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黒巫女召喚士と暴食の悪魔
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しおりを挟む「さぁ、反撃と行こうか。我が思いをここに!タロット様、見守ってくだされ。森羅万象を読み解き、悪しき暴食之悪魔を祓う力を我が元に【呪文魔法《スペルマジック》聖天の黙示録】!!」
ベルゼブブの周りにひし形のキューブが多数出現して、キューブを点として点と点を繋ぐように光で線を結ぶ。
ベルゼブブは嫌な気配を察知したかのように突然と動き出す。
「マナちゃん【虹息吹《レインボーブレス》】」
ベルゼブブはこれを躱すか食べるか受け止める選択肢がある。
躱す隙は与えない。食べるならその時間は無防備に止まるので師匠のお父さんの魔法の発動時間稼ぎになる。受け止めるならダメージを与えながら動きを制限する。
しかし、私の予想は裏切られた。
『我の肉壁と成れ!【デモンズマリオネット】』
瞬間的に液体の気持ち悪い人形達が生成されてマナちゃんのブレスを防ぐ壁と成る。
「霊符風足・電脚解!」
最大速度を持ってベルゼブブの背後、マナちゃんのブレスの反対側に移動した。
味方なので魔法に巻き込まれる事は無いだろう。
『しつこい!』
ベルゼブブは肉壁を一瞥してから跳躍して私の振るう鎌を躱し空中で2段ジャンプをして距離を稼ぐ。
「させない!」
意味は無いけど、空中に居て逃げる事をしか意識していないベルゼブブなら多少なりとも効いてくれるでしょう。
「呪縛、解!」
紫の鎖がベルゼブブの足を掴み、さらに何重にも付ける。
そして霊符を地面に張り固定。
そして鎌を投擲して動きを制限する。
マナちゃんもブレスの効果時間を活かして軌道修正して瞬間的に止まっているベルゼブブに対して攻撃する。
『く、クソが。【ダークシールド】【パーフェクトキューブ】』
「よし」
これで止まる筈だ。
ベルゼブブは重力に従うようにキューブ事落下。
ズドォンと重い物が落ちる音と砂埃を起こして地面に留まる。
私は反射して威力が下がる事を恐れて魔法範囲内と思われる線の内側から出る。
『【ブロック】【堅牢】【硬質化】【頑丈】【プロテクト】【剛腕】』
いや、スキル大量ですね。
だ、大丈夫だろうか?いや、信じると決めたばかりじゃないか。
頑張って師匠のお父さん!
私は両手を握り締めて心の中で師匠のお父さんを応援する。
「喰らえ!我が修練の成果を!」
ベルゼブブから、正確には線の内側から大量の光が天に向かって伸びる。
天使が舞い降りる前兆のような、天に何かを祈るかのような、そんな光が伸びる。
『ぐぬおおおおおおおおお───!』
ベルゼブブの耐える悲鳴が聞こえる。
これでどのくらい減るのかは分からない。
だけど、大ダメージな筈だ。
私は魔法に詳しく無いのでこの魔法がどのくらい凄いのか分からないけどきっと凄い筈だ。
ベルゼブブのHPがジリジリ減って行き3割を切った。
そしてガラスが割れるようなパリィんと言う音が響く。
分かる。ベルゼブブの剥き出しの弱点の宝玉が割れたのだ。
あれは3割耐える設定だったようだね。
ベルゼブブのHPの減り速度は遅くなった。弱点が無くなったからだろう。
それでも魔法はまだ続いているしHPも地道に減っている。
そして光が消えた。ベルゼブブのHPは4割も減っていない。
だけど、進展はあった。
人間で言う所の心臓部とその真反対の所に弱点のような黒紫色の宝玉があった。
「ベルゼブブの、心臓」
まさか弱点と同じ見た目だとは驚いた。
しかも心臓って名前なのに水晶のような球体だと言うことにも驚いたし、何よりも脈打って無い。
精神生命体なので正しいって言えば正しいけど、中身人間の私的には何とも言い難い光景だ。ゲームだし、気にしたら負けか。
弱点が2つ出て来た事はありがたい。
「行くよ。皆!」
「ワン!」「ニャン!」「ギャラー!」「コン!」
ベルゼブブに接近して鎌を振るうが、ベルゼブブは予想以上の動きで横にブレて躱した。
ベルゼブブの残像が見える程の速度だ。
私は横にステップしてベルゼブブから距離を取った。
先程居た場所にはベルゼブブの黒紫のオーラを出した拳があった。
『危なかった』
まじですか。
ベルゼブブは腕をクロスして少し縮こまり、そしてばっと広がる。
『この虫けらどもがあぁぁぁぁあ!【ダーク・ボール・ラビリンス】っ!』
ベルゼブブの背後から無数の小さな黒紫の球体が現れる。
その1つ1つに意思があるかのように自由自在縦横無尽に駆け回る。
私の方にも沢山来る。
「頑張ってね!」
『頑張りますとも』
自分に頑張ってって言うのって結構恥ずかしい。良かったよここにプレイヤーや師匠が居なくて。はは。
黒紫の球体が迫るのをわたしが体をフルに使い横にステップして躱しり時には切ったりする。
球体同士がぶつかると消滅するようだ。
剣士骸骨さんの方も球体を躱しり盾で防いだりしている。剣で切っている様子は見受けられない。
球体は止まることを知らないご様子で3個一斉に私に向かって飛んで来る。
2つは互いに衝突して弾けるように消滅して1個は来る。
縦に鎌を一閃させたが球体はひらりと横にズレて躱して加速して私の腹に直後して霧散する。
「ぐふ」
痛み系は直接私に来るようだ。
『いや、わたしにも来る。脳が共通だから痛みも共通。共有か?』
取り敢えず球体は避けよう。
じゃないとあと2発でやられる。
まさかあんなサッカーボールレベルの大きさの球体が100ダメージを叩き出して来るとは思わないよ。
マナちゃんも魔法で大量に消滅させているけど間に合っていないし、ネマちゃん達も躱すのに必死だ。
1秒に何個生産しているのか分からないけどベルゼブブは止まってひたすら生産している。
工業機械にも負けない速度でサッカーボールを生産しているようだ。
『良いな。お前は冷静で余計な考えも出来るんだから』
集中しているよ。ただ、どうしたら良いのか分からなくて。
ベルゼブブに接近しようとしても球体が道を阻み左右から迫り躱しも背後から来て切ってもまた新たに迫って来る。
だから師匠のお父さんの魔法に期待している。
何故なら何しらの詠唱を始めているようだからだ。
スケルトンナイト達も師匠のお父さんを守るように球体の処理をしている。
だから私達に出来ることは生き残り、余裕があったら師匠のお父さんの護衛だ。
ベルゼブブに攻撃する事はほぼ不可能だ。
なのでやれる事をする。無理はしない。
ベルゼブブのHP残り7割。
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