌われ体質かもしれない女です」
「動物嫌われ体質?」
「リアルで背後から動物に触ろうとするとすぐに逃げられたり、小学生の時に野外学習で動物園に行った時に教師から切実に離れて見る事をおすすめされるって事です」
「⋯⋯なんか、悲しいね」
「あはは、慣れたけどね。で、今は妹にこのゲームを教えて貰ってやって居るんだ。感覚リアル最高だよね!」
「超同感です!」
「ま、なんかこの体質ゲーム内でも少し働いている気がするんだよね」
「アレルギーは働いてませんよ?」
「そうなんだよね~ま、今は問題無いけど」
「そうですか。それは良かったです」
「あ、フレンド登録しませんか?」
「見るからに、喋り方的にモフリさんの方が年上なので敬語は結構ですよ。フレンド、良いんですか?自慢じゃ無いですが私って本当にプレイヤーの知り合いが居ないんでよ?初心者狩りが怖くて掲示板のパーティーに入れないし」
「そんなの関係ないよ」
「ありがとうございます。何か武器いりませんか?この大剣は青色の金属を使った武器で名前は『ウォーターブレイド』ってそのままなんですが特殊能力で水の斬撃が出せるんでよ」
「私は使えないし良いよ。それにこれがあるからね」

 私はお祓い棒を地面にトントンする。

「ふむふむ、見る感じにSTR補正が低そうな⋯⋯他の用途⋯⋯さっきの戦い方的に魔法?ならINT補正かな?」

 す、凄い。

「少し服に触って良いですか?」
「あ、どうぞ」

 メルちゃんは私の黒巫女服をペタペタ触ったり伸ばしたりする。

「ふむ、耐久値がかなり優れているような⋯⋯いや、そもそも耐久値が存在するのかな?ふむふむ、かなり上等な素材を使われている⋯⋯精密だね。NPCが作成した物じゃなくてダンジョンかドロップアイテムかな?もしかして噂のユニークシリーズかな?」

 ブツブツとそう言いながらメルちゃんは凄い観察眼でそう判断していた。

「分かるの?」
「私は素材と向き合いながら武器を作ったりNPCの師匠の武器や防具、裁縫師が作る防具なども細かい繊維レベルで見ていたら大まかな事が分かるようになったんですよ」
「す、凄いね」
「ありがとうございます。あ、ベタベタ触ってすみません。ついつい新しいのを見ると興奮するんですよね」
「あはは、そうなんだね」
「はい、自分の作成の参考に出来るような気がして⋯⋯何かありましたらこちらに寄ってください。今私が拠点としている場所で師匠が居ます」
「え、1階層だけじゃないんだね」
「はい、師匠も付いて来てくれました」

 そんな仕様があるんだね。

「では、さようなら!」
「うん、気を付けてね」
「はい!」

 その後解散した私は森の奥に向かった。
 皆や私のレベリングをする為だ。

「目指すは次のイベント前に進化だ!」
「ピピ!」
「ワン!」
「「コン!」」

 森の中では1階層の森とは違い猿が居た。
 アイアンモンキーというモンスターで攻撃して来る際に拳が鉄のようになるようだ。
 攻撃力や防御力を向上させて来るみたいだが、拳以外は普通なのでそこまで脅威では無かった。
 そして、マナちゃんの進化の時が来た。

 青白い光にマナちゃんが包まれ、光が収まるとそこにはカラスが居た。真っ黒なカラスだ。

「かァー」
「いや、完全カラスやん」

 あ、羽毛がサラサラで良き。
 さて、私も幾つかスキルのレベルが上がったり新たなスキルが手に入ったりしているし、ステ振りもやったので確認しておこう。

 ───────
 名前:モフリLv62
 種族:屍食鬼
 職業:召喚士Lv6
 サブ:黒巫女Lv6
 称号:【超越者の弟子】【楽しむ者】【裸の踏破者】【初の伝説】【スライムを憎みし者】【大物喰らいジャイアントキリング】【風系の黒巫女】【呪系の霊符】
 HP:120/120(+100)
 MP:200/200(+120)
 STR:18
 DEX:25
 VIT:70(+60)
 AGI:125(+100)
 INT:65
 MND:80(+60)
 SP:0
 スキル:【召喚】【応召】【契約】【意思疎通】【妖術】【霊符作成】【棒の心得Lv4】【妖術操作Lv7】【霊符操作Lv5】【多重妖術Lv1】【結合妖術Lv1】【縮地Lv3】【MP回復速度向上Lv1】【自己再生Lv2】【キックLv1】【挑発耐性Lv1】【人喰らい】
 特性:【死体残し】
 契約4/4:『ハムスター:ハムLv1』『猫:ネマLv1』『犬:イサLv1』『小鳥:マナ』
 式神2/2『妖狐:ハク』『妖狐:クロ』
 ───────
 犬Lv14
 名前:イサ
 HP:‭25/15(+1)‬
 MP:22/22(+1)
 STR:21(+1)
 DEX:21(+1)
 VIT:45(+2)
 AGI:39(+2)
 INT:18(+1)
 MND:18(+1)
 スキル:【挑発】【堅牢】
 挑発:敵の認識を集中させる。消費MP2
 堅牢:VITを一時的に上昇する。消費MP5
 ───────
 鳥Lv1
 名前:マナ
 HP:3/3
 MP:7/7
 STR:6
 DEX:‭3‬
 VIT:‭2‬
 AGI:‭7‬
 INT:3
 MND:3
 スキル:【共有】【空縮】
 共有:MPを消費する事で共有出来る
 空縮:MP5を消費する事で空中内の距離を縮めて瞬間的な移動を可能にする
 ───────
 妖狐Lv20
 名前:ハク
 HP:‭23/13(+2)‬
 MP:65/65(+4)
 STR:1‭4(+2)‬
 DEX:‭13(+2)‬
 VIT:‭13(+2)‬
 AGI:1‭8(+2)‬
 INT:58(+4)
 MND:63(+7)
 スキル:バフ
 内容:味方にSTR上昇バフ、VIT上昇バフ、AGI上昇バフ、INT上昇バフのいずれかを掛ける事が出来る。対象に対し複数使用可能だが、重ねがけは出来ない。MP5を使う。
 ───────
 妖狐Lv7
 名前:クロ
 HP:‭5/5(+2)‬
 MP:12/12(+7)
 STR:3(+2)
 DEX:‭4(+2)‬
 VIT:‭3(+2)‬
 AGI:‭11(+7)‬
 INT:10(+7)
 MND:1(+2)
 スキル:デバフ
 内容:対象にSTR降下デバフ、VIT降下デバフ、AGI降下デバフ、INT降下デバフのいずれかを掛ける事が出来る。対象に対し複数使用可能だが、重ねがけは出来ない。MP5を使う。
 ───────

 さて、今日はこの辺で辞める事にする。
しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。

branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位> <カクヨム週間総合ランキング最高3位> <小説家になろうVRゲーム日間・週間1位> 現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。 目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。 モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。 ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。 テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。 そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が―― 「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!? 癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中! 本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ! ▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。 ▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕! カクヨムで先行配信してます!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

処理中です...