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リトは見た! 【ゲオセバのいちゃらぶです!(笑)】
しおりを挟むジゼが魔法や剣の鍛錬をしている間は、リトのお勉強の時間だ。
従僕の務めから文字から世界のことまで何でも知っているセバがリトの先生をしてくれる。
「ルディア帝国の主たる貴族は暗記したか?」
「ちょぴっと?」
「完璧になるまでがんばれ」
「うぅ」
ぺしょりとしょげる耳としっぽに、セバが胸を押さえてる。
「セバさま、ゲォルグさまがお呼びです」
ゲォルグつきの従僕がセバを呼びにきた瞬間、セバは立ちあがった。
「ちょっとゲォルグさまの執務室に行ってくるから、リトは自習しておくように」
ふわふわの耳を従僕とセバのほうに向けたリトはこくんと頷いた。
「あい!」
「わかんないとこあったらおいで」
「あい!」
ぽふぽふしっぽを揺らしてちっちゃな手を握ったら、セバのおっきな手が頭をわしゃわしゃ撫でてくれる。
「えへへ」
「あーもーくそかわいーな!」
「……セバさま」
「今行く!」
家令服の裾をひるがえし執務室を出ていったセバを見送ったら、リトはお勉強だ。
……おべんきょう……暗記……つまんない……
いや、つまんないとか言ったらだめだ!
つい肖像画に、くるんとしたお髭を描きたくなるけど、だめだ!
「はにゃー……んん? これ、ちぇし、伯爵、侯爵も、公爵も、いゆ?」
どういう関係なのかな? 別の人? わからない!
聞きに行こう!
うんしょと立ちあがったリトは、ぽふぽふしっぽでセバの後を追いかける。
おさぼりしたいからじゃないよ!
質問なのです!
そうっとゲォルグの執務室を覗いたリトは
「……ん……」
あまい吐息に跳びあがる。
ぴしっと扉の影に思わず隠れたリトの向こうで、ゲォルグの逞しい腕がセバの細い腰を抱き寄せていた。
「……ゲォルグさま、執務中──」
「セバが欠乏した。やる気が出ない。補充しないと」
くすくす笑うゲォルグが、セバの銀縁眼鏡に指をかける。
慣れた仕草で眼鏡を外したゲォルグのくちびるが、セバのくちびるに重なった。
しっとりあまく濡れた音が響いて、耳まで燃えたリトは、ぷるぷるする。
これはそうっと見なかったことにして帰らなくてはならない。
わかっているのに、リトの目はセバとゲォルグに釘付けだ。
ゲォルグの長い指が、セバの髪を、頬を、愛しげに撫でて、ちいさな頭を抱き寄せる。
深くなる口づけに、かくりと抜けるセバの膝を解っていたようにゲォルグの腕が支えた。
「……セバ……」
とろけるように甘い呼び声に、セバの身体がかすかにふるえる。
「ルグさま……」
ちゅ
くちびるを吸われるたび、セバの瞳があまく潤んで、のばされた指がゲォルグの胸に、あまえるようにすがった。
「ああ、リトも父上に用か?」
後ろから声がして、ぴょこんとリトは飛びあがる。
「しー! でし、ジゼしゃま!」
ぼふぼふになったしっぽと耳であわあわするリトに、首を傾げたジゼがゲォルグの執務室を覗きこんで、真っ赤になった。
「……なるほど」
ふわふわのリトの耳の間に顎をのせたジゼが、ちいさく笑う。
「俺たちも、しよっか、リト」
「……へぁ……!?」
へんな声出た!
ボフボフになるリトにジゼが笑って、執務室のなかで身じろぐ気配がする。
「ああ、リト、質問か?」
何でもない風に微笑むセバのまなじりが紅くて、瞳も、くちびるも、濡れていて。
「お、オトナでし──!」
きゃ──!
燃える頬でもだもだするリトに、セバが真っ赤になって、ゲォルグが喉を鳴らして笑った。
「大人になるのを楽しみにしておいで。ジゼも、リトも」
「はい」
微笑むジゼが、大人だ──!
────────────
読んでくださって、ありがとうございます!
いぬぞ~ 様のリクエストでゲォルグとセバのイチャイチャでした!
ふたりで書くとR18になる予感しかしなかった(笑)ので、リトに見守ってもらいました……(笑)
楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
新しいお話では、思いきり(笑)書けるといいな!(笑)
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