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だめ……!
しおりを挟むちょっと、ぼろっとした駅馬車に乗りこんだ、地味な服を着てるのに王子に見えるカイ、地味な服を着ても、きらきらなセゥスさまのおひざのうえに乗ってる、地味な僕は、とっても目立っているみたいです……?
「わー! すごいね、揺れるね!」
きゃわきゃわ、はしゃぐ僕を、セゥスさまが、なでなでなでなでしてくれる。
「おしり、だいじょうぶですか」
心配そうに聞くカイに、セゥスさまは何でもないように微笑んだ。
「最初から割れてるから平気でしょう」
「……は! もしかして、お尻、いたかった? ごめんなさい! 僕、セゥスさまの、おひざの上だったから……」
あったかくて、しっかりみっしりしてて、抱っこして揺れまで吸収してくれて、座り心地が大変よかったのですよ……! きゃ──!
「だいじょうぶ。心配しないで、ユィリ。かわいい」
ぎゅむぎゅむ抱っこしてくれました。
うっとりしちゃう僕なのですが!
これでは、よわよわだよ。
めざせ、つよつよ!
「僕のおひざに乗ってください!」
ぽんと、ちっちゃなおひざを叩いてみた。
「わあ、ありがとう、ユィリ!」
「では、ぜひ」
セゥスさまとカイが、一緒に僕のおひざに乗ろうとするのは、つぶれちゃうのです──!
僕がセゥスさまをおひざに乗っけたり、カイをおひざに乗っけたり、僕がセゥスさまのおひざに乗っかったり、僕がカイのおひざに乗っかったりしながら、宿場町にたどり着きました!
……お尻は最初から割れてるけど、い、痛かった……! 皆で痛み分けだよ。
セゥスさまとカイが、とってもうれしそうな顔をしてた。よかったのかな?
宿場町で探して空きがあった宿屋は、質素でした。
ベッドと窓しかない感じだよ。お布団が、せんべいさんだよ。
つつましい前世の記憶がある僕でも、お風呂は桶のお湯1杯と言われちゃうと、ちょっと涙目になっちゃうけど、セゥスさまは、びっくりだよね。
「セゥスさま、僕のお湯も使ってください!」
「ユィリに僕のお湯をあげる」
「だ、だめです……!」
お湯をゆずりあっているうちに、冷めちゃうあれだね!
「皆で自分のお湯を使いましょう。こういうことにも慣れていただかないと」
いかめしく告げるカイに、僕もセゥスもうなずいた。
「僕はもう王太子じゃないし、さま付けは目立つから。セゥスでいい。カイも」
視線を送られたカイが、胸に手をあてる。
「かしこまりました」
「丁寧な口調も改めて」
「御意」
「ちがうな」
セゥスが笑って、カイも笑う。
「わかった。でもゆりさまには、今までどおりで」
ひざを折ってくれるカイに、僕は首をふる。
「ふつーでいいよ、カイ!」
「だめ」
首をふるカイが、かっこよすぎて、困る。
「ユィリだからね。仕方ないね」
笑ったセゥスが、カイと僕の頭をなでてくれた。
部屋は3人部屋がなかったので、2人部屋で、僕とセゥスさまが一緒の寝台です。
「だめでしょおおお!」
カイが、激おこです。
「いやだって、僕とカイとか、無理でしょう。空間的に」
ぎちぎちだね。
「重なれば──」
カイの言葉に、跳びあがる。
「か、重なる気なの!? うわき、だめ……!」
ぎゅう!
セゥスに抱きついてしまいました。
「ユィリ、かわいー♡」
なでなでしてくれるセゥスが、やさしい。
一緒の寝台で眠るとか、どきどきしすぎて、破裂しちゃう……!
「……いや、ゆりさまが寝てる間、俺の隙をつくようにセゥスがよく抱っこしていて、追い払ってました……」
カイの目が、遠くなってる!
「そ、そそそそうでした……?」
あわあわな僕に、こっくりセゥスがうなずく。
「そうでした。
ユィリ、いや……?」
しょんぼりしてるセゥスに、ぶんぶん首をふる。
「う、うれしい、です……」
セゥスの胸にうずめる頬が、あちあちです。
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お膝ゲーム 始まり始まりみたいな じゃれあいですかね
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ユィリのひざに乗せてもらったセゥスもカイも大喜びでした(笑)
いつもご感想、とてもとてもうれしいです。ありがとうございます!
マスコット いい響き
いい響きでしたか!(笑)いつもほんとうに、ありがとうございます!
ユィリも喜んでいますー!(笑)
つよつよになるために、セゥスさまとの仲を認めてもらうためにユィリちゃん頑張るんだね!ファイト♬
セゥスと一緒にユィリがんばりますね!
いつもおやさしい応援、ほんとうにありがとうございます!