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ゆずれない
しおりを挟む僕よりちっちゃかったのに、何がどうなったのか、僕よりずいぶん大きくなってしまったノゥスを見あげる。
さらさらの少し長めの藍の髪も、切れあがる陽の瞳も、高い背も、大人になってゆくみずみずしさと凛々しさの香るかんばせも『ノゥスさま』という感じだけれど。
ふわふわの藍の髪を揺らして、おっきな陽の瞳で僕を見あげてくれた、のーすちゃんを
「あの、あのね、ゆーりちゃん……おはな、ふわふわの、さいたの! ……いっしょに、みにいかない?」
もじもじしながら、僕の手を、そうっとにぎってくれた、のーすちゃんを
「……ゆーりちゃんにね、いちばんに、みせたかったの」
ぷにぷにのほっぺを紅くして、とろけるように笑ってくれた、のーすちゃんを
思いだした僕としては、今のすんごくかっこいーノゥスさまより
「のーすちゃん」
だよ! ゆずれないよ!
「だ、だから……! はずいだろ──!」
真っ赤な耳で叫ぶノゥスさまは、やっぱり、どう見ても
「のーすちゃんだよ」
うむうむしちゃう僕に、わあわあ叫ぼうとしたのだろうノゥスの前に、ノゥスよりさらに背の高いカイが立った。
「失礼ですが、ノゥス殿下、ゆりさまに向かって大声で叫ぶのを止めてくださいませんか。
ゆりさまは、大変繊細であらせられ、今も病床の身をおしてノゥス殿下に会いに来られたのです。ご配慮をお願いいたします」
切れあがるカイの目が、お願いする感じじゃ全然ないよ……!
すらりと高い長身からあふれる威圧に、背中から闇が噴いてるカイに、ノゥスがびくりとふるえた。
「……すんげえ従僕、連れてるな。こんなのいたか」
眉をしかめるノゥスに、僕は前の僕の記憶を思いだす。
つい、ずっと僕のそばにいてくれたように思っちゃうけど……カイ、若いからね。
「1年くらい前から僕についてくれるようになったんだよ」
悪役令息で高慢ちきな僕にも仕えてくれた、やさしいカイなのです!
……無表情だったけど……! 無表情って変換したら😑になったよ……えぇ……? でもまさにこんな感じ!
悪役令息で高慢ちきな僕のせいでね。そりゃあ、無になるよね……!
これからは、もうちょっと仲よくできたら、カイの色んな表情が見られたら、うれしいな。
「えへへ」
にこにこカイを見あげる僕と、とろけるようにやさしい目で僕を見てくれるカイを見た陽の瞳が、そらされる。
「ふぅん」
つまらなさそうにつぶやいたノゥスが、僕に視線を戻した。
「まあ、入れよ」
ノゥスが招いてくれたのは、質素なお家だった。
…………………………。
……王族の、離宮……?
え、ちょっと待って!
王都の下位貴族のお家、裕福な商人のお家、ふつーの人のお家、あんまり裕福じゃない人のお家と、さっき見てきた僕にはわかる!
前世の記憶を足しても、雨漏りが心配な、屋根に草が生えてる、ちっちゃい家だよ!
えぇ……!
こ、これは絶対ぜったい絶対、離宮なんかじゃない──!
も、もしかして、いや、もしかしなくても、のーすちゃん、冷遇されてるの……!?
虐待だったら……!
「のーすちゃん……!」
突然泣きだしそうになった僕に、ぎょっとしたようなノゥスの陽の瞳が、まんまるになって、ノゥスの耳が、真っ赤になってる。
────────────────
ずっと読んでくださって、ありがとうございます!
えー、素行わるいの……? びみょー、とお思いだった皆さま、のーすちゃんです!(笑)
というわけで、だいふくユィリと、のーすちゃんの動画をつくりました!(笑)
インスタ @siro0088
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトからも飛べます。もしよかったら!
ちっちゃいのーすちゃんと、おっきいのーすちゃんが出てくる動画になっています(笑)
ロドお兄ちゃんのときもそうでしたが(笑)成長しないだいふくユィリと一緒に楽しんでくださったら(笑)とてもうれしいです!
……しかし、カイよりロドお兄ちゃんのほうが人気なのですが……!(笑)
もしかして、皆さま、そっちですか……!?(笑)ちがう?(笑)
ちょこっと不穏? だったりしても、ずっと読んでくださる あなたさまに、感謝の気もちでいっぱいです。
お気に入りや、いいねやエール、ご感想で応援してくださる方も、ほんとうにありがとうございます!
おひとつ、おひとつが、とてもとてもうれしいです。
ほのぼの可愛い悪役令息めざして(笑)だいふくユィリ、がんばりますー!(笑)
ちょこっとでも楽しんでくださったら、ユィリと皆といっしょに、とてもうれしいです!
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