【完結】抱っこからはじまる恋

  *  ゆるゆ

文字の大きさ
18 / 30

ずっと

しおりを挟む



「疲れたり、飽きたり、つらくなったら、いつでも俺がいるから」

 友樹の声に、幼なじみの前で真紀に抱きついてしまった俺は、あわあわ熱い頬をあげる。


「俺も、友樹が、つらいときは支える!
 だいじな、幼なじみだから!」

 手をふったら、友樹は一瞬、目を閉じる。
 明いて、笑った。


「じゃあな、愛希」

 さよならするように、友樹が手をふった。


「また明日!」

 帰ってゆく友樹の背に、真紀の頬がふくれてる。



「向こうは幼なじみと思ってないみたいだけど……?」

「親友? うれしい。えへへ」

 笑ったら、わしゃわしゃ真紀が頭をなでてくれた。


「……俺のほうが心配だよ。愛希、かわいーし、若いし」

「真紀ちゃん、めちゃくちゃかっこよくて、大人だし、きれいな同僚までいて、めちゃくちゃ心配だけど。
 俺、負けないように、がんばるよ!」



 ──周りの人の反応も、移ろいゆくのかもしれない、愛しい人の気もちも、自分にはどうすることもできない。

 できるのは、いつだって精いっぱいで、がんばることだけ。


 でも、がんばることができるのは、きっと、とびきり恵まれたことで。


 あなたのためなら、とろけるような、しあわせなのです。












「ふふふん。
 ここは俺が出すから」

 翌週の日曜の昼さがり、お財布をにぎりしめた俺は、かっこよく髪をかきあげてみた!

 真紀ちゃんとデートな俺、おしゃれなカフェで、おごってしまう俺、生まれてはじめてのお給料をもらった俺、輝いてる──!

 えへへへへ。

 にやにやしちゃう俺に

「ありがと、愛希」

 くすぐったそうに笑った真紀は、ちょっと心配そうに眉をさげた。

「……高校生にたかる、おじさんに見えないかな……?」

「ありえないから!
 真紀ちゃん、めちゃくちゃ若いから!
 お肌、つやつや」

 手を伸ばして頬にふれたら、真紀のまなじりが、ほのかな朱にそまる。


 鈴の音に送られてカフェを出たら、木枯らしにふるえる身体を真紀がやさしく抱きよせてくれた。

 手をつないで歩く、秋の道が、うれしい。
 燃える紅、きらめく山吹、命の終わりに輝いて散ってゆく葉を、ふたりで見あげる。


「ずっと、ずっと、ふたりで見ようね。
 冬も、春も、夏も、秋も」

 つなぐ手に、指をからめる。

 にぎり返してくれる手に降るのは、しあわせだ。



「……愛希、あの幼なじみとか、クラスメイトとか、先輩とかに、言い寄られてない?」

 ぽそぽそつぶやく真紀に、きょとんとした俺は、首をかしげる。

「心配してくれるの? 真紀ちゃんが?」


「……当たり前だろ。俺、めちゃくちゃ年上だし……愛希からしたら、おじさん──」

「真紀ちゃん、めちゃくちゃ若くて、めちゃくちゃかっこいいよ!」

 ほんのり紅い頬の真紀の唇が、もごもご動く。


「……愛希が、かわいすぎるから……ちょっと心配に、なって……」

「え? なあに?
 聞こえなかった」

 ほんとうは、聞こえてた。


 頬が、燃える。

 瞳が、うるむ。


 かわいいって、思って。

 かわいいって、言って。

 何度でも。

 あなたの唇で、あなたの声で、聞かせて。



「……愛希が、すき」


 ささやいてくれたら

 抱きしめてくれたら


「真紀ちゃん、だいすき!」

 あなたと、もっと、もっと、恋に落ちてゆくのです。




 あなたが、抱っこしてくれたから


 あなたと、恋に落ちました。




 これからも、ずっと、ずっと、抱っこして


 ずっと、ずっと、だいすきにさせてね。




 しわしわになって

 おじいちゃんになっても

 ずっと、ずっと


「だいすきだよ」











────────────────


 最後まで読んでくださって、ほんとうに、ありがとうございます!
 愛希ちゃんと、真紀ちゃんのお話は、これで完結です!

