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おまけのお話 皆でおひる!
食券機、ふたたび!
しおりを挟む「かわいー!」
「お人形みたい!」
「えっちな薬、買いましたー!」
手を挙げてくれた生徒とコックさんに跳びあがった俺とメファが、
「ありがとうございますー!」
とびきりの営業スマイルを炸裂させたら、真っ赤になった皆に拍手された。
「よお」
灰のしっぽが、ふうわり揺れて、やわらかな声が耳に届く。
「イォ! どしたの?」
駆け寄ったら、食券販売機の列に並んだイォが笑った。
「俺にも魔力があるらしくてさ、学園に来ないかって、親父が。
獣人との子どもなんて恥ずかしいって言ってたのに、なんか突然、目が覚めたらしい。
俺のこと、ちゃんと迎えたいって頭下げてくれた。
リユィのおかげだな」
灰の瞳をやわらかに細めて、笑ってくれる。
「ありがと、リユィ」
抱きしめてくれるあったかい腕に、おっきな背をぽふぽふした。
「よかったね、イォ」
「リユィと一緒に通うなら、わるくないと思って」
狼の牙をひらめかせて、イォが笑う。
「ぽこりたいのを我慢してやってるんだから、ありがたく思えよ」
ふんとディゼが鼻を鳴らして、イォは声を立てて笑った。
ディゼとイォ、メファとアルフォリア、キーザとジェミ、トエと一緒に食券販売機に並んだら、めちゃくちゃ目立つ!
「ど、どうぞお先に!」
「キォタナ学園の星!」
「えっちな薬、また手売りしてくださいー!」
歓声とともに、先に食券を買えるように、皆が順番を譲ってくれる。
「わー♡ ありがとー♡」
♡を撒き散らしながら笑顔で横入りしようとするレイトを、あわてて止めた。
「こら! ちゃんと並ぶの!」
「え──! 僕、主人公だよ!」
ぷりぷりするレイトが、イォとトエの吐息にしおしお悄気る。
「ざ、残念な悪役は、やだ」
ふくれたレイトに、トエは頷く。
「だったら、どうするの?」
ぷっくり膨れたレイトは、ぴんくの髪を揺らして俯いた。
「……最後に並ぶ」
ちゃんと列の最後に並んだレイトに、拍手する。
「レイト、がんばった!」
ぴんくの瞳がまるくなって、ちいさな顔が、ふわふわ紅くなる。
「う、うん……!」
ちいさな手を握るレイトは、めちゃくちゃかわい──♡
「リユィが愛されるのは、ちょっとむっとするけど、うれしい」
ぎゅう、とディゼが抱っこしてくれて、熱い頬でとろけて笑った。
「ディーが抱っこしてくれたら、うれしー♡」
メファが吐息して、アルフォリアが目を伏せて、キーザとジェミは仕方ないなって顔で笑う。
「あ、あの、お先にどうぞ!」
俺に順番を譲ってくれようとする生徒に手を挙げた。
「ちゃんと並ぶ!
めざせ、残念な悪役脱却!」
「おー!」
レイトも後ろで手をあげて、顔を覆った皆がぷるぷるした。
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