114 / 142
おまけのお話 皆でおひる!
食券機、ふたたび!
しおりを挟む「かわいー!」
「お人形みたい!」
「えっちな薬、買いましたー!」
手を挙げてくれた生徒とコックさんに跳びあがった俺とメファが、
「ありがとうございますー!」
とびきりの営業スマイルを炸裂させたら、真っ赤になった皆に拍手された。
「よお」
灰のしっぽが、ふうわり揺れて、やわらかな声が耳に届く。
「イォ! どしたの?」
駆け寄ったら、食券販売機の列に並んだイォが笑った。
「俺にも魔力があるらしくてさ、学園に来ないかって、親父が。
獣人との子どもなんて恥ずかしいって言ってたのに、なんか突然、目が覚めたらしい。
俺のこと、ちゃんと迎えたいって頭下げてくれた。
リユィのおかげだな」
灰の瞳をやわらかに細めて、笑ってくれる。
「ありがと、リユィ」
抱きしめてくれるあったかい腕に、おっきな背をぽふぽふした。
「よかったね、イォ」
「リユィと一緒に通うなら、わるくないと思って」
狼の牙をひらめかせて、イォが笑う。
「ぽこりたいのを我慢してやってるんだから、ありがたく思えよ」
ふんとディゼが鼻を鳴らして、イォは声を立てて笑った。
ディゼとイォ、メファとアルフォリア、キーザとジェミ、トエと一緒に食券販売機に並んだら、めちゃくちゃ目立つ!
「ど、どうぞお先に!」
「キォタナ学園の星!」
「えっちな薬、また手売りしてくださいー!」
歓声とともに、先に食券を買えるように、皆が順番を譲ってくれる。
「わー♡ ありがとー♡」
♡を撒き散らしながら笑顔で横入りしようとするレイトを、あわてて止めた。
「こら! ちゃんと並ぶの!」
「え──! 僕、主人公だよ!」
ぷりぷりするレイトが、イォとトエの吐息にしおしお悄気る。
「ざ、残念な悪役は、やだ」
ふくれたレイトに、トエは頷く。
「だったら、どうするの?」
ぷっくり膨れたレイトは、ぴんくの髪を揺らして俯いた。
「……最後に並ぶ」
ちゃんと列の最後に並んだレイトに、拍手する。
「レイト、がんばった!」
ぴんくの瞳がまるくなって、ちいさな顔が、ふわふわ紅くなる。
「う、うん……!」
ちいさな手を握るレイトは、めちゃくちゃかわい──♡
「リユィが愛されるのは、ちょっとむっとするけど、うれしい」
ぎゅう、とディゼが抱っこしてくれて、熱い頬でとろけて笑った。
「ディーが抱っこしてくれたら、うれしー♡」
メファが吐息して、アルフォリアが目を伏せて、キーザとジェミは仕方ないなって顔で笑う。
「あ、あの、お先にどうぞ!」
俺に順番を譲ってくれようとする生徒に手を挙げた。
「ちゃんと並ぶ!
めざせ、残念な悪役脱却!」
「おー!」
レイトも後ろで手をあげて、顔を覆った皆がぷるぷるした。
393
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
【完結】悪役に転生したので、皇太子を推して生き延びる
ざっしゅ
BL
気づけば、男の婚約者がいる悪役として転生してしまったソウタ。
この小説は、主人公である皇太子ルースが、悪役たちの陰謀によって記憶を失い、最終的に復讐を遂げるという残酷な物語だった。ソウタは、自分の命を守るため、原作の悪役としての行動を改め、記憶を失ったルースを友人として大切にする。
ソウタの献身的な行動は周囲に「ルースへの深い愛」だと噂され、ルース自身もその噂に満更でもない様子を見せ始める。
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼不定期連載となりました。
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。
フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」
可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。
だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。
◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。
◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
応援ありがとうございます!
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる