【完結】もふもふ獣人転生

  *  ゆるゆ

文字の大きさ
112 / 253

抱っこです

しおりを挟む



 誠に遺憾ながらサザの背に乗ることをあきらめたリトは、つぶらな瞳を見あげる。

「僕、馬車、のせてもらぅ、でし。サザ、ジゼしゃま、お願い、しましあ」

 丁寧に頭をさげたら

 ブルン!

 サザの鼻息がリトのふわふわの耳を揺らした。


『……乗ってもいー』

 ちいさな声に、瞬いた。


「乗せてくれるのか、サザ」

 ふうわり、ジゼが微笑む。
 延ばされたジゼの手に、頬を押しあてたサザが頷いた。

 そういえば前世で、お馬さんが月の光で人になって、主と愛しあうお話を読んだよ!
 とっても素敵だった!

 やっぱりここはジゼ×サザかな?
 いやサザ×ジゼ!?
 昼はジゼしゃまを乗せてあげて、夜は……!?


「……リト?」

 不穏を感じたらしいジゼの目が凍えてる。
 サザはちょっと赤くなってた。

『仕方ねえな、乗せてやるよ、同士よ』みたいな目になってる!

 うれしい!


 しかし皆に筒抜けな思考。

 おかしい。




「リト」

 腕を伸ばしたジゼが、ちっちゃな毛玉を抱えるように軽々と、片腕でリトを抱っこしてくれる。

 最愛の推しが、輝いてる……!

「まぶしー!」

 火照る頬でもだもだしたら、リトのほわほわの耳がジゼの頬をくすぐったらしい、ジゼの耳が赤くなる。

「レォンしゃま、抱っこでし!」

「う、うむ!」

 ちっちゃい翼を畳んだレォンを、両腕できゅっと抱っこした。

 耳まで真っ赤になるレォンが、かわいー!



 ジゼがリトを抱っこしてくれ、リトがレォンを抱っこして、サザに跨る。

「重くなぃ、でしあ?」

 心配で顔を覗き込んだら

 ブルン!

 サザが鼻を鳴らした。

 そうだよ、甲冑を着た騎士とか乗せて走ってくれるんだよ、お馬さん!
 甲冑って確か重いのだと50キロとかあるみたい、着るほうもお馬さんも大変!


 リト + レォンしゃま + ジゼしゃま = 大人一人分もなさそう! たぶん

 
「手綱は俺が持つ。リトは俺に、レォンさまはリトにしっかり掴まって」

「あい!」

「わ、わかた!」

 ぎゅう

 三人でくっついたら、セバとゲォルグとテデとソゾが真っ赤になって胸を押さえる。


「ジゼとセバがいれば問題ないかと思うが、よく気をつけるように」

 こほんと咳払いしたゲォルグが、まだ赤い顔で告げる。

「あい!」

「わ、わかた!」

 よい子のお返事に、皆が胸を押さえてる。


「おお、ジゼさま、ご出発ですか、お弁当を作って参りやしたぜ!」

 料理長がおっきな籐籠を掲げてくれる。
 皆の目がきらきらになって、ジゼが笑った。

「ありがとう、コゴ。いつものことだが弟のソゾにも兄のコゴにも世話になるな」

「ジェディス家の皆さんのお世話をするのが、うちの一門の誇りでさあ!」

 料理長のコゴが胸を叩いて、隣でソゾがサザの首をやさしく撫でる。

「若のために何かできるってのが、よろこびでさあ」


 え、これはもしかして、コゴ×ジゼ!?
 いや、ソゾ×ジゼ?
 待って、コゴ + ソゾ + ジゼなの!?


「……リト?」

 不穏を感じたらしいジゼの目に刺された。

 ブルン!

 サザが面白そうに鼻を鳴らしてる。


「おうまさん!」

 そうっとちっちゃな指で首を撫でて、ちっちゃなお背なの翼がぱたぱた2倍速になってるレォンが、天使だ。




しおりを挟む
感想 405

あなたにおすすめの小説

【完結】僕の大事な魔王様

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
BL
母竜と眠っていた幼いドラゴンは、なぜか人間が住む都市へ召喚された。意味が分からず本能のままに隠れたが発見され、引きずり出されて兵士に殺されそうになる。 「お母さん、お父さん、助けて! 魔王様!!」 魔族の守護者であった魔王様がいない世界で、神様に縋る人間のように叫ぶ。必死の嘆願は幼ドラゴンの魔力を得て、遠くまで響いた。そう、隣接する別の世界から魔王を召喚するほどに……。 俺様魔王×いたいけな幼ドラゴン――成長するまで見守ると決めた魔王は、徐々に真剣な想いを抱くようになる。彼の想いは幼過ぎる竜に届くのか。ハッピーエンド確定 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/11……完結 2023/09/28……カクヨム、週間恋愛 57位 2023/09/23……エブリスタ、トレンドBL 5位 2023/09/23……小説家になろう、日間ファンタジー 39位 2023/09/21……連載開始

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

隊長さんとボク

ばたかっぷ
BL
ボクの名前はエナ。 エドリアーリアナ国の守護神獣だけど、斑色の毛並みのボクはいつもひとりぼっち。 そんなボクの前に現れたのは優しい隊長さんだった――。 王候騎士団隊長さんが大好きな小動物が頑張る、なんちゃってファンタジーです。 きゅ~きゅ~鳴くもふもふな小動物とそのもふもふを愛でる隊長さんで構成されています。 えろ皆無らぶ成分も極小ですσ(^◇^;)本格ファンタジーをお求めの方は回れ右でお願いします~m(_ _)m

過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます

水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。 家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。 絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。 「大丈夫だ。俺がいる」 彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。 これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。 無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!

【蒼き月の輪舞】 モブにいきなりモテ期がきました。そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!

黒木  鳴
BL
「これが人生に三回訪れるモテ期とかいうものなのか……?そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!そして俺はモブっ!!」アクションゲームの世界に転生した主人公ラファエル。ゲームのキャラでもない彼は清く正しいモブ人生を謳歌していた。なのにうっかりゲームキャラのイケメン様方とお近づきになってしまい……。実は有能な無自覚系お色気包容主人公が年下イケメンに懐かれ、最強隊長には迫られ、しかも王子や戦闘部隊の面々にスカウトされます。受け、攻め、人材としても色んな意味で突然のモテ期を迎えたラファエル。生態系トップのイケメン様たちに狙われたモブの運命は……?!固定CPは主人公×年下侯爵子息。くっついてからは甘めの溺愛。

白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!

ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。 ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!? 「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」 理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。 これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!

某国の皇子、冒険者となる

くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。 転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。 俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために…… 異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。 主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。 ※ BL要素は控えめです。 2020年1月30日(木)完結しました。

【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!

煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。 処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。 なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、 婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。 最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・ やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように 仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。 クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・ と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」 と言いやがる!一体誰だ!? その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・ ーーーーーーーー この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に 加筆修正を加えたものです。 リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、 あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。 展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。 続編出ました 転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668 ーーーー 校正・文体の調整に生成AIを利用しています。

処理中です...