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ぷ
……ほ、ほんとに、陛下に逢うの……?
最小国レィゼの俺が……?
ばくばく鳴る心の臓と流れ落ちる冷や汗で、冷たくなった指先を、ラザの手につかまれる。
「兄貴に、紹介する。朝餉を、ともに喰おうと連絡した」
「は、はい……!」
……あ、あさごはん……!
へ、陛下、と……!?
そ、そんなことある!?
「それほど緊張せずともよい」
「は、はい……!」
右手と右足を一緒に出す俺に、ラザが笑う。
「たのしい。かわいい。こんな生きものも、いるんだな」
ぽふぽふ、ラザの大きな手が俺の頭をなでてくれる。
………………。
おひめさまとか、男ですとかの前に、生きものって言われた……!
人間の範囲から、はみ出てる気がする、俺──!
「世界には、いろんな生き物がいますから」
微笑んだヤヤが、うむうむしてる。
ヤヤさんにも、生きもの枠な俺──!
…………え、やばくない……?
──いや、もしかして、これは、ひめ枠じゃなくて『生きもの枠で、気に入ってくれた』ということなのかな……?
もしかして、それって、最高なんじゃない!?
俺と国が飛ばないために──!
「あ、あの、すこしでもお気に召してくださったなら、わたくしとレィゼ王国を飛ばさぬように、切にお願い申しあげます……!」
懇願してしまいました……!
目をまるくしたラザが、吹きだして笑う。
「考えておこう」
揺れるラザの肩の向こうで、ヤヤの肩も揺れている。
……いや、あの、めちゃくちゃ真剣な哀願なんですけど……?
ちょっと涙目の上目遣いで、にらんでしまった俺、ふたたび──!
あわあわ微笑もうとした俺を止めるように、くしゃりと大きな手が俺の髪をかきまぜる。
わしゃわしゃ、わしゃわしゃ、わしゃわしゃ、俺の頭をかきまぜる手が、止まらない……!
「……あ、あの、ラザさま……?」
これから陛下にお逢いするのに、頭が、もっしゃ、もっしゃに、なったようなのですが……?
「……ぷ……!」
ちょ……!
自分でやっておいて、吹いたよ、この人──!
ぷりぷりしちゃいそうな俺の隣で
「ぶ──!」
ヤヤも吹いてる。
よく似た主従らしいです。
俺の頭は、もっしゃもしゃです。
これで謁見とか、ないよね……?
「いや、これはこれで、かわいいんじゃ……?」
ラザが、ぷるぷるしてる!
「ちょっとだけ、とかしましょうか」
ヤヤの肩も、ぷるぷるしてる!
兄上、帝王陛下の宮は、ラザの宮のほど近くにあるらしい。
いくつかの隠し扉を抜けて、いくつかの隠し通路を抜けた先で、なんの装飾もない真白な扉がたたずんだ。
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