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Episode.3 出会いと別れのセブンロード
19話 異常事態
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謎の店を後にした僕は、再び大通りを歩いていた。
昼食までまだまだ時間はある。
もっといろんなところを見て回ろうと思ったのだ。
「しかし、ここもファストの街とそこまで変わらないな……」
石造りの建物に、建ち並ぶ露店。
僕が住んでいた街とは大違いだが、ファストの街とはさほど変化がないようだ。
こちらの街の方が人の数が多く見えるのは、近くにある塔に用がある人達が来ているからかもしれない。
その塔は人工的に作られたもので、魔物が発生する装置を内蔵した階層型ダンジョンだ。
魔物は発生さえするものの、建物の壁を破壊することは出来ない。
なぜなら中で発生させているのは低ランクの魔物で、その上塔の壁には結界が張られているからだ。
王都の方に行けばもっと大きなものが幾つもあるのだが、普通の街に設置されるぶんにはかなり小さいものになる。
高さとしてはファストの街の冒険者ギルドの二倍ほどの高さだ。
ギルドは家屋などよりも天井が高く作られているため、塔の高さは大体僕が二十人分ぐらいだろうか。
王都の塔になるとさらに二倍ぐらいの高さがあってもおかしくはない。
「お、案内板があった」
ファストの街に来た時にはすっかり忘れていたので、今回は忘れずに確認しておく。
どうやら冒険者ギルドは、街の北方向にあるらしい。
僕は早速行ってみることにした。
-----------------------------------
歩き始めて数分後、僕はそれらしき建物を見つけることが出来た。
「多分、これだよな」
ファストの街の冒険者ギルドと同じ高さの建物が、僕の目の前にはある。
ドアの大きさや建物の形など、細かい点を見ていくと違うところも複数見当たるが、まあここで間違いないと思っていいだろう。
僕はドアに手をかけ、ゆっくりとドアを――
「ん、あれ?」
何度ドアを押しても引いても、ドアはビクともしない。
いや正確に言うとビクリとはしている。
だがどうやら鍵がかかっているようで、全く開く気配はなかった。
ドアの片側をよく見てみると、そこには『休止中』の紙が貼られているではないか。
僕もそろそろ目が悪くなってきたのかもしれない。
「とりあえずどうしようもないし宿に――」
一つ、僕には気になることがあった。
何故休止中なのか、だ。
本来であればそんなことを気にするまでもないのだが、どうもおかしい。
『休止中』と書かれた紙は、何の仕掛けもなくただドアに貼り付けられているだけなのだ。
これでは休止する度に、紙を貼っては剥がしてを繰り返さなくてはならない。
それにこの雑に書かれた文字だ。
何か急いで書く必要でもあったのだろうか。
ただ休止なだけであれば、わざわざ急いで書く必要も無い。
むしろ丁寧に書いてもらった方が読みやすくて助かる。
「考えても無駄か。帰ろう」
小さな違和感を胸に抱きつつ、僕は昼食を食べに戻るべく宿に足を向けた。
------------------------------------------
「――――」
何だこれは。一体何があったのか。
僕はこの短期間で、一体何回衝撃を受けなければならないのか。
周囲で騒ぐ人々の声が、不思議と小さく聞こえるような気がする。
休止中がどうだなんて、もうどうでもいい。
まずは目の前にある異常な光景を理解するところから始めなければならない。
「何で――何で宿が消えてるんだ!?」
僕の見つめる視線の先、あったはずの宿がそこにはなかった。
消えたのだ。宿だけが。
周りの建物や地面を残して、その部分だけが無くなってしまった。
中にあった家具も、荷物も、全て消えた。
近くにいた人々は、猛烈な風を感じた瞬間にこの宿が消えているのを見たという。
恐らく宿が消えたのではなく、その空間がまるごと瞬時に消し飛んだのだ。
――部分的に全てが消えた。
人生で四度目の異常事態を、僕は今目の当たりにしている。
昼食までまだまだ時間はある。
もっといろんなところを見て回ろうと思ったのだ。
「しかし、ここもファストの街とそこまで変わらないな……」
石造りの建物に、建ち並ぶ露店。
僕が住んでいた街とは大違いだが、ファストの街とはさほど変化がないようだ。
こちらの街の方が人の数が多く見えるのは、近くにある塔に用がある人達が来ているからかもしれない。
その塔は人工的に作られたもので、魔物が発生する装置を内蔵した階層型ダンジョンだ。
魔物は発生さえするものの、建物の壁を破壊することは出来ない。
なぜなら中で発生させているのは低ランクの魔物で、その上塔の壁には結界が張られているからだ。
王都の方に行けばもっと大きなものが幾つもあるのだが、普通の街に設置されるぶんにはかなり小さいものになる。
高さとしてはファストの街の冒険者ギルドの二倍ほどの高さだ。
ギルドは家屋などよりも天井が高く作られているため、塔の高さは大体僕が二十人分ぐらいだろうか。
王都の塔になるとさらに二倍ぐらいの高さがあってもおかしくはない。
「お、案内板があった」
ファストの街に来た時にはすっかり忘れていたので、今回は忘れずに確認しておく。
どうやら冒険者ギルドは、街の北方向にあるらしい。
僕は早速行ってみることにした。
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歩き始めて数分後、僕はそれらしき建物を見つけることが出来た。
「多分、これだよな」
ファストの街の冒険者ギルドと同じ高さの建物が、僕の目の前にはある。
ドアの大きさや建物の形など、細かい点を見ていくと違うところも複数見当たるが、まあここで間違いないと思っていいだろう。
僕はドアに手をかけ、ゆっくりとドアを――
「ん、あれ?」
何度ドアを押しても引いても、ドアはビクともしない。
いや正確に言うとビクリとはしている。
だがどうやら鍵がかかっているようで、全く開く気配はなかった。
ドアの片側をよく見てみると、そこには『休止中』の紙が貼られているではないか。
僕もそろそろ目が悪くなってきたのかもしれない。
「とりあえずどうしようもないし宿に――」
一つ、僕には気になることがあった。
何故休止中なのか、だ。
本来であればそんなことを気にするまでもないのだが、どうもおかしい。
『休止中』と書かれた紙は、何の仕掛けもなくただドアに貼り付けられているだけなのだ。
これでは休止する度に、紙を貼っては剥がしてを繰り返さなくてはならない。
それにこの雑に書かれた文字だ。
何か急いで書く必要でもあったのだろうか。
ただ休止なだけであれば、わざわざ急いで書く必要も無い。
むしろ丁寧に書いてもらった方が読みやすくて助かる。
「考えても無駄か。帰ろう」
小さな違和感を胸に抱きつつ、僕は昼食を食べに戻るべく宿に足を向けた。
------------------------------------------
「――――」
何だこれは。一体何があったのか。
僕はこの短期間で、一体何回衝撃を受けなければならないのか。
周囲で騒ぐ人々の声が、不思議と小さく聞こえるような気がする。
休止中がどうだなんて、もうどうでもいい。
まずは目の前にある異常な光景を理解するところから始めなければならない。
「何で――何で宿が消えてるんだ!?」
僕の見つめる視線の先、あったはずの宿がそこにはなかった。
消えたのだ。宿だけが。
周りの建物や地面を残して、その部分だけが無くなってしまった。
中にあった家具も、荷物も、全て消えた。
近くにいた人々は、猛烈な風を感じた瞬間にこの宿が消えているのを見たという。
恐らく宿が消えたのではなく、その空間がまるごと瞬時に消し飛んだのだ。
――部分的に全てが消えた。
人生で四度目の異常事態を、僕は今目の当たりにしている。
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