今、一度だけ会いたい人は誰ですか?

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episode 2

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「おはようございます。ロイドさん」
「おはよう、イオさんご飯をどうぞ」
ロイドさんは、パンとスープを用意してくれていた。
「ありがとございます」
「うん」
私は席に着き静かに祈る。
「もしかして、いつもやってるのかい?」
「そうですね。習慣です」
祈る事は大切だと父に言われたのを覚えている。
その為に欠かさずお祈りをしている。
「ん、このスープ美味しいです」
「よかったよかった」
ロイドさんの作ってくれた赤い色スープは優しい味で、酸味も程よくありとても美味しかった。
「これを食べ終わったら、もう行くかい?」
「いえ、出来れば夜の方が…」
「そうか」
「はい、多分この力を使えば通りかかった人に築かれる事になるので」
「そうだな、じゃあ夜にしよう」
私の提案は、身勝手だが自分自身の心配だった、ロイドさんは早くアンナさんに会いたいだろうに。
「本当に身勝手でごめんなさい」
「いや、いいんだ。それに今の時間帯だと危ないしな」
多分ここは昨晩馬車で通った様に荷物の馬車や時々騎士や兵隊、旅人も通りかねないと言う意味だろう。
伝説を知る者が多くあればそれだけ命の危険性も高い、夜はモンスターこそ多いが人の危険性は低いので、やはり夜が一番の時間だと私は感じた。
それに襲ってきた時も対処はできる。
「さて、イオさん…って呼びにくいな。イオで良いかい?」
「はい、呼び方は呼びやすい様にお呼びください」
「わかった。じゃあイオちゃんはすまないがここで待っていてほしい、僕は畑を見てくるから」
「わかりました」
「それじゃあ」
「あ、お皿洗いなどしておきます」
「いや、いいよ」
「いえ、泊めていただいたお礼もしたいので」
「じゃあ、まぁ、よろしく頼むよ」
「はい」
そう言うとロイドさんは出て行った。
私は、お皿を下げてお皿を洗う。
水は冷たいと感じるほどの温度だった。
朝で、日が昇って数時間しか経ってないからだと感じられた。
お皿を洗い終えると、やる事が無くなってしまったので暇になってしまった。
椅子に座りながら、少しの間考える。
例えばこの先の事どう進んで行くか、とりあえずは今目の前にある事をするしかない。
考えるのはそれからでも良いと思った。
だが、ロイドさんにこれ以上迷惑は掛けられない。
私は復元をした後すぐに出る事を決めた。
お昼にはロイドさんが一旦帰ってきた。
お昼を食べ今日の事を説明する。
「ロイドさん、私がアンナさんの魂を復元させます。ですが、その間周りを見ていてください。モンスターより、人が怖いので来たら教えてもらっても良いですか?」
「わかった」
「よろしくお願いします」
「で、夕暮れ時に行くと言う事で良いかい?」
「はい、復元をするのはもう少し暗くなってからですが」
アンナさんの、お墓は少し近い所にあるが夕暮れ時に行かないと道中モンスターに襲われても困るので夕暮れ時にした。
「うむ、わかった」
ロイドさんに了承を得たので、夕暮れ時まで待つ事になる。
まだ日は少し傾き始めた頃で、時間はまだある。
「なぁ、イオはどうやってここまで来たんだい?」
「私は、そうですね。行き当たりばったりです。ここまでは魂復元をして行くところまで送って行ってくれると言われ馬車に乗せてもらって来ました」
「つまり、魂を復元させながら旅をしているってことか…どうしてなんだい?」
「…私の母の真実が知りたいので…母のお墓を探して復元して話を真実を伝えて誤解を解きたいんです。母は悪い復元士なんかじゃないって」
「そうなんだね。僕も勘違いしていたのかもしれない。イオちゃんがこんなに優しいのに、君のお母さんを怖がっていて、確かに言われてみれば不自然だ」
「どうしてですか?」
「随分と前の事になるけど、君のお母さん…フィリアが悪い復元士に呼ばれた詳しい理由が僕も実は噂でしか知らないんだ。だけど、殺した人はわかる」
「私もわかります。英雄のハダルさんですよね」
「うん。悪人の魂の復元をして襲わせたという理由なんだ、フィリアのお墓は秘密にしてあるらしい」
「そうなんですね、でも一つ言える事があります」
「なんだい?」
「それは、魂の復元は一時的な物です。襲わせるほど長くは持ちませんし、いわゆるゴーストと同じような者ですから、無理でしょう」
「そうなのか。じゃあ、イオちゃんが正しければ、間違っているね」
「これが、魂の復元士の力ですから、あとは本人にしかわかりません」
「そうだね」
ロイドさんは、少しだけ納得してくれたようだ。
ロイドさん自身もやはり伝説となった母の事を噂でしか知らないらしい。
私は恨む事はしないけど、英雄と呼ばれているハダルさんが母を殺めたと言う事は有名な話で、ハダルさんは悪人の魂を復元して、アンデットを作りを襲わせて来たと言われている母を殺して英雄となった。
ロイドさんとの間に無言が続く。
ロイドさんは立ち上がると自分の部屋に行った。
私はどうする事も出ないので、その場にいる事にした。
日が暮れ始めて来て、そろそろと言う時にロイドさんは部屋から出て来た。
「そろそろ行くか?」
「そうですね」
「わかった」
私達は、家を出る。
ロイドさんの手には斧、多分薪を割る為のものだろう。
モンスターが現れた時に身を守る為にも、最低限の武器だ。
「イオは、武器を持たなくていいのか?」
「私は大丈夫です」
それに、武器はある。
「さて、行きましょうか」
