今、一度だけ会いたい人は誰ですか?

Gothic.

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episode 1

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あなたには、亡き人にもう一度会えるとしたら、会いたいと思いますか?
私が叶えてあげると言ったらあなたは望みますか?
教えてください会いたい人の名前を…

私の家系は昔から魂の復元士だった。
特に私の母、フィリア・レイラックは有名な復元士だった…悪い意味での伝説的存在。
母の顔は薄っすらとしか覚えて居ない。
意識がはっきりした頃には父と二人だった。
ある日、父は母の悪い噂を聞き止める為に犠牲になってしまい還らぬ人となってしまった。
それ以来私は、村の標的とされ仲の良い叔母さんに案内されひっそりとこの身を隠し暮らした。
時々、私の事情を知って隠れ家を教えてくれた叔母さんが様子を見に来てくれ私は助けられて居た。
この時、私が最初に魂の復元をしたのも父だった。
父は母の事、この力の事、母の最後の遺言も、全て踏まえて教えてくれた。
ただ一つ本人しかわからない事、伝説の悪の復元士と呼ばれた理由それを聞くために旅に出た。
亡くなった母の元へ…


月夜が不気味な夜道、ある馬車の上で、遠くから嘆く声が聞こえる。
これは復元士の特有の能力によるもの、亡き者を呼ぶ、魂の嘆き声。
「あの、ここで降ろしてもらってもいいですか?」
「嬢ちゃん、こんな夜遅いのに大丈夫かい?モンスターに襲われちまうよ」
「大丈夫です。慣れているので」
「そうかい、そんじゃここらで、そこにあるランタン一つ持ってきな」
「ありがとうございます」
馬車のおじさんは、ゆっくりとスピードを落として馬車を止めてくれた。
「気をつけな、墓場が近くにあってアンデット系のモンスターが多いから」
やはり近くに墓場があるという事だったのね。
「ご心配ありがとうございます。ランタンもらっていきます。」
「そんじゃな」
「ありがとうございました」
私は一礼して馬車が見えなくなるのを待った。
何故ならこれから行くのは墓場だ。
心配をかけてしまう事になる。
「もう行ったようね」
墓場のある場所は嘆きの元を辿れば自然と着くはず。
不気味な夜道、ハウンドの遠吠え、普通の女の子なら脅えるはずだ。
私は怯まない。
しばらく歩くと墓場が見えそこには一人の男性がいた。
私は男性に近づく、やはり彼は泣いていた。
「どうしましたか?」
「わっ、君は…」
「私はイオです」
下の名前は言えない。
言ってしまえば命を落とす危険性もある。
「あ、あぁ俺はロイドだ」
「はい、よろしくお願いします。ロイドさん」
「所でこんな夜遅くに墓場まで何しに来たんだい?」
流石にこの歳では心配されるのは分かっていた。
まだ、私は14歳でこんな夜に一人で出歩くはずのない子供だ。
「私は旅をして居て、たまたま通りかかったのです」
「そうか、よければうちに来ないか?夜も遅いしモンスターの危険性も十分にある」
「すみません、お言葉に甘えて」
「うん。それじゃあ行こうか」
私は頷きロイドさんに着いて行く。
この力を使ってもいいが無闇には使ってはいけない、何故なら母と同じ様な扱いを受けるだろうと、叔母さんに言われて居た。
「小さな家だけど、ごめんね」
「いえ、そんなに小さくないですよ」
「ありがとう」
ロイドさんはどうやら農民らしい。
通り道に畑があったりしたので、職業的には平凡な農民だろう。
ロイドさんは飲み物を出してくれた。
「あの、一つ質問いいですか?」
「あ、あぁどうぞ」
「この、写真に写ってる女性は誰ですか?」
この白黒の写真には、はっきりとロイドさんと一緒に写っている女性が居た。
多分さっきのお墓の人だろう。
「あぁ、まぁうん」
「すみません、いきなりこんな質問して」
「いや、いいさ一年前の話だ、もちろんその人はもうこの世に居ない、彼女は病気だったんだ」
「そうだったんですね」
「…あの時言った言葉はなんだったんだろう」
「何か言いましたか?」
「いや、何でもないよ」
「あの、その人にはもう一度会いたいと思いますか?」
もう、言った方がいい此処にいる理由はこの為だから
「もし会えれば会いたいよ」
「では、私が会いたい人に合わせることが出来るとしてロイドさんはそれを望みますか?」
「もしかして、出来るのか!?アンナに会うことが」
「一時です。一度だけしかその人の魂は戻りません。それでもいいですか?」
「それじゃあ、伝説の…」
やっぱり、お母さんの事。
「私はその娘です」
「そうなのか、考えさせてくれ」
「わかりました」
分かって居た、さっきの事を言えば母の事がでる。
ロイドさんは、頭を抱える。
「伝説の様に、ロイドさんの魂を使って復元しません。母もそんな事してないと思います」
「そうなのか」
「はい」
「決めたよ、お願いしたい」
「わかりました」
「でも、今は夜遅いし明日だね」
「そうですね」
「寝る所は、二階にベットがあるはず、まだ使えるからそこで寝ていいよ」
「わかりました。おやすみなさい」
私は二階の屋根裏部屋であろう部屋にベットを見つけた。
ロイドの言っていたように綺麗だった。
「いつも綺麗にしているのでしょうか?」
それはいいとして、私はベットの上に座り神お祈りをして寝た。

「あの、少女は悪の魂復元士の娘だ、そんなの信用しても良いのだろうか」
あの少女に、アンナに会わせてもらえる、それは嬉しい。
だが後で何を言われるかわからない。
今日この場で殺してしまえば良いのだろうか。
いや、殺してしまおう。
鉈を手に持ち、イオの寝ている部屋に行く。
しっかりと寝ているのを確認して、鉈を振り下ろそうとするが、イオの寝顔が余りにも綺麗で、殺す気も失せてしまった。
「そうだな、こんな小さな子を殺しても何もなりゃしない、願いを叶えてくれる少女に、そんな事したらアンナに怒られる、ごめんな」
俺は恐怖心が消えないまま屋根裏部屋から降りた。
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