悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ

文字の大きさ
26 / 186

ゆずれない

しおりを挟む



 僕よりちっちゃかったのに、何がどうなったのか、僕よりずいぶん大きくなってしまったノゥスを見あげる。

 さらさらの少し長めの藍の髪も、切れあがる陽の瞳も、高い背も、大人になってゆくみずみずしさと凛々しさの香るかんばせも『ノゥスさま』という感じだけれど。

 ふわふわの藍の髪を揺らして、おっきな陽の瞳で僕を見あげてくれた、のーすちゃんを

「あの、あのね、ゆーりちゃん……おはな、ふわふわの、さいたの! ……いっしょに、みにいかない?」

 もじもじしながら、僕の手を、そうっとにぎってくれた、のーすちゃんを

「……ゆーりちゃんにね、いちばんに、みせたかったの」

 ぷにぷにのほっぺを紅くして、とろけるように笑ってくれた、のーすちゃんを

 思いだした僕としては、今のすんごくかっこいーノゥスさまより


「のーすちゃん」

 だよ! ゆずれないよ!


「だ、だから……! はずいだろ──!」

 真っ赤な耳で叫ぶノゥスさまは、やっぱり、どう見ても

「のーすちゃんだよ」

 うむうむしちゃう僕に、わあわあ叫ぼうとしたのだろうノゥスの前に、ノゥスよりさらに背の高いカイが立った。


「失礼ですが、ノゥス殿下、ゆりさまに向かって大声で叫ぶのを止めてくださいませんか。
 ゆりさまは、大変繊細であらせられ、今も病床の身をおしてノゥス殿下に会いに来られたのです。ご配慮をお願いいたします」

 切れあがるカイの目が、お願いする感じじゃ全然ないよ……!

 すらりと高い長身からあふれる威圧に、背中から闇が噴いてるカイに、ノゥスがびくりとふるえた。


「……すんげえ従僕、連れてるな。こんなのいたか」

 眉をしかめるノゥスに、僕は前の僕の記憶を思いだす。

 つい、ずっと僕のそばにいてくれたように思っちゃうけど……カイ、若いからね。

「1年くらい前から僕についてくれるようになったんだよ」


 悪役令息で高慢ちきな僕にも仕えてくれた、やさしいカイなのです!

 ……無表情だったけど……! 無表情って変換したら😑になったよ……えぇ……? でもまさにこんな感じ!

 悪役令息で高慢ちきな僕のせいでね。そりゃあ、無になるよね……!

 これからは、もうちょっと仲よくできたら、カイの色んな表情が見られたら、うれしいな。


「えへへ」

 にこにこカイを見あげる僕と、とろけるようにやさしい目で僕を見てくれるカイを見た陽の瞳が、そらされる。


「ふぅん」

 つまらなさそうにつぶやいたノゥスが、僕に視線を戻した。

「まあ、入れよ」

 ノゥスが招いてくれたのは、質素なお家だった。


 …………………………。

 ……王族の、離宮……?


 え、ちょっと待って!

 王都の下位貴族のお家、裕福な商人のお家、ふつーの人のお家、あんまり裕福じゃない人のお家と、さっき見てきた僕にはわかる!

 前世の記憶を足しても、雨漏りが心配な、屋根に草が生えてる、ちっちゃい家だよ!


 えぇ……!

 こ、これは絶対ぜったい絶対、離宮なんかじゃない──!


 も、もしかして、いや、もしかしなくても、のーすちゃん、冷遇されてるの……!?

 虐待だったら……!


「のーすちゃん……!」


 突然泣きだしそうになった僕に、ぎょっとしたようなノゥスの陽の瞳が、まんまるになって、ノゥスの耳が、真っ赤になってる。












────────────────


 ずっと読んでくださって、ありがとうございます!

 えー、素行わるいの……? びみょー、とお思いだった皆さま、のーすちゃんです!(笑)

 というわけで、だいふくユィリと、のーすちゃんの動画をつくりました!(笑)

 インスタ @siro0088
 Youtube @BL小説動画

 プロフのwebサイトからも飛べます。もしよかったら!

 ちっちゃいのーすちゃんと、おっきいのーすちゃんが出てくる動画になっています(笑)

 ロドお兄ちゃんのときもそうでしたが(笑)成長しないだいふくユィリと一緒に楽しんでくださったら(笑)とてもうれしいです!

 ……しかし、カイよりロドお兄ちゃんのほうが人気なのですが……!(笑)
 もしかして、皆さま、そっちですか……!?(笑)ちがう?(笑)


 ちょこっと不穏? だったりしても、ずっと読んでくださる あなたさまに、感謝の気もちでいっぱいです。

 お気に入りや、いいねやエール、ご感想で応援してくださる方も、ほんとうにありがとうございます!

 おひとつ、おひとつが、とてもとてもうれしいです。

 ほのぼの可愛い悪役令息めざして(笑)だいふくユィリ、がんばりますー!(笑)

 ちょこっとでも楽しんでくださったら、ユィリと皆といっしょに、とてもうれしいです!






