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舞踏会編
あとでね
しおりを挟むネメド王国のノィユとヴィルとロダを、ルディア帝国にご案内することになりました!
使命なのです!
耳もしっぽも、しゃんとして気合の入るリトに、皆が真っ赤になってる。
??
「あ、あのあの……リト、しっぽ、さわっても、いー?」
ちっちゃなロロァが藍の瞳をうるうるさせて見あげてくれました!
見あげてくれるのです! うれしい!
「これから、ルディア帝国、ご案内、でし。後で、でし!」
お兄ちゃんな感じで微笑みました。
「う、うん! ありがとう、リト!」
真っ赤な頬で、こくこくしてくれるロロァしゃまが、かわいーでし。
「……わがきみの、それは、浮気じゃないんでしょうか」
透夜の赤い頬が、ぷっくりしていて、かわいいです。
「だって、リト、かわいー!」
ちっちゃいロロァが、もだもだしてる。
「かわぃー、のは、ロロァしゃま、でし」
うむうむしました。
ぽふぽふしました。
「くぅ──!」
ジゼしゃまも、よい子の隠密団の皆も、ノィユしゃまとロダしゃまも、赤い頬で胸を押さえました。
大流行!
リトも胸を押さえてみました。
「……かわいー」
もしゃもしゃのヴィルしゃまが、紅い頬でうむうむしてる。
「ヴィル……! そんな、僕と伴侶になったばっかりなのに、もう浮気なの──!?」
ノィユしゃまが、泣きそうです。
これはもしかして、修羅場──!?
どきどきしてしまうリトの前で、ヴィルがちっちゃなノィユを抱きあげる。
「ノィユは、あいしてる」
「ヴィル──! だいしゅき──!」
噛んだ! って恥ずかしそうに真っ赤になるお耳まで、ノィユしゃまは、かわいーでし。
しかしノィユは可愛いだけではなかった!
「どこか見たいところはありますか?」
微笑むジゼに返る答えが
「国境警備とか、どんな風になさっているのか拝見したいです」
そ、それは国家機密でし!
大切な防衛線でし!
あなたがたの攻撃を防ぐための!
「だめです」
輝くような笑顔でジゼが両断してくれました。
「え、えと、じゃあ、下水処理と上水道、治水事業と農耕を拝見したいです!」
しゃっと手を挙げるノィユに、ジゼがあんぐりしたのは一瞬だった。
さっそく帝都にいるルァル殿下に、何かあったときのための緊急連絡魔道具を機動させる。
『……招待した舞踏会まで、まだひと月あるのに襲撃に来たかと思ったらただの馬車で、国境警備の次に治水と上下水道と農耕を見せろだと……? ネメド王国は戦を仕掛ける気なのか……?』
いつも冷静で余裕なルァル殿下の声まであんぐりしてる。
「非常にお可愛らしい方だが、ちょっとぶっ飛んでる」
ジゼの答えに、ルァルが沈黙した。
『ノィユ殿か?』
「ヴィル殿も」
「……うわき……」と呟いてしょぼんとしているヴィルを見たジゼのなかで、でっかくて大陸最強の一角たるヴィルは『かわいい』に認定されたようです。わかる。
うむうむするリトのしっぽがぽふぽふ揺れて、ジセの頬がとろけた。
「一番かわいいのはリトです」
『いや、緊急通信の魔道具で、のろけなくていいから』
突っこまれたジゼが不服そうにちょっと唇を尖らせた。
「どこまで見せるか、見せていいのか、確認を」
『すぐ陛下と宰相と詰める。しばし待て』
ルァルの声が遠くなる。
相談の結果、ダムを見せてもいいことになって、ノィユも大変よろこんでくれました。よかった!
前世の記憶を透夜と話したいのだろうノィユの
「あの、透夜、夜に部屋に行ってもいい?」
爆弾発言に皆でわちゃわちゃして笑った。
雪解け水の流れこむおだやかな湖面を、ノィユを、透夜を見たリトはそっと、ジゼを見あげる。
「ジゼしゃま。夜に、お時間、いただけ、ましあ?」
「無論だ」
即答してくれるやさしいジゼを見あげたリトは、ちいさな手をにぎる。
「お話、したい、こと、あるの、でし」
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