【完結】非モテアラサーですが、あやかしには溺愛されるようです

  *  ゆるゆ

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おまけのお話

告白

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 お茶を淹れてあげたり、お菓子を運んだり、冷たくなってしまった手にハンドバスしてあげる。

 隣にいるだけで、牛尾は喜んでくれるみたいだった。

 離れの雪景色の庭を前にしたお膳行列には、ぽかんと口を開けて、めちゃくちゃ感動して喜んでくれた。

「……あ、あのあの……あーん、してください……」

 真っ赤な頬で、めちゃくちゃ恥ずかしそうに言われたけど、その羞恥はほんとに無意味だよ!
 可哀想になりながら、はいはいと頷いて、にこりと微笑んだ。

「あーん」

 耳まで真っ赤な牛尾が口を開ける。

「美味しい?」

 もぐもぐした牛尾は、俯いた。

「……味、わかんない」

 そのどきどきも無意味なんだよ、可哀想に!
 段々憐れになってきて『うぷぷぷぷ』の気持ちが消えてゆく。

「…………手、繋いでください」

 赤く染まる牛尾のお願いに、やさしく手を握る。

「恋人繋ぎがいい?」

 囁いたら、ぽわぽわ耳まで紅くなった牛尾が、こくりと頷いた。

 指を絡めて、きゅ、と握る。
 真っ赤な牛尾が、ぎゅ、と握り返す。


 離れから部屋までの道を、ふたりで歩く。
 つながる指が、相手のぬくもりを伝えてくれる。

 ひらひら舞い降りる雪が、夜の闇を静かに照らした。


「……私、ともだち、ひとりもいないんです」

 ちいさな声だった。
 私は目を瞬く。

 いつも誰かと一緒だったよね?
 言えないから、牛尾の手を握る。
 震える指で、牛尾は手を握り返した。


「……職場とか、SNSとか、話す人はいるけど、友達っていうのじゃないと思う。
 皆、自分のことを褒めて認めてくれる人だけがすきでしょう。
 ほんとうの私のことを思ってくれる人なんて、誰もいない。
 誰かに思われたくて、お洒落して、可愛くして……でも、私はいつも、選ばれない」

 牛尾の瞳から、涙が零れた。


「……職場で、身なりに全然構わない人がいたんです。
 何の努力もしてないし、不愛想なのに『日崎さんに頼めば仕事が早く終わってたすかるよ』とか『めんどくさいことしてくれるの、ありがたいよね』とか言われてて、私はこんなに努力してるのに、どうしてって悔しくて……ださい服や髪形を嗤ったりしました。
 皆、むかついてたみたいで、皆で見下すみたいになって。
 あの人は私より下だって思ったら、私が上になったみたいで、気分がよくて。
 ……酷いことしてるって、解ってたけど、止められなかった」

 牛尾の声は、震えてた。


「……その人、めちゃくちゃかっこいー彼氏が迎えに来て、退職しちゃいました。
 寿退社って皆言ってた。
 残された私は、皆からいじめられるようになりました。
 男受けばっかり狙ってみっともない、化粧品と服に給料注ぎ込んでる、男漁りしてるって。
 …………自分がしたことは、自分に返ってくるんですね」

 あふれる牛尾の涙を見つめた私は、そっと冷たくなった頬を包んだ。




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