お墓は歩いてすぐ近くの場所にあるので時間は係らないが、日が沈むまでの時間はまだ少しある。
「日が沈んだらアンナさんの魂を復元します。少し待っていてください」
「わかった」
夕暮れ時とも言えるこの時間、完璧な夜でなければいけない理由も無いが、身の安全の為選びざる負えないと思ったからだ。
日が沈むまで、ロイドさんと私は待った。
モンスターにも気をつけながら。
ようやく日が沈んだ。
「始めます。ロイドさんは復元の間周りを見ていてください。お願いします」
「わかった」
「では」
ロイドさんはモンスターを警戒しながら私は復元をする。
「神よ、私の願いを聞き入れ、彼女の魂をこの地に…」
私は祈る。
そうすると、天から一つの青い魂が降って来た。
「これが、アンナなのか?」
「はい」
アンナさんの魂はお墓の前に止まると形を変え、長髪の金髪の優しそうな女性の姿になる。
「アンナ…お前はアンナだよな」
「どうして、私はここに?ロイド、どういう…」
「アンナ!」
ロイドさんは、表れたアンナさんに抱きつく。
魂の具現化は、接触もできる。
幽霊とは違うが一時的な産物だ。
「ロイド、どうしてこんな事が」
「この子に復元をしてもらったのさ」
「初めまして、アンナさん、私はイオです」
「あら、もしかしてあなたはフィリアさんの娘さん?」
「母を知っているのですね」
「それはもちろんよ、一度私が幼い頃に復元してもらった事があるの、その後フィリアさんはどうなったかわからないけれど」
「そうなんですか」
アンナさんが、お母さんの事知ってたなんて思いもしなかった。
「うん。えっと、それでロイドはどうして私を呼び出したのかしら?」
「それは、会いたかったということもある。もう一つ、俺はアンナがあの時、死ぬ間際に言った事それを聞きたかったんだ」
「聞こえてなかったのね…ふふっ」
「それが気になって、いつもいつも考えてたんだ」
「ふふっ、ロイドらしいわ」
「なにがだよ」
「いやね、気になった事は最後まで知りたいなんて、解決するまでずっと悩み続けるってところよ!」
「まぁ、確かにな」
「えっと、最後に言った言葉ね。それは"あなたが大好きよ"ってただそれだけ」
「そうか、でもその言葉今聞けてよかった」
「よかったわ!」
「本当に、よかった」
「ねぇロイド、あなたはまだ先があるわ。私の事ばかり考えてないで私から離れてもいいのに」
「いや、俺はアンナが大好きだし、この生活にも愛着があるからな!」
「そう、それなら良いかな」
「アンナ、もう時間…なのか?」
「そうみたいね」
アンナさんは薄れ始める。
「最後にロイド、あなたは執着心は強いけど、早く新しい人見つけて幸せになってね!」
「あ、あぁ、アンナに言われたらそうするしか無いだろ?」
「ふふっ、あなたらしいわ!」
「じゃあ、今度こそお別れだな」
「うん、そして、イオちゃんありがとう」
「はい」
「じゃあ、さようなら」
「アンナ…俺はアンナが好きだ」
「ありがとう…私も好きよ!じゃあね」
すると、アンナさんは光の粒となり帰って行った。
「アンナ、じゃあな」
涙を流しながらロイドさんは俯いてしまった。
「ロイドさん…」
「あ、あぁ、」
ロイドさんは涙を拭う。
「ありがとうな。イオ、おかげで決心ができた」
「それはよかったです」
「家に帰ったら夜飯にしよう」
「あの、私はもう行きます」
「そんな事言わずに夜飯食べてもう一晩泊まっていけば良いのに」
「これ以上お世話になってしまっては悪いですし」
「悪くないって、それに恩人なんだから」
「…ですが」
「遠慮はしないでくれ」
ロイドさんは少しでもお礼がしたいようだ。
多分、この気持ちを無駄にしては行けないのだろう。
「わかりました」
「よっしゃ!今日は美味いの作るかな!」
ロイドさんは吹っ切れたように、もしくは本来の自分に戻ったかのようだった。
ロイドさんは、お肉の料理などをご馳走してくれた。
ロイドさんの作ってくれた料理はとても美味しかった。
ご飯を食べた後に、ロイドさんはアンナさんとの過去の話をしてくれた。
「フィリアさんってどんな人だったんだ?」
「意志を持った時には、母は居なかったのでわからないのですが、私は母を酷い人だとは思えないので、母に会ってその真実を知りたい為に旅をしているのです」
「そうなのか」
「はい」
「そうだ、この先の小さな村に頑固なじいさんがいて、その人がフィリアさんの事知ってるような話を聞いた事があるんだ」
「それはどこですか?」
「えっと、このまま真っ直ぐ行けば着くはず」
「そうですか、ありがとうございます」
「そろそろ寝るか」
「そうですね」
「じゃあ、おやすみ。今日はありがとうな」
「はい。おやすみなさい」
私は貸してもらっている屋根裏部屋に行きバックから着替えを出して着替え、ベットに座る。
「主よ、ありがとうございました。我が魂は主の下に」
祈り終わり私はベットに横になるとまぶたが自然に閉じてきた。


次の朝、朝食をいただいた後私は直ぐに外へ出た。
「イオ、本当にありがとう。これだけしか出来ないけど」
するとロイドさんはお金を渡してきた。
「いえ、お金は要りません」
「でも、受け取ってくれ」
「ロイドさん、受け取れません。それに地図も貰いましたから」
「そうか」
何故ならお金の為に復元をしていないからだ。
「もう行きますね。地図ありがとうございました」
「おう」
私は、ローブのフードを被る。
「元気でな」
「ロイドさんもお元気で」
そうして、ロイドさんと別れロイドさんに教えてもらった村の、バロック村へ歩みを進めた。
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