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おしえてくだしあ
しおりを挟む『ジゼの将来の伴侶』という夢の地位を獲得してしまったリトには、重大な任務があるのです!
それは!
主人公アリアスの本命を突きとめることだよ!
だって、お話の主人公はアリアスだよ。
リトはモブでさえない。
いくら今ジゼがリトをかわいいと言ってくれていても『おっきくなったら、思ってたのと違った!』とか『なんか飽きた』とか『気持ちが急に冷めた』とか『アリアスが突然可愛く見えてたまらない!』とか、色々、色々あると思うのです!
リトが願うのは、ジゼのしあわせだ。
ほんとうに、それだけだ。
ジゼがしあわせだと思ってくれるなら、リトはとろけるしあわせを抱えて伴侶になりたいし、ジゼが『やっぱりリトは違うな』と思うなら、できたら遠くからでもジゼのしあわせを見守りたい。
ほんとうにジゼがしあわせになるためには、やっぱりアリアスの愛が必要なんじゃないのかな、と心配なリトは、ジゼのおつきで帝太子ルァルのお茶会に呼ばれた帰り際に、ちょこんとアリアスの衣の裾にふれる。
「あ、あの、アリアスしゃま、お話……」
「なんだこの可愛い生き物はぁアァ──!」
爛々した桜の目のアリアスに抱きしめられました。
「リト、伴侶になろうと約束して早々に浮気とは、中々に酷いと思うのだが」
ジゼの周りに魔界が発生してる。
あわあわリトはぶんぶん首を振った。
耳もしっぽも、びゅんびゅん揺れる。
「ちちちちがぅ、でし! あ、あのあの……アリアスしゃま、聞きたぃ、こと……」
「勿論何でも聞いて、リト! はー、かわいー! はーいー匂いするー!」
抱っこされて、吸われました。
「こらアリアス、ジゼを煽るのは止めてやれ」
ルァルが肩を揺らして笑ってる。
「そんなまさかジセさまを煽るつもりなんて微塵もございません! リトが自分から僕にさわってくれるなんて、至福なだけです──!」
拳を握って力説するアリアスに、うむうむしかけたジゼが首を振ってる。
「リト、俺が同席して聴いてはだめなのか」
「……ふぇ……」
『だめ』なんて言いたくないのですが、だってだって、ジゼしゃまが本命だったときは──!
泣きだしそうなリトを、アリアスの腕が抱えてくれる。
「ちょっと個室を貸してください、ルァル殿下! ジゼさまはちょこっとだけお待ちくださいね! 誓って何にもしませんから安心してください!」
認可の手をルァルが挙げてくれて、案内してくれる侍従の後を追いかけて、アリアスがリトを抱っこしたまま運んでくれました。
力持ちだ!
さすが主人公!
しっかり扉を閉めて、誰もいないことを確認したアリアスが、耳もしっぽもぺしょぺしょなリトの顔を覗きこむ。
「ああ、泣かないで、リト! 何かあったの? どうしたの?」
なでなでしてくれる主人公が、やさしい。
意を決したリトは、顔をあげる。
「だ、大事な、お話、なのでし」
「うん」
「答えて、ほし、でし」
「うん」
リトは息を吸う。
「アリアスしゃま、本命、は……?」
きょとんとしたアリアスが、瞬いた。
「え?」
「……アリアスしゃま、ほんとの、ほんと、ジゼしゃまが……?」
口にするだけで、泣きそうだ。
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読んでくださって、ありがとうございます!
nashiumai 様のリクエストで『アリアスしゃまの想い人エピソード』もうちょっと続きます!
楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
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