 また後で(笑)動画あげるので、もしよかったら!
 インスタ @ siro0088
 YouTube @BL小説動画
 プロフのwebサイトから飛べます!

 あっという間の1週間でした(笑)
 楽しんでくださったら、とてもとてもうれしいです!

 愛希ちゃんと、真紀ちゃんは、ずっとしあわせですー!(笑)




しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由

スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの少年二人は、15歳になり神の祝福でスキルを得た事で道をたがえる。彼らはやがて青年となり、片方は魔王討伐に旅立つ勇者として華々しい活躍をし、もう片方はただ彼の帰還を待つ相変わらずスラム暮らしの存在となる。 これは何も持たない青年がただ勇者の帰りを待つ日常を描いた作品です。 無自覚両片想いの勇者×親友。 読了後、もう一度だけ読み直して頂けると何か見える世界が変わるかもしれません。

転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~

トモモト ヨシユキ
BL
魔物の国との和議の証に結ばれた公爵家同士の婚約。だが、婚約することになった姉が拒んだため6男のシャル(俺)が代わりに婚約することになった。 突然、オーガ(鬼)の嫁になることがきまった俺は、ショックで前世を思い出す。 有名進学校に通うDKだった俺は、前世の知識と根性で自分の身を守るための剣と魔法の鍛練を始める。 約束の10年後。 俺は、人類最強の魔法剣士になっていた。 どこからでもかかってこいや! と思っていたら、婚約者のオーガ公爵は、全くの塩対応で。 そんなある日、魔王国のバーティーで絡んできた魔物を俺は、こてんぱんにのしてやったんだが、それ以来、旦那様の様子が変? 急に花とか贈ってきたり、デートに誘われたり。 慣れない溺愛にこっちまで調子が狂うし! このまま、俺は、絆されてしまうのか!? カイタ、エブリスタにも掲載しています。

平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。

しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。 基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。 一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。 それでも宜しければどうぞ。

君さえ笑ってくれれば最高

大根
BL
ダリオ・ジュレの悩みは1つ。「氷の貴公子」の異名を持つ婚約者、ロベルト・トンプソンがただ1度も笑顔を見せてくれないことだ。感情が顔に出やすいダリオとは対照的な彼の態度に不安を覚えたダリオは、どうにかロベルトの笑顔を引き出そうと毎週様々な作戦を仕掛けるが。 (クーデレ?溺愛美形攻め × 顔に出やすい素直平凡受け) 異世界BLです。

別れたはずの元彼に口説かれています

水無月にいち
BL
 高三の佐倉天は一歳下の松橋和馬に一目惚れをして告白をする。お世話をするという条件の元、付き合えることになった。  なにかと世話を焼いていたが、和馬と距離が縮まらないことに焦っている。  キスを強請った以降和馬とギクシャクしてしまい、別れを告げる。  だが別れたのに和馬は何度も会いに来てーー?  「やっぱりアレがだめだった?」    アレってなに?  別れてから始まる二人の物語。

【本編完結】才色兼備の幼馴染♂に振り回されるくらいなら、いっそ赤い糸で縛って欲しい。

ホマレ
BL
才色兼備で『氷の王子』と呼ばれる幼なじみ、藍と俺は気づけばいつも一緒にいた。 その関係が当たり前すぎて、壊れるなんて思ってなかった——藍が「彼女作ってもいい?」なんて言い出すまでは。 胸の奥がざわつき、藍が他の誰かに取られる想像だけで苦しくなる。 それでも「友達」のままでいられるならと思っていたのに、藍の言葉に行動に振り回されていく。 運命の赤い糸が見えていれば、この関係を紐解けるのに。

ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる

cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。 「付き合おうって言ったのは凪だよね」 あの流れで本気だとは思わないだろおおお。 凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?

処理中です...