しおりを挟む
感想 405

あなたにおすすめの小説

転生幼女は追放先で総愛され生活を満喫中。前世で私を虐げていた姉が異世界から召喚されたので、聖女見習いは不要のようです。

桜城恋詠
ファンタジー
 聖女見習いのロルティ(6)は、五月雨瑠衣としての前世の記憶を思い出す。  異世界から召喚された聖女が、自身を虐げてきた前世の姉だと気づいたからだ。  彼女は神官に聖女は2人もいらないと教会から追放。  迷いの森に捨てられるが――そこで重傷のアンゴラウサギと生き別れた実父に出会う。 「絶対、誰にも渡さない」 「君を深く愛している」 「あなたは私の、最愛の娘よ」  公爵家の娘になった幼子は腹違いの兄と血の繋がった父と母、2匹のもふもふにたくさんの愛を注がれて暮らす。  そんな中、養父や前世の姉から命を奪われそうになって……?  命乞いをしたって、もう遅い。  あなたたちは絶対に、許さないんだから! ☆ ☆ ☆ ★ベリーズカフェ(別タイトル)・小説家になろう(同タイトル)掲載した作品を加筆修正したものになります。 こちらはトゥルーエンドとなり、内容が異なります。 ※9/28 誤字修正

【完結】妹は庶子、文句があるか? 常識なんてぶっ飛ばせ!

青空一夏
ファンタジー
(ざまぁ×癒し×溺愛) 庶子として公爵家に引き取られたアメリアは、 王立学園で冷たい視線に晒されながらも、ほんの少しの希望を胸に通っていた。 ――だが、彼女はまだ知らなかった。 「庶子」の立場が、どれほど理不尽な扱いを受けるものかを。 心が折れかけたそのとき。 彼女を迎えに現れたのは、兄――オルディアーク公爵、レオニルだった。 「大丈夫。……次は、俺が一緒に通うから」 妹を守るためなら、学園にだって入る! 冷酷なはずの公爵閣下は、妹にだけとことん甘くて最強です。 ※兄が妹を溺愛するお話しです。 ※ざまぁはありますが、それがメインではありません。 ※某サイトコンテスト用なので、いつもと少し雰囲気が違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです。

【完結】長い眠りのその後で

maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。 でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。 いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう? このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!! どうして旦那様はずっと眠ってるの? 唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。 しょうがないアディル頑張りまーす!! 複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です 全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む) ※他サイトでも投稿しております ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです ※表紙 AIアプリ作成

転生先がヒロインに恋する悪役令息のモブ婚約者だったので、推しの為に身を引こうと思います

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【だって、私はただのモブですから】 10歳になったある日のこと。「婚約者」として現れた少年を見て思い出した。彼はヒロインに恋するも報われない悪役令息で、私の推しだった。そして私は名も無いモブ婚約者。ゲームのストーリー通りに進めば、彼と共に私も破滅まっしぐら。それを防ぐにはヒロインと彼が結ばれるしか無い。そこで私はゲームの知識を利用して、彼とヒロインとの仲を取り持つことにした―― ※他サイトでも投稿中

婚約破棄のあと、あなたのことだけ思い出せない

柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢セシリアは、王宮の舞踏会で王太子レイヴンから公開の場で婚約破棄を言い渡され、その場で倒れた。 目覚めた彼女は、礼儀も常識も覚えているのに――ただ一つ、レイヴンだけを思い出せない。 「あなたは、どなたですか?」 その一言に、彼の瞳は壊れた。 けれどレイヴンは何も語らず、セシリアを遠ざける。彼女を守るために、あの日婚約を捨てたのだと告げられないまま。 セシリアは過去を断ち切り、王宮の侍女として新しい生活を始める。 優しく手を差し伸べる護衛騎士アデルと心を通わせていくほど、レイヴンの胸は嫉妬と後悔で焼けていった。 ――守るために捨てたはずなのに。忘れられたまま、他の男に笑う彼女を見ていられない。 一方、王宮では“偽聖女”の陰謀と、セシリアの血に眠る秘密が動き出す。 記憶を取り戻せば、彼女は狙われる。取り戻さなければ、二人は永遠に届かない。 これは、忘れてしまった令嬢と、忘れられてなお愛を捨てられない王太子が、もう一度“選び直す”恋の物語。

【完結】「君を愛することはない」と言われた公爵令嬢は思い出の夜を繰り返す

おのまとぺ
恋愛
「君を愛することはない!」 鳴り響く鐘の音の中で、三年の婚約期間の末に結ばれるはずだったマルクス様は高らかに宣言しました。隣には彼の義理の妹シシーがピッタリとくっついています。私は笑顔で「承知いたしました」と答え、ガラスの靴を脱ぎ捨てて、一目散に式場の扉へと走り出しました。 え?悲しくないのかですって? そんなこと思うわけないじゃないですか。だって、私はこの三年間、一度たりとも彼を愛したことなどなかったのですから。私が本当に愛していたのはーーー ◇よくある婚約破棄 ◇元サヤはないです ◇タグは増えたりします ◇薬物などの危険物が少し登場します

きっと、君は知らない

mahiro
BL
前世、というのだろうか。 俺は前、日本という国で暮らしていて、あの日は中学時代にお世話になった先輩の結婚式に参列していた。 大人になった先輩と綺麗な女性の幸せそうな姿に胸を痛めながら見つめていると二人の間に産まれたという女の子がひとりで車道に向かい歩いている姿が目に入った。 皆が主役の二人に夢中で子供の存在に気付いておらず、俺は慌ててその子供のもとへと向かった。 あと少しで追い付くというタイミングで大型の車がこちらに向かってくるのが見え、慌ててその子供の手を掴み、彼らのいる方へと突き飛ばした。 次の瞬間、俺は驚く先輩の目と合ったような気がするが、俺の意識はそこで途絶えてしまった。 次に目が覚めたのは見知らぬ世界で、聞いたことのない言葉が行き交っていた。 それから暫く様子を見ていたが、どうやら俺は異世界に転生したらしく………?

【完結】選ばれない僕の生きる道

谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。 選ばれない僕が幸せを選ぶ話。 ※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです ※設定は独自のものです ※Rシーンを追加した加筆修正版をムーンライトノベルズに掲載しています。

処理